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Brugge Style
cap enderrocat fortress
1898年。
米西戦争勃発。
かつて「太陽の沈まない国」として栄華を誇ったスペイン帝国の太平洋艦隊は、フィリピン方面における艦隊決戦で敗れ、壊滅したという。
同じ年、マヨルカ島の州都パルマ・デ・マヨルカの防衛システムの一部として、湾の向かい側の岬に建設されたCap Enderrocat Fortressキャップ・エンデロカ要塞。
岬の石灰岩に直接掘り下げられ、地上、海上から見ると地下レベルに構成されており(下写真が分かりやすい)、目線では確認できないようになっている。
主要な建物だけでも 4100 平方メートル以上の広さがあり、2キロの海岸に沿い、30ヘクタール(東京ドーム6.5個分)の面積を占める。
現在はこの敷地にわずか29室(ヴィラ形式)のホテル...
ホテルゲストも、ゲストよりずっと多いホテルスタッフも、密になりようがない。
1940年のスペイン内戦終結以来、80年代には完全に放棄された同要塞と、周囲の自然保護区を守るために、マヨルカ島出身の建築家によってホテルプロジェクトが国に提案されてから15年。
2017年にホテルCap Rocatとして新たに出発した。
すみずみまで行き届いたスペインの美。
5分ほど歩くと、隣にはもうひとつ放棄された別の要塞があり(下写真2枚)、今後ホテル化される予定だそうだ。
こちらを訪れると、20年前にCap Rocatがどんな状態で捨てられていたかが分かる。
遺跡や、うち捨てられた建物、往年のようには機能しなくなった構造を改装して生まれ変わったホテルが好きだ。
城や邸宅を作り直すのはよくあることだが、他にもたとえばモンテネグロのスヴェティ・ステファン小島の村全体を作り直したアマン、ミラノの修道院を改築したフォーシーズンなど...
かつての構成を活かして作りなおしたホテルが大好き。
slhの案内で知って以来憧れていた(去年は新型コロナ禍で来れなかった)。膨らんでいく大きな期待よりもずっとずっとすばらしかった。
隅から隅まで何もかもすべて好みで、写真集一冊になるくらい、ディテールの写真を撮ってしまったほどだ。
8月のヴァカンスの行き先、第一候補のインドネシアのアマン、第二候補のモロッコのアマン(エジプトが赤リスト入りしたので変更)が不可能になった場合はまたこちらでお世話になるつもり。
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