伸びよくて餡ころ餅と辛味餅
獅子舞に子の頭を下げて噛まれけり
花びら餅食うべて夢見心地なる
レストランに合ふや銀座の松飾
見てゐれば声かけられて達磨市
福達磨は開運や厄除けを祈念して新年に神棚に飾る達磨をいう。
暮れから正月にかけて各地で達磨を売る市が立つ。
一月六~七日に群馬県高崎市の達磨寺の境内に立つ達磨市が有名。
川越大師の達磨市を訪れた。
達磨を見ていると、「いらっしゃい。どうぞ見て行ってください。」と声をかけられた。
曇天に威勢の声や達磨市
つひに雨降つてきたりし彼岸道
春分の日を中日とする前後三日の七日間を彼岸といい、この期間に各寺院で営まれる法会を彼岸会という。
彼岸は、煩悩の此岸から悟りの世界へ至るという意味をもち、中日には太陽が真西に沈み、衆生が西方浄土の所在を知ることができるようにするための仏事を行うようになった。
これが古来からの祖霊信仰と結びつき、墓参りが行われる。
お中日に墓参りをしようとして彼岸道を歩き出したところ、ついに雨が降ってきた。
武蔵野の風雨激しやお中日
門松や薄青き山望まれて
新年に戸口や門前に立てる松をいう。
歳神の降臨する依代と考えられている。
門口に松を立てることが多いので門松と称されるが、竹、楢、朴、榊、樒なども用いられる。
ビルの入口に門松があった。
そこからは薄青い山並みが望まれた。
若者の多き道なり松飾