ミャンマー料理屋のご主人から、相談を持ちかけられました。
「うちの娘にミャンマー語を教えたいんですけど、どうしたらいいですか」
このご主人、日本に来て20年以上で、今は美容師とレストランを掛け持ちしています。ミャンマー人の奥さんとの間に、つい最近(去年の12月)、初めてのお子さんが生まれたばかりです。
「今、日本にいるミャンマー人で、子どもがいる家庭も多いけれど、みんな日本の学校に通うから、ミャンマー語ができないんですよ。でもミャンマー人なのにミャンマー語ができないなんて、かわいそうでしょう?」
「ところでココさんは、奥さんと、家で何語をしゃべってるの?」
「もちろんミャンマー語ですよ」
「モン語じゃなくて?」
ココさん夫妻はモン族なのです。
「あ、モン語もちょっと混じりますね」
「子どもにミャンマー語をしゃべらせたいなら、家でミャンマー語を使わないとね」
「これからそうします」
ココさんにとって、英語や日本語はもちろん外国語。で、母語はミャンマー語かというとそうではない。母語は民族語であるモン語。モン語はミャンマー語とは別の言語です。ミャンマー語は、あえていえば「母国語」です。
日本や韓国のように、ほとんどの人にとって「母語」と「母国語」が一致している国というのは珍しい。
多民族国家の場合、生まれたときに最初に母親から学ぶ「母語」と、学校に入ってから学ぶ言語(母国語)が違うのが普通です。アメリカやオーストラリアに多い移民も、母語と母国語が異なる例です。
「とにかく、赤ちゃんには、ミャンマーの歌をたくさん歌って聞かせてあげるのがいいですよ。それから、ミャンマー語の絵本もたくさん読んであげて」
「絵本ですか」
「ありますか?」
「親戚からもらったのが少しありますけど…」
長く言論統制が敷かれていたミャンマーには、そもそも本が少ない。カラー印刷の絵本なんて、ほとんどないでしょう。
「じゃ、日本の絵本を買って、それを翻訳して読んであげたらどうですか?」
「それはいい考えですね! やってみます」
ミャンマー語絵本翻訳プロジェクトが始まりそうです。
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私の場合、母国語は韓国語、日本語は主に仕事で、英語は趣味、中国語は出張先での飲み屋と使い分けています、、、笑
私のタイ語ももっぱら飲み屋用ですが、最近出張が少なくなって、忘れつつあります。