今日の午後、いつも行くスーパー「全家百貨(オール=ホーム=マート)」ではなく、地下道をくぐってちょっと大きい「財大購物広場」に出かけた。帰省土産の物色だ。
キャンパス内は人影も疎らで、のんびり口笛を吹きながら地下道を行くと、突然、不思議な感覚に襲われた。我ながらあまりにもリラックスして地元生活者のように歩いている。(あれ、ここは私の棲家だったんかな)みたいな感じだ。大阪の暑さと似たり寄ったり、目もどんより半開きで思考が働かず、ふと、そんなことが浮かんだのかも知れない。
スーパーで江西省の特産を探すが、う~む、皮蛋を持って帰るわけにもいかない。江西省の米、細長いタイ米っぽいもので食べ慣れたら美味しいが重いのでパス。お菓子がまた、どれもこれも美味しくない。言っちゃ悪いが、江西省はお菓子作りが下手じゃないかと思う。3年生の劉さん、黄さん、範さんからメールフレンドに託された棗糕(なつめ菓子)は、確かに江西省特産だ。大袋に入って15元もする。だが味が日本の人々に受け入れられるかどうかビミョーなところだ。そして重い。それを先日3袋も渡されてくらくらっとなったが仕方がない。せめて自分の買うものは軽いものにしようと固く心に決めた。
ああ、それなのに、足がピタッと止まったのは、とある瓶詰の前。激辛豆腐よう「辣腐乳」を見て、(今回はこれだ!)と心で叫んだ。ここ2か月ほど私はこの食品の虜となって、ご飯に乗っけて食べたり、おひたしに和えたり、手巻き寿司風にしたり、食パンに塗ったり、と様々に試みてきた。ビールの当てにもなる。おやつにそのまま食べてもいい(これは私だけかも)。非常に重いので、数個だけにした。日本の友人・知人の皆さん、このお土産をもらったらラッキーと思ってね。
次にたどり着いたのが、お茶売場。
初めは何とも物足りなく思えたものだが、ここ一年足らずの間に私の味覚が変化したのか、たまたま美味しい銘柄に遭遇したのか、私は中国の緑茶が好きになった。今愛飲しているのは、湖北省五峰緑茶(采自五峰土家族自治県茶区の産)で、(これを買って帰ろうかな)と思ったが、全部150g入りの大袋。どうして小さい袋を作らないのか、お土産にはでかすぎる。九寨溝付近で買ったのは50gが50元もする超特級だが、この湖北省の150gも特級なのに、42元だ。安い。安いがでかい。
それにしても日本の人々に中国のお茶(特に緑茶)は、ぴんと来ないかも知れない。日本の緑茶に比べて、ゆっくり、じんわり味が出てくるものだということが最近ようやく分かってきた。緑茶といっても全く別種だと思ってあじわう必要がある。
同じことは財大の学生たちにも言える。彼らに日本茶(抹茶入り玄米茶)を振る舞ったところ、(なんだ、これ~!)みたいな奇妙な顔をして飲んでいる。自分の経験した物事のみを正当な基準として考える癖は、多かれ少なかれみんな持っているが、その呪縛から解き放たれたとき、金子みすゞ的オルタナティブ世界の住人になれるんざんす、って自分で何言っているのか、何しろ暑さで意識がもうろうとして~。
お土産の最後を飾るのは、小袋入り散花椒。「散」というのは「バラバラである」ということで、元は一緒に枝にくっついていた実が、一つぶずつバラバラにされて袋に入っている。日本ではそれが当たり前だが、こちらでは散じゃない花椒も売られている。餃子など中華料理には欠かせない。
清少納言が「まめまめしきものはまさなかりなむ」と注意してくれそうなものばかりを選び、レジでお勘定を払うと150元をオーバーした。おかしいな~。安いものばかり買ったのに。
(後日訂正:自分でもなんか変だと思っていたが、「まめまめしき…」発言は清少納言ではなく、『更級日記』の菅原孝標の女(すがわらたかすえのむすめ)さんがされたものだった!謹んでお詫びし訂正いたします。〈次回から『謹・詫・訂』と簡略化しよっかな。しょっちゅうありそうだし。ASAPみたいで便利だ。〉)
