俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

狗尾草(えのころぐさ)

2011-08-31 | 俳句・秋・植物


猫じやらし揺れて雨滴を穂先より

イネ科の一年草。どこの道端にも普通に生える。花穂が子犬の尾に似ているところからこの名がある。これで子猫をからかったりするので「猫じゃらし」ともいう。猫じゃらしが小雨に濡れていた。風が吹く度に雨のしずくが穂先から落ちていた。

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握るたび手より逃げたる猫じやらし


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2011-08-30 | 俳句・秋・植物


初萩や一服の茶を戴きて

マメ科ハギ属の落葉低木または多年草。秋の七草の一つで秋を代表する花。主に、山萩、宮城野萩、錦萩、丸葉萩、筑紫萩などをさす。山野に自生し、庭園にも植えられる。八~十月頃、小さな蝶形の花を穂状に多数つける。花の色は紅紫や白色など。万葉の時代には萩の花見も行われていた。茶室で和菓子と一服のお茶を戴いた。静かに休んだ後、咲き始めたばかりの萩を見た。わずかながらも色が鮮やかであった。

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和菓子は桔梗







池廻る人影のなき萩の道


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秋の蝉

2011-08-29 | 俳句・秋・動物


鳴くこゑのひとつ間近に秋の蝉

本来、立秋以降の蝉の声は澄んだ感じで、どこか寂しげなものだが、最近は夏にはまだそれほど鳴かず、秋になってから蝉しぐれとなっている。秋の蝉の蜩が夏の間に鳴き、夏の蝉であるみんみん蝉や油蝉が今を盛りと鳴いている。温暖化のために季節がずれているのだろうか。林の中に入ると油蝉と法師蝉が競って鳴いていた。近くの木で油蝉が大きい声で鳴き出した。

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秋蝉やベンチに本を読む少女


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葛の花

2011-08-28 | 俳句・秋・植物


隠れ咲く葛に上がりぬ朝の雨

マメ科の蔓性植物。秋の七草の一つ。荒地の山野に自生。八~九月頃、葉腋から二十センチほどの花序を上向きに伸ばし、紫赤色の蝶形花を密集してつける。根から採れるでんぷんは葛粉と呼ばれ、料理や菓子に利用される。ただし、現在葛粉として売られているもののほとんどは、じゃがいものでんぷん。ハート形の大きな葉に隠れて葛の花が咲いていた。色が鮮やかで、野の花とは思えないほど美しかった。朝降っていた雨は上がっていた。

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葛の花瀬音の高き一処


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藪からし

2011-08-27 | 俳句・秋・植物


公園を歩きて雨の藪からし

ブドウ科の多年生蔓草。他の草木に絡みつき、生い茂る。夏に黄赤色の小花を群がり咲かせ、秋に小さな漿果(しょうか)を結ぶ。公園を歩いていると、草がそのまま生い茂ったところがあった。できるだけ自然のままにしているのだろう。そこに雨に濡れた藪からしが花を咲かせていた。名に似合わず小花が可愛かった。

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向かうにもカメラの漢(をとこ)藪からし


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