俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

稲扱き

2012-09-30 | 俳句・秋・人事


稲扱きの四人が帽子被りをり

刈り取って乾燥させた稲の穂から籾(もみ)だけを分け取る作業。昔は稲を地に並べて竹や棒で叩いて籾を落とすか、千把稲扱き機に稲の穂を挟んで扱き下ろす方法であったが、脱穀機の普及によりそれらは姿を消した。現代では電動脱穀機かコンバインが普及している。棚田で脱穀機を使って稲扱きを行っていた。稲架から稲束を取る人、それを脱穀機に入れる人、籾が入る袋を設置する人などがいて流れ作業で行っていた。その四人が四人とも各人に合った帽子を被っていた。

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姨捨の棚田に鳴れり脱穀機


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稲架(はざ)

2012-09-29 | 俳句・秋・人事


人の背の稲架や千曲川(ちくま)を眼下にし

刈り取った稲を架け渡して乾燥させるための木組みをいう。田や畦に杭を立て、竹などを横に渡し、稲を下向きに架けつらねる。横に渡す竹は一段から十段近くになる所もある。また、東北辺りでは、一本の柱に稲束を掛け積む稲積(にお)、稲棒(ぼっち)などがある。姨捨の稲架は人の背丈の高さで、秋の日が惜しみなく当たっていた。そこからは眼下に青い千曲川が望めた。

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千曲川















姨捨の棚田歩けり稲架日和


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稲干す

2012-09-28 | 俳句・秋・人事


休みなく稲干してゐる棚田かな

刈ったばかりの稲は湿っていて脱穀できない。そのため、数日から半月ほど天日干しにする。干し方は土地によって異なり、田に並べて干す場合もあるが、普通は稲架(はざ)を組んで干すことが多い。棚田の下の方で稲を干していた。束にした稲を稲架木に掛けていく作業が休みなく行われていた。

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掛稲の向かうに町の広ごれり


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2012-09-27 | 俳句・秋・植物


山よりの風と思へり稲の波

イネ科の一年生作物。熱帯アジア原産。季語では穂を出して黄色になった秋の稲をいう。棚田の稲の上を風が渡って波ができた。この風は近くの山から吹いてくるものと思った。風による稲穂のざわめきに秋を感じた。

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単線の電車通りし稲穂かな


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稲の秋

2012-09-26 | 俳句・秋・植物


連山を望む棚田や稲の秋

稲の葉や穂が黄色くなった秋の情景をいう。長野県の姨捨の棚田に行った。ここは近世初頭から耕作が行われ、十六世紀半ばから近現代にかけて日本を代表する棚田の文化的景観が形成された。田の数は約1,500枚。折しも稲が黄熟し、棚田の下の方では稲刈り、脱穀が行われていた。向かいには青い連山が望まれ、正に日本的な稲の秋の風景であった。(「続きを読む」の写真をご覧ください。)

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老農夫歩いてきたる稲田かな


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コメント (2)
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