キャンパス内は人影も疎らで、のんびり口笛を吹きながら地下道を行くと、突然、不思議な感覚に襲われた。我ながらあまりにもリラックスして地元生活者のように歩いている。(あれ、ここは私の棲家だったんかな)みたいな感じだ。大阪の暑さと似たり寄ったり、目もどんより半開きで思考が働かず、ふと、そんなことが浮かんだのかも知れない。
スーパーで江西省の特産を探すが、う~む、皮蛋を持って帰るわけにもいかない。江西省の米、細長いタイ米っぽいもので食べ慣れたら美味しいが重いのでパス。お菓子がまた、どれもこれも美味しくない。言っちゃ悪いが、江西省はお菓子作りが下手じゃないかと思う。3年生の劉さん、黄さん、範さんからメールフレンドに託された棗糕(なつめ菓子)は、確かに江西省特産だ。大袋に入って15元もする。だが味が日本の人々に受け入れられるかどうかビミョーなところだ。そして重い。それを先日3袋も渡されてくらくらっとなったが仕方がない。せめて自分の買うものは軽いものにしようと固く心に決めた。
ああ、それなのに、足がピタッと止まったのは、とある瓶詰の前。激辛豆腐よう「辣腐乳」を見て、(今回はこれだ!)と心で叫んだ。ここ2か月ほど私はこの食品の虜となって、ご飯に乗っけて食べたり、おひたしに和えたり、手巻き寿司風にしたり、食パンに塗ったり、と様々に試みてきた。ビールの当てにもなる。おやつにそのまま食べてもいい(これは私だけかも)。非常に重いので、数個だけにした。日本の友人・知人の皆さん、このお土産をもらったらラッキーと思ってね。
次にたどり着いたのが、お茶売場。
初めは何とも物足りなく思えたものだが、ここ一年足らずの間に私の味覚が変化したのか、たまたま美味しい銘柄に遭遇したのか、私は中国の緑茶が好きになった。今愛飲しているのは、湖北省五峰緑茶(采自五峰土家族自治県茶区の産)で、(これを買って帰ろうかな)と思ったが、全部150g入りの大袋。どうして小さい袋を作らないのか、お土産にはでかすぎる。九寨溝付近で買ったのは50gが50元もする超特級だが、この湖北省の150gも特級なのに、42元だ。安い。安いがでかい。
それにしても日本の人々に中国のお茶(特に緑茶)は、ぴんと来ないかも知れない。日本の緑茶に比べて、ゆっくり、じんわり味が出てくるものだということが最近ようやく分かってきた。緑茶といっても全く別種だと思ってあじわう必要がある。
同じことは財大の学生たちにも言える。彼らに日本茶(抹茶入り玄米茶)を振る舞ったところ、(なんだ、これ~!)みたいな奇妙な顔をして飲んでいる。自分の経験した物事のみを正当な基準として考える癖は、多かれ少なかれみんな持っているが、その呪縛から解き放たれたとき、金子みすゞ的オルタナティブ世界の住人になれるんざんす、って自分で何言っているのか、何しろ暑さで意識がもうろうとして~。
お土産の最後を飾るのは、小袋入り散花椒。「散」というのは「バラバラである」ということで、元は一緒に枝にくっついていた実が、一つぶずつバラバラにされて袋に入っている。日本ではそれが当たり前だが、こちらでは散じゃない花椒も売られている。餃子など中華料理には欠かせない。
清少納言が「まめまめしきものはまさなかりなむ」と注意してくれそうなものばかりを選び、レジでお勘定を払うと150元をオーバーした。おかしいな~。安いものばかり買ったのに。
(後日訂正:自分でもなんか変だと思っていたが、「まめまめしき…」発言は清少納言ではなく、『更級日記』の菅原孝標の女(すがわらたかすえのむすめ)さんがされたものだった!謹んでお詫びし訂正いたします。〈次回から『謹・詫・訂』と簡略化しよっかな。しょっちゅうありそうだし。ASAPみたいで便利だ。〉)