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リュベロンは新石器時代の定住の跡が見られるエリアだ。

そこまで古くなくとも、多くの美しい村々は古代ローマまではその歴史を遡ることができる。


ボニューの近くには紀元前3世紀にかけられたポン・ジュリアンが残っている(写真上)。
ローマ街道の一つドミティア街道の一部だったのだ。
ドミティア街道は現代のスペインからイタリアへと渡る陸路であり、カルタゴの将軍ハンニバルはローマ攻略時にこの街道を用いたそうだ。

壮大な話である。




リュベロンの村々はその多くが小高い山の上に形成された「鷹の巣」村で、写真でご覧いただくとどこも似たり寄ったりでつまらないかもしれないが、それぞれ特色があり面白い。

そこで生活する人々は、前の時代の建物をそのまま流用したり、その上に新しい建物を増築したりして定住の基礎を利用してきた。




山頂までの機能を現代もすべて利用しているような村もあれば、山頂には遺構を残し、現代人の生活の営みは山腹の途中で、あきらめたように途切れているところもある。




ボニューはリュベロン山塊を超える手前の場所にあり、ここを超えたら南側のルールマランなどに出る、大変美しい村だ。

現代の村は途中で終わり、山頂には遺構が残っている。教会もある。




ここに住んで、毎朝山頂に向かって犬と散歩したりしていると、その度ごとに別の世界へ登るような気持ちになるんだろうなと想像。

光に向かって。

山頂に小さく古い教会があるのも、日本の結界みたいなものかなと思った。

そういえば橋も、この世とは別の世界をつなげる結界である。


そういう精神的なエリアというのは、どんな宗教を信じていても信じていなくても、人間の文化文明がある限り、どんな都市や村にも必要だと思うのだがどうだろうか。


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