俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

春林

2021-02-28 | 俳句・春・植物




春林に溢るる日差し誰(た)もをらず




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寒い冬を越した明るい春の林をいう。







「春の樹」「春の森」などとも使う。







中国では楽府(がふ)(詩の体裁の一つ)で、春林と秋の

それとを比べている。







俳句の場合は、秋林との対比よりも、寒林との対比で

詠んだ方がよいだろう。







春林に日差しが溢れていた。

だが、そこには人が誰もいなかった。






春の樹の向かうに暮の富士ありぬ




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春陰

2021-02-27 | 俳句・春・天文




春陰や川の曲れば道もまた




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春の曇天をいう。







明るい春にあって憂いを帯びた陰りを感じさせる。







春の曇りの暗さでもある。







「春暗し」ともいう。







春陰の川沿いを歩いた。

川が大きく曲っているところは、道もまた川に沿って

曲っていた。






春陰や山羊への草を摘む媼




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下萌

2021-02-26 | 俳句・春・植物




切株の周りの殊に下萌ゆる




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早春、地中から草の芽が萌え出ることをいう。







厳しい冬を経て、野に山に草が萌え出ると、明るい春が

訪れたことを感じる。







草が香るようになると、自然のエネルギーが満ちてくる。







《春日野の草葉は焼くとみえなくに下もえわたる春の

さわらび 藤原公実》と詠まれているように、和歌にも

古くから見える。







大きな切株があった。

その周りに下萌えが多く見られた。






草萌や山鳩傍を歩みゐて




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犬ふぐり

2021-02-25 | 俳句・春・植物




犬ふぐり万葉歌碑の前にかな




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ゴマノハグサ科の二年草。







普通見られるのはヨーロッパ原産のオオイヌノフグリで、

明治以後の帰化植物。







早春、道端や野原に広がって群生し、瑠璃色の花を

咲かせる。







淡紅色の花をつける在来種のイヌノフグリはほとんど

見られない。







《赤駒を山野にはかし捕りかにて 多摩の横山かしゆか

遣らむ 宇遅部黒女》という防人の妻が歌った万葉歌碑

があった。

その歌碑の前に犬ふぐりが群生していた。






犬ふぐり相寄り添ふは人に似て




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野梅(やばい)

2021-02-24 | 俳句・春・植物




昼月の昇つてゐたる野梅かな




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野に咲く梅、野生の梅をいう。







一月~二月にかけて白色の花をつけ、芳香がある。







梅の種類としての「野梅」の故郷は中国中部の湖北省の

山岳地帯。







野に咲く野生的なところに、万葉集に詠まれた梅の花の

趣がある。







川堤に野梅が咲いていた。

その上に、昼の月が昇っていた。






川沿ひの野梅の下や散策路




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