俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

風鈴

2013-07-31 | 俳句・夏・人事




風鈴の絶え間なかりし和紙の町


ガラス、鉄、陶磁器などでできた小さな鐘形または壺形の鈴をいう。

内部に舌(ぜつ)があり、短冊などを吊り下げる。







軒下に吊るすと短冊などが風に揺らいで涼しげな音色を響かせる。







風鐸(ふうたく)とも鉄馬(てつば)ともいう。







風鈴売りは江戸時代に親しまれ、昭和にも見られた。




梲(うだつ)のある家



美濃市の梲のある町を歩いた。

町並みは昔の宿場町のように古く、美濃和紙を商っている店も何軒

かあった。

どの家にも風鈴が下げられ、歩いていても風鈴の音が絶えなかっ

た。






風鈴の酒屋に美濃の地酒かな



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2013-07-30 | 俳句・夏・植物




開かれし窓より読経蓮の花


ハス科の多年生水草。

インドなどが原産。

観賞用、食用として池、沼、水田などで栽培。







盛夏の頃、長い花径の頂に16~20の花弁をもつ大きく美しい花を

開く。

色は紅、淡紅、白など。

芳香を放つ。







夜明けに咲き、昼頃しぼむ。







朝、寺の本堂の障子窓が開け放たれ、僧侶の読経が漏れ聞えてい

た。

その本堂前の大きな鉢に、蓮の花が開き始めていた。






蓮の花崩れしままの築地にて



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萱草の花

2013-07-29 | 俳句・夏・植物




萱草や三汀の里歩きゐて


ユリ科の多年草。

野萱草もしくは薮萱草を指す。

野萱草は原野など、薮萱草は堤や道端などに多く見られる。

七~八月頃、花径を伸ばし、その先に百合に似た橙赤色の六弁花

を開く。

野萱草は一重、薮萱草は八重。

一日花で、日中開き、夜はしぼむ。

中国では、この花があまりに美しいため憂いを忘れたというので、

忘草と呼ばれた。







俳号を三汀(さんてい)と号した久米正雄は、中学時代郡山の開成

山に住んでいた。

その三汀の里を一日中歩いた。

道端に薮萱草が花をつけ、傾いた日に照らされていた。






足痛くなるほど歩き忘草



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羊蹄(ぎしぎし)の花

2013-07-28 | 俳句・夏・植物




ぎしぎしや父と子遊ぶ声のして


タデ科の多年草。

湿地や水辺に自生。







六月頃、茎の上部が枝分かれし、枝を囲むように淡黄緑色の小花

がつく。

全体で細い円錐状をなす。







野原に羊蹄の花が咲いていた。

補虫網を持つ少女とその父親が声を出して虫を追いかけていた。

 




羊蹄の花や少なき池の水



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夏柳

2013-07-27 | 俳句・夏・植物




昼休み取る車なり夏柳


ヤナギ科ヤナギ属の総称。

一般的に柳といえば枝垂柳を思い浮かべる。







柳は春の新芽の頃が最も美しいが、夏の緑したたるような柳も捨て

がたい。







荒地公園の街路樹は太くて高い枝垂柳であった。







その柳の下で、昼の休憩を取っている車が停まっていた。

静かでゆっくり休めそうであった。






葉柳や湖に架かりし赤き橋



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