俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

落葉

2024-11-19 | 俳句・冬・植物

 

 

一人踏む一人の音の落葉かな

 

 

 

 

 

 

冬の間に落葉樹が落とす葉のことをいう。

 

 

 

 

 

 

梢から散った葉は風に吹かれて舞い、あるいは音もなく地上に散り敷く。

 

 

 

 

 

 

やがて山野を埋め尽くす落葉は、地表に堆(うずたか)く積もる。

 

 

 

 

 

 

落葉の上を一人で歩くと、かさかさと一人分の音がした。

 

 

 

古鎌倉街道

 

 

落葉してゐたる鎌倉古道かな

 

 

 

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桜落葉

2024-11-17 | 俳句・冬・植物

 

 

足止めて桜落葉に魅せられぬ

 

 

 

 

 

 

散って落ちた桜の葉をいう。

 

 

 

 

 

 

桜は他の木よりも早く黄色から赤く色づき、散ってもよく目立つ。

 

 

 

 

 

 

また、深紅に色づいた桜落葉は美しくもある。

 

 

 

 

 

 

川沿いの小道を歩いていると、桜落葉が見られた。

足を止めて見ていると、その美しさに魅せられてしまった。

 

 

 

 

 

風にまた散つたる桜落葉かな

 

 

 

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冬薔薇(ふゆそうび)

2024-11-16 | 俳句・冬・植物

 

 

久々の日差し恋ひけり冬薔薇

 

 

 

 

 

 

冬になっても花をつけている薔薇をいう。

 

 

 

 

 

 

薔薇の花が盛りとなるのは初夏と秋だが、暖地では十二月中旬まで咲き続ける。

 

 

 

 

 

 

冬枯れの中、鮮やかな小振りな花をつけている様子は健気(けなげ)で美しい。

 

 

 

 

 

 

長い間曇っていた空が久々に晴れ渡った。

その日差しを恋しく思った。

日を浴びた冬薔薇も喜んでいるように美しかった。

 

 

 

 

 

冬薔薇や煉瓦の門を潜りきて

 

 

 

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帰り花

2024-11-15 | 俳句・冬・植物

 

 

木洩れ日といふ日差しあり帰り花

 

 

 

 

 

 

小春日和に誘われて咲く、季節外れの花のことをいう。

 

 

 

 

 

 

主に桜についていうが、躑躅や山吹などにも見られる。

 

 

 

 

 

 

花がほとんどない季節だけに、その不思議な咲き方が珍重される。

 

 

 

 

 

 

森林地帯の木漏れ日という日差しを受けて、躑躅の帰り花が咲いていた。

 

 

 

 

 

人の世は宇宙の刹那返り花

 

 

 

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山茶花

2024-11-14 | 俳句・冬・植物

 

 

山茶花に丘陵の日の溢れをり

 

 

 

 

 

 

ツバキ科の常緑小高木。

日本特産種。

四国、九州、沖縄の暖地の山野に自生するが、庭木や生垣に植えられもする。

 

 

 

 

 

 

十~十二月頃、枝先に白色の椿に似た五弁花をつける。

園芸種には鮮紅・桃・白色や八重咲きもある。

 

 

 

 

 

 

椿のように花ごとそのまま落ちるのではなく、花弁が散る。

花弁が地面に散り敷いたさまや、寒風にはらはらと散るさまは、寂しくも風情がある。

 

 

 

 

 

 

大きな山茶花の木に花が咲いていた。

丘陵の日がその山茶花に溢れていた。

 

 

 

 

 

山茶花や夕暮れの気の漂ひて

 

 

 

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