俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

冬紅葉

2023-11-30 | 俳句・冬・植物

 

 

勤行の昼の太鼓や冬紅葉

 

 

 

 

 

 

冬に見られる紅葉をいう。

 

 

 

 

 

 

以前は秋に紅葉は見られたが、最近は地球温暖化により、平地では十月になっても紅葉は見られず、十一月の初冬になり漸く色づいてくる。

 

 

 

放生池

 

 

 

従って、初冬の楓などの冬紅葉が最も美しい。

 

 

 

 

 

 

埼玉県新座市にある禅寺の古刹、平林寺を訪れた。

丁度、冬紅葉が美しいときで、団体客をはじめ多くの人が訪れていた。

昼になると、本堂から勤行の太鼓の音が聞えてきた。

頭上には天を覆うような冬紅葉が輝いていた。

 

 

 

 

 

仰ぐこと皆してゐたり冬紅葉

 

 

 

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枯芒

2023-11-29 | 俳句・冬・植物

 

 

道端の屏風をなせり枯芒

 

 

 

 

 

 

穂も葉も茎も枯れ尽くした芒のことをいう。

 

 

 

 

 

 

芒の群落が枯れ、夕日に輝く景色は壮観である。

 

 

 

 

 

 

一方、枯れた芒の穂が風に吹かれているさまは侘しくもあり、冬らしい趣ともいえる。

 

 

 

 

 

 

道端に枯芒が屏風のように立っていた。

その枯芒には夕日が当たっていた。

 

 

 

 

 

水流は時の流れや枯芒

 

 

 

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大根

2023-11-28 | 俳句・冬・植物

 

 

大根のこの世に首を出しにけり

 

 

 

 

 

 

アブラナ科の二年草。

ヨーロッパ南部原産とされ、中国を経て日本に渡来した。

 

 

 

 

 

 

主に地下の長大な根を食べるが、葉も食べられる。

根の形と大きさは種類によって多様。

 

 

 

 

 

 

沢庵漬等調理法も多彩で食生活には欠かせない。

「おほね」「すずしろ」は古名。

俳句では慣用的に「だいこ」と読むこともある。

 

 

 

 

 

 

散策路に大根畑があった。

大根はすでにこの世に首を出していた。

 

 

 

 

 

武蔵野のとある大根畑かな

 

 

 

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返り花

2023-11-27 | 俳句・冬・植物

 

 

返り花堤の道の明るくて

 

 

 

 

 

 

初冬、小春日和のようなときに、春に咲く草木が季節外れの花を咲かせることをいう。

 

 

 

 

 

 

主に桜についていうが、躑躅、山吹、蒲公英などにも見られる。

大体がぽつぽつと咲き数が少ないので、花の盛りの頃と比べると一層さびしげである。

 

 

 

 

 

 

和歌や連歌の題にはなく、俳諧になって詠まれるようになったという。

「狂い咲」「忘れ花」などともいう。

 

 

 

 

 

 

川堤の道は明るい。

そこに木瓜の返り花が咲いていた。

 

 

 

 

 

凡庸といふ生き方や返り花

 

 

 

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冬日没る(いる)

2023-11-26 | 俳句・冬・天文

 

 

川沿ひを歩いてくれば冬日没る

 

 

 

 

 

 

冬日が沈むことをいう。

 

 

 

 

 

 

南に傾いた冬日は弱々しい感じがするが、日向ぼこをしたり、子供が遊んだりと明るく有難い面もある。

 

 

 

 

 

 

冬日は一年で一番早く沈み、沈むとすぐに暗くなる。

冬日が沈むときは寂しさが増すが、輝きも見られる。

 

 

 

 

 

 

長い時間川沿いを歩いてきた。

すると冬日が赤々と沈み始めていた。

 

 

 

 

 

野の果に山の影あり冬落暉

 

 

 

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