名月や更けてやうやく雲去りて
陰暦八月十五日の月をいう。
一年中でこの月が最も澄んで美しいとされる。
人々は、月見団子や新芋、穂芒などを供えて月をまつる。
これは豊作を祈る農耕行事としての意味もある。
今夜は十五夜。
だが、名月は雲に覆われて全く見えなかった。
それが、夜も更けたころ空を見上げると、雲が去って煌々と輝いていた。
酔ふほどは飲まずに待ちぬけふの月
名月や更けてやうやく雲去りて
陰暦八月十五日の月をいう。
一年中でこの月が最も澄んで美しいとされる。
人々は、月見団子や新芋、穂芒などを供えて月をまつる。
これは豊作を祈る農耕行事としての意味もある。
今夜は十五夜。
だが、名月は雲に覆われて全く見えなかった。
それが、夜も更けたころ空を見上げると、雲が去って煌々と輝いていた。
酔ふほどは飲まずに待ちぬけふの月
秋日背に入る公園や人まばら
眩しい秋の太陽、あるいはその日差しをいう。
立秋を過ぎても日は衰えず、残暑厳しい日が続く。
秋分を過ぎると太陽は次第に南下し、日差しも衰えてくる。
まだ暑さの残る秋の日を背中に受けながら、公園に入った。
案の定、人はまばらであった。
穏やかな明日を願ひぬ秋没日
秋風を受けて歩きぬ川堤
秋に吹く風のことをいう。
秋の訪れを告げる「秋の初風」から晩秋の蕭条と吹き渡る風まで、秋の風にはしみじみとした趣がある。
陰陽五行説では秋風は金風となり、色に配すると白で素風となる。
川堤を散策すると秋風が少し強く吹いていた。
その秋風を胸に受けながら歩いた。
秋風や缶ジュース飲む橋の上
点々と屋敷森あり秋曇
秋の曇りがちな天気をいう。
移動性高気圧や低気圧の影響を受けて秋の空は変わりやすい。
曇った日が続くと気分も暗く沈みがちになる。
「秋陰」は春陰に対する言葉である。
散策しているとあちらこちらに点々と屋敷森が見られた。
空はその屋敷森に垂れんばかりの雲の秋曇であった。
秋陰や前を媼が犬連れて
台風圏入りしが歩く雲見つつ
毎年秋に日本列島を襲う暴風雨をいう。
熱帯低気圧で、最大風速が一七・二メートル以上になると台風と呼ばれる。
英語のtyphoonの音に漢字を当てたもの。
河川の氾濫や土砂崩れ、家屋の浸水などの被害をもたらす。
台風の眼は台風の中心の無風状態の部分で、青空が見える。
大形台風7号が関東地方に接近してきた。
雨は降ったり止んだりし、風もそれほどではなさそうなので、傘をさして散歩に出た。
暗雲が流れていたので、雲を見つつ歩いた。
自転車を畑道に避け台風裡