玉城デニー新知事が誕生した翌朝の10月1日に、
アメリカのニューヨークタイムズ紙が
「沖縄への米軍駐留の負担軽減に向けて」
(Toward a Smaller American Footprint on Okinawa)
という論説を載せました。
8月に行った辺野古で知り合ったHideko Otakeさん(ニューヨーク在住)が
その日本語訳をフェイスブックに載せていたので
紹介させてもらいます。
「日米政府は沖縄への負担を減らすための解決案を探るべきだ」という主張です。
GOOD!
【ニューヨークタイムズの論説・玉城デニーさん当選の翌朝】
辺野古ごり押しをやめて沖縄の負担を再考しろとNYタイムズ!10月1日付
Toward a Smaller American Footprint on Okinawa
「沖縄への米軍駐留の負担軽減に向けて」をざざっと訳してみました。
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長年にわたり日本は、沖縄の人々に、密集した都市部にある米海兵隊の基地に変わる大規模な新基地を海辺に建設することに合意させようとして、さまざまな試みをしている。
日本政府はアメもムチも使ってきた。
沖縄本島へのディズニー・リゾート建設を支援するというのがアメだとしたら、基地への現地の抵抗を訴訟で却下しようとするムチも使い、新基地に好意的な候補者たちを中央政府の地位を利用して支援した。
にもかかわらず、沖縄県民は何度も繰り返し、新基地は欲しくないと応えてきた。県民は、米軍の分担をすでに過重に背負わされていると考えているのだ。
9月30日の県知事選での玉城デニーの当選は、このメッセージをとりわけ明確に伝えている。
沖縄でのその他のほとんどの選挙がそうだったように、県知事選は(その全てではないにしても)、少なくともその一部に米軍基地へのレファレンダム〈住民投票〉の意味を持っていた。
玉城氏は反基地連合を代表し、基地容認の対立候補は、日本の政権政党自由民主党の強力な支援を受けていた。
この県民の選択で特に注目すべきことは、58歳の玉城氏が、日本人の母親と、氏の生誕前に沖縄を去った米海兵隊員の父との間に生まれた息子だということだ。
安倍晋三首相に今、突き付けられている決断は、このまま突進を続け、日本の最高裁に新基地阻止に向けて玉城氏が投げかけてくるあらゆる法的な異議を却下するか、ずっと以前にすべきだったこと、即ち、沖縄の言い分には正当性があることを認め、米国の安全保障の傘の分担の苦痛が和らぐ方法を探るか、なのだ。
大半の日本人は、米国との同盟を支持している。中国が当地域で力づくの脅しをかけている今はなおさらだ。
問題は、日本で最も貧しい沖縄県に、極度に不釣り合いな負担が押し付けられていることだ。
第2次大戦の終結前の数か月間、血塗られた闘いの場とされた沖縄に、現在、在日米軍5万人の半数が駐留し、33の米軍施設が置かれている。
施設と部隊の集中によって、騒音、汚染、死者を出す事故、犯罪事件が生まれている。その最たるものが、1995年に起きた12歳の少女のレイプ事件だった。
この事件を受けて、日米両国は宜野湾市の密集した中心にある大きな海兵隊基地を、密集度が少ない地域に移し、部隊の一部をグアムとハワイに移転することで合意した。
だが、これまでに何ひとつ動いていない。現地の抵抗で新基地の建設は阻止されている。抵抗の理由には、比較的自然のままに保たれてきた辺野古湾に滑走路を建設することでもたらされる環境破壊もあげられている。
米軍は、沖縄の物流、空と陸の勢力を日本の別の場所に分散させることは東シナ海での迅速な対応能力を低下させるという。
だが、これによって日本と地域にもたらされる安全保障を、日本で最も貧しい地域の市民たちに、望みもしない不公平で危険な犠牲を押し付けることによって得るわけにはいかない。
安倍首相と米軍の司令官たちは、県民と変わらぬ意欲を持って公正な解決案を探るべきだ。