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夏草や




うちから車で南下し、イングランド南部のサウスダウンズ国立公園周辺へ行ってきた。

イギリス海峡はもうすぐそこだ。

今年は新型コロナウイルス禍のロックダウンで、屋外の娯楽を求めてイングリッシュ・ナショナル・ヘリテイジのメンバーになった。
これを利用して英国の歴史を学びつつ、ハイキングで健康維持に励むという一石二鳥を狙ったのである。

「イングリッシュ・ナショナル・ヘリテイジは、イングランドの歴史的建造物を保護する目的で英国政府により設立された組織。ストーンヘンジのような考古学遺跡から、アイアンブリッジなどの産業遺産に至る広範囲にわたる」(Wikipediaより)


それにしても、つくづく、イングランドはこういった権威づけ、序列、蒐集が大好きだ。ものすごく帝国主義的な好みだと言えよう。
女王陛下が授けるあまたある勲章しかり、学校でも非常に盛んで最初は驚いたくらいの各種コンクール、そして悪名高き「略奪」美術館の数々...

最近読んで大変よかった松宮秀治『ミュージアムの思想』によると、

「全世界を自分の裡に取り込み、世界を所有しようとする一種暴力的な危険性を裡に秘めた概念である。いうなればそれは全世界を西欧の『世界システム』に組み込んでしまおうとする西洋イデオロギー」

「蒐集はたんに集め展示するだけでなく、それを自分たちの基準で再構成し、一元的な価値づけを行うという行為である」


なるほど!!




目的はBoxgrove Priory。ボックスグローブ修道院跡...

写真の遺跡は12世紀ごろの