毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

明日は成都だ   2011年7月2日(土) No.165

2011-07-02 12:30:37 | 中国事情
 引っ越しの片づけも、もちろん納得いくような整理は全然できていない。部屋べやの汚れも見れば見るほど怒りが湧く。
これだけ腹が立つということは、私は日本民族の中でも、かなりのきれい好きなのだろうかと我が生活を顧みれば、3、4日掃除をしないこともあるし、ハッと気づいたら床にうっすらと埃が積もっていることも間々ある。
 しかし、だ。私は人生において十数回引っ越しを重ねてきたが、引っ越すときは、次に入居する人のことを必ず考える。(もし、台所が薄汚かったらきっとがっかりするだろう)とか(新しい生活を始める人にとって、清潔な家ほど嬉しいものはない)とかを、ものすご~く考える。なので、髪の毛一本、塵ひとつ残さないように神経を使う。これは単なる「きれい好き」ではない。「次の人が気持ちよく入居できるよう配慮する」という気配りだ。自画自賛しているわけではなくて、少し前まで日本社会ではこのようなことは当然だったと思う。
 3月の大震災で多くの人々がその気配りに基づき行動していたのを世界のメディアは伝えた。
中国の人々は口をそろえて「日本人は素質が高い」という言葉を使った。人に対して『素質が高い』という言葉遣いは、私は違和感がある。「美徳を身につけている」と言い換えられるだろうか。 
 周囲の人をおもんばかるやり方はいろいろだ。昨日、引っ越しで新平老師や学生たちが見せてくれた行動も私への精一杯の思い遣りだと思う。中国の人たちの思い遣り・気配りは具体的に相手が限定されているときに全力でサクレツする。日本社会で当然だった(今はビミョーと思うので)気配りは、見えない人に対するとき、とてものびやかに発揮される気がする。特定の人が存在する場合、反ってあれこれ考えすぎて手も足も出ないというケースもあるんじゃないだろうか。日本人がシャイだと言われる所以であろう。

 そんなことを考えていたら、もう昼だ。そろそろ明日からの旅行の支度をしなきゃ。忙しい日本の皆さんのためにせめて私の旅程をお示しし、想像の中でツアーを楽しんでもらおう。旅程表はもちろん私が作ったんじゃなくて、3年生のガイド志望の陳さん作。 

         「九寨溝・成都旅行の日程」

 7月3日(日)南昌昌北空港10:55発 成都まで  900元
       夜 成都懶骨頭青年旅館(Chengdu Lazybones Hotel)泊 40元/人

 7月4日(月)新南門長距離バスセンター発(8:10)
       九寨溝入口到着(18:00ごろ)  バス代140元
       米谷国際青年旅舎泊         40元

 7月5日(火)九寨溝へ           チケット310元
       米谷国際青年旅舎泊         40元

 7月6日(水)長距離バスセンター発(8:00)  バス代140元
       成都懶骨頭青年旅館泊        60元

 7月7日(木)汶川 夢ト寨(チベット族のチャン族の村) 交通費50元
       夢ト寨泊              50元

 7月8日(金)成都に戻る――途中、都江堰(大昔の稲作灌漑堰あと)見学 交通費35元、チケット90元
              成都着後、午後、寛窄巷子(地元の通り)散歩
       成都懶骨頭青年旅館泊        40元

 7月9日(土)成都観光
       午前 成都大熊猫繁育研究基地(パンダは涼しいとき活動するのでまずはここにします) 58元
       午後 金沙遺址博物館        105元
          杜甫草堂            60元
          錦里ancient street, 旅館のまわりの散歩(当日次第)

 7月10日(日)成都空港発8:05 南昌へ      900元   
          

*旅行の注意
 ①防寒用のコート(平均気温は22℃ぐらいなので、薄いコートで十分です。)
  日差しが強いので、サングラスや日焼け止めクリームの準備をお勧めします。

 ②一週間(7泊8日)の旅行なので着替えの服を十分ご用意ください。
 
 ③旅館では生活用品は提供しないので、歯ブラシ、歯磨き、タオル、石鹸などをご用意ください。

 ④天気予報によりますと、成都はこれから一週間雨が降りますので、傘をご用意ください。

 ⑤現金について、500元ぐらいの現金を持つと安心でしょう。成都市内ではATMが気軽に利用できます。

いよいよ明日は出発の日です。お忘れ物をなさらないよう、出発の前に上記の物(特にカメラ)をチェックしてください。
旅行について、何か不行き届きのところがありましたら、ぜひご指摘ください。


      
  
        


^_^ 学生なので、500元あったら十分と思うその質素さ。予約してくれた旅館は全部ユースホステルだ。ああ懐かしい。ユースホステルに泊まるなんて50年ぶりぐらいだ。
汶川(ぶんせん)は、四川省大地震の時被災した中心地。政府によって災害前の状態を完全に復元されたと言われるが、実際確かめてみたい。
カメラをぜひ持つように書くこの押しつけがましさも、学生ならではのかわいらしさだ。しかし、本物のガイドなら通用しないかもしれない。
これを読んで違和感を感じられた人はご一報ください。本人に言って聞かせますので~。
というわけで、一週間ほどこのブログはお休みします。
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引っ越した    2011年7月1日(金) No.164

2011-07-02 00:02:29 | 中国事情
 今日一階から三階に引っ越した。昨夜、このブログを書いていたころだから9時半前後か、ミズ劉が部屋をノックした。
「ニッキ(ニックのこと)が出てったで。あんた、明日引っ越しでええな。」
「ええ、明日?旅行から帰ってきて、11日ではアカンかな。」
「アカン。今から学生に電話してきて明日手伝いにもらったらいいがな。」
とまあ、我々の会話は大阪弁表記がピッタリだ。それにしても、この程度の中国語会話ができるようになったのかと、自分でも驚く。これは相手がミズ劉だからできることだ。たくさんの外国人教師を相手に、ずっと中国語オンリーで通しているが、その分とても簡単な表現をしてくれる。そして、こちらが分からなくても、へこたれず身振り手振りを交えて何回も繰り返す。そのスタンスは正に外国語教師だ。

 とにかく、そういうわけで急きょ引っ越しが実行された。もう中国に来て十か月過ぎた。こういう唐突さにも慣れてきた。そして電話した学生たちも、
「明日のことで申し訳ないんだけど~。」
と恐縮すると、
「大丈夫です。大丈夫です。」
と言ってくれる。
今日は、中国共産党創立90周年記念日なので、共産党員の学生たちは今朝8時半に集合して一人ひとりが宣誓をする儀式があった。陳さん、郭さんはその会合に出席してから来るので遅くなるとのこと。でも黄さんも確か熱心な共産党員だったはずなのにどうしたんだろう、9時には劉さん、王さんと一緒にやって来た。
「黄さん、会議に出なかったの?」
と聞くと、
「私は古くからの党員だからいいんです。」
という。そうなのか。今日のは新人党員のための誓いの儀式みたいなものなんだな。

 結局、はじめに3年生の黄さん、劉さん、王エイエイさん、間もなく楼さん、郭さんが来て、最後に陳さんと王ショリンさんと、総勢7人も来てくれた。1年生も授業をさぼって来たがっていたが、今日はテストの日なので午前中はどうしても来られないとのこと。
 一年前の衝撃的汚さは今回なくてホッとした。と思ったのもつかの間、台所や書庫の扉を開けたらてんこ盛りのガラクタや本、冷蔵庫の上には流石イギリス人、トワイニングの紅茶の空き缶が50個ぐらい積み上げられ、靴箱の中は超巨大男物の靴が2足出てきた。ベッドの下は(何年分のホコリ~!)という状態だ。やっぱり…。
 しかし、黄さん、劉さん、王エイエイさんは一つ一つせっせと拭いたり洗ったりしてくれ、ドンドンきれいになっていく。楼さん郭さんは運び屋だ。最後に来た陳さんは、丁寧に本を整理してくれた。王ショリンさんだけは、テレビを見て笑っているので、女の子たちに、
「王さん、このゴミとあのゴミ捨てて来て!」
と使い走りさせられていた。
 何と、途中新平老師まで小学生の娘さんと一緒に来られた。スイカ2個を差し入れてくれ、重い電子レンジや中華鍋やらを運んだりしてくれた。こういう時、人の力、人の心を感じる。

 おかげさまで、昼過ぎにはほぼ終わった。一緒にキャンパス横の「吉野家」へ行き、昼ご飯を食べた。吉野家と言っても牛丼はない。弁当とチャーハン、カレーっぽいご飯ものがメニューに載っている。ここのご飯(米)は学生食堂のより数段美味しい。今日私はタコチャーハンを食べた。6元だった。安い。楼さん郭さんを除く学生たちは私の奢りなので遠慮してとても安いものを注文する。楼さん郭さんは浙江省出身、ほかの子たちは全員江西省出身。江西省の子たちはつつましい生活が身についているのだ。

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