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the dante project



ロイヤル・オペラハウス、18ヶ月ぶりにソーシャルディスタンスなしの全席利用。
もちろん完売だった。



みなさま選挙には行かれました? わたしも投票しました!

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一ヶ月の日本滞在を終え、英国へ帰宅。

夫が、「隔離が長かったし、滞在を一週間伸ばすよう調整しましょうか」と言ってくれたにもかかわらず、友達が正倉院展の内覧会のチケットを回すと言ってくれたにもかかわらず、雨の英国へ帰ってきた(日本滞在中、雨にあったのはなんと一日だけ)のは、ロイヤル・バレエのプリンシパルダンサーEdward Watsonがダンサーとして最後の舞台を飾る日の席を確保していたからだった。

舞台が終わってからセレモニーがあり、有終の美を垣間見られたのは大ファンとして大変ありがたかった。


演目は彼のために作られたThe Dante Project、ダンテの『神曲』。

『神曲』は世界史で見覚えの方も多い、13世紀から14世紀にかけて詩人、政治家としても活動したイタリアのダンテ・アリギエーリの代表作である。

地獄篇、煉獄篇、天国篇の三部から構成される長編叙事詩で、「聖なる数「3」を基調とした極めて均整のとれた構成から、しばしばゴシック様式の大聖堂にたとえられる」(ウィキペディアより)。

永遠の乙女、ベアトリーチェの象徴する神聖化された愛、ダンテの案内人となるローマ時代の哲学者ウェルギリウスが理性を象徴し、壮大な世界観を構成するが、当時の政争に巻き込まれて陥れられたダンテの恨み節も同時に描かれている。

去年公演されるはずだったのがコロナ禍で今年にまで持ち越されたのだ。


いちばんよかったのは地獄編、煉獄編、天国編のうちの地獄編。パワフルで一番楽しそう(笑)。
最後、囚われの身のサタンが、美しい金子扶生さんだったのもよかった。
逆説的のようだが、彼女の清らかなオーラがサタンにぴったりで説得力があった。

Edward Watsonの才能としては、なぜか物語の狂言回しという役柄がしっくりくる。
『失われた時を求めて』の語り手なんか踊ればとてもよいものができただろうなあ、と。



さて、明日からはわたしはベルギーへ。
お誕生日月間なので色々楽しみ。
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