人日の散策雨に降られけり
一月七日のことをいう。
中国前漢時代に、七日は人を占い、人を尊ぶ日と定められた。
人勝節などともいう。
この日、宮中では邪気を払うという白馬節会(あおうまのせちえ)が行われ、七種粥を食べて祝った。
人日の今日、散策に出たが、雨雲がやってきて雨に降られてしまった。
人日の雨の上がれば青空に
人日の散策雨に降られけり
一月七日のことをいう。
中国前漢時代に、七日は人を占い、人を尊ぶ日と定められた。
人勝節などともいう。
この日、宮中では邪気を払うという白馬節会(あおうまのせちえ)が行われ、七種粥を食べて祝った。
人日の今日、散策に出たが、雨雲がやってきて雨に降られてしまった。
人日の雨の上がれば青空に
冬晴や聞えてきたる鳶の笛
冬の晴天のことをいう。
寒い日が続いたあとに、青空が広がり、穏やかな暖かい日がやってくる。
「冬日和」は、穏やかに晴れ渡った冬の日和をさす。
久しぶりに武蔵丘陵森林公園を歩いた。
冬晴のなか、どこからともなく鳶の鳴く声が聞こえてきた。
鵜が羽を広げてゐたり冬日和
さやかなる音聴きに来ぬ秋の川
秋に冷ややかに澄んだ水が流れていく川をいう。
晴れた日には秋の日差しが水底まで届き、魚影や落葉の影をくっきりと見せる。
渓谷ではひんやりとした水が急ぐなど、いずれも秋らしい風景である。
秋の川にやってきた。
澄んだ川の音を聴くためである。
秋川の橋の眺めを好みけり
初秋や川に子供の入りゐて
秋の初めで、立秋を過ぎた陽暦の八月にあたる。
丁度残暑の頃であり、日中はまだまだ暑い。
しかし、朝夕吹く風に秋の気配が少しずつ感じられ、空の色も秋らしく変化していく。
初秋の候となった。
晴れた川では子供が入って静かに遊んでいた。
菜園に媼ひとりや秋はじめ
足止めぬ定家葛の花の香に
キョウチクトウ科の蔓性常緑木本。
山野に自生し、庭木にもされる。
茎は地をはい、また気根を出して樹や岩に絡む。
初夏、枝先および葉腋に芳香のある白い花を集散花序につけ、後に黄色に変わる。
花冠は五裂し、風車状にねじれる。
茎、葉は民間薬として鎮痛、解熱などに利用される。
鎌倉時代、式子(しょくし)内親王に恋をした歌人藤原定家が、死後定家葛に生まれ変わり、内親王の墓に絡みついたという伝説からこの名がついた。
古名は「柾(まさき)の葛」。
長い坂道を下りて街路の歩道を歩いていると、いい香りがした。
立ち止まって見ると、ある家の垣根に花を咲かせていた定家葛であった。
歌にある柾の葛花つけぬ