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Brugge Style
マヨルカの初冬はショパンの調べ
娘の16歳のサプライズ・パーティーになぜにマヨルカ島を選んだかというと...
最初に娘が大好きなものゆかりの土地をリストアップした。
そのリストには、例えばロミオとジュリエットの舞台のヴェローナ
ロシア・バレエの殿堂モスクワかサンクトペテルスブルグ
ダイビングをしに来るよう誘われてフロリダ
ボロいヴィラがあるアルデンヌなど。
まずは本人の学校のため、時間には制約がある。金曜の夜から日曜の夜まで、たった2泊3日しか時間がない。
他にも、ロシアでバレエ公演の日程に合うのかとか、参加各人の交通の便や、好み、気候、都合を考えて、ヴェローナとマヨルカに絞り、最終的にマヨルカに決定したのだ。
ちなみに英国からマヨルカまでは飛行機で1時間45分。近い。
バルセロナからは45分だそうだ。
ご存知のようにマヨルカは、ショパンがジョルジュ・サンドとともに療養に出かけた島だ(1838年11月8日 から1839年2月13日、Valldemossaに滞在)。
娘はショパンの熱烈なファンなのだ。
ショパンはこの地での数々のトラブルにもかかわらず、プレリュード集やスケルツォ、バラードなど重要な作品を残した。
さすが天才。転んでもただでは起きないのか。
11月からどんどん増えるリサイタルやコンクールに向けて、亡霊ショパンに出会い、イメージを膨らませ、次のアーティスティック・ステージにぐいっとひっぱりあげてもらえはしないだろうかという...親の強欲というか、願掛けもあり。
夏の賑やかなマヨルカには何度も来たことがあるが、山間部は秋冬が絶対にすばらしいだろうと思っていた。
その通りだった。
気温は25度。
初冬の澄んだ光が紅葉と山肌を照らし、空と海は季節にふさわしい優美な青色。
観光客はごくまばら。
マヨルカがその本質を取り戻したような穏やかな美しさ。
夏の、あの阿鼻叫喚的に混むマヨルカは同じ場所か? と思うほど。
絶対にこの宿で、と決めていたホテルもそのレストランも、これ以上望めないレベルで、ハード、ソフト両面素晴らしいもてなしを受けた。
過去の大国スペインの文化度の高さには毎度驚かされる。
また、16歳の誕生日に来たと話すと、サンド著の「冬のマヨルカ」や、ショパンのミニコンサート(!)をプレゼントしてくれた鷹揚な地元の方が。
なんと恵まれているのだろう。これも閑散期だからこそだ。
感謝感激、グラシアスグラシアスの2泊3日だった。
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