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Brugge Style
あるいはエクリチュールの囚人
ここにブログを書き始めたのは2004年。
年は再びあらたまり、今日はもう2008年。
今後いつまで書くだろうか。
わたしは10代から覚え書きのような雑記を書いていて、ある日ネット上の日記が手軽になったので、親友ととりかわしていたメールのやりとりの一部と合併させてそちらに書くようになった(その日記を4年前にさらにこのブログに移したわけだ)。
海外に住み着いたことで友人たちと延々としゃべり続けるという最も貴重な機会が激減してしまっていたから、この日記/ブログシステムはわたしの需要を少しだけ補うのにぴったりだった。
だから読者としては、わたしのことを実社会で知っている友人をターゲットにしている。
おそらく彼ら彼女らは「Moetが言いそうなこと」とか「Moet が好きそうやねえ」とか「またMoetはアホかいな」などとわたしの表情や声のトーンや、いつも身につけている指輪などを思い浮かべながら読んでくれているのだと...思う(思いたい)。
よく聞かれるので書いておくが、コメント欄やトラックバック、リンクを設けていないのは元々の対象が友人だからであり(メールでやり取り)、今後もハード面でのブログ設定を変える気持はないし、ましてや広告をつけたり、ランキングに参加することもありえないと思う。
しかし、このブログを通じて多くの理知的で生産的で魅力的な方々と知り合えたのも事実であり、感想メールなどをいただくのも身に余る光栄でうれしく、本当本当に有り難いことだと感謝している。
読者は友人、と書いたが、本当のことを言うと第一読者は自分自身なのだ。
わたしにとって日記を書くということは、読んでくれる相手(=自分自身)を想定して書くこと(言語化するとはつまり意識化するということだから)によって、随時「自分」を編み上げていく、という作業である。だから読者としてのわたしが読みたいだろうと、書き手のわたしが推量したことをメインに書いている。
わたしは子どもの頃から自分の中に決して到達することのできない空を抱えていて、隔靴掻痒感ゆえ、それを苦しいと感じていた。だからこそ、こうやって自分についてのオチもない物語を永遠に語り続けるしかないし、それを止めてしまったら、
「わたし」はどうなるのだろう?
時々Moetがここに書いていることが実際の「Moet」像である、と想像なさる方が時々いらっしゃるが、それは違うと思う。それならばこのブログ全体はフィクションである、と考えていただいた方が安全かもしれない。こう書くと「じゃあウソを書いているのか?」と言われそうだが...それも全く違うんだなあ。
このブログはわたしが演じているMoet像のうちのひとつにすぎない。
もう実際わたしにお会い下さらないことには(笑)。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします!
合掌。
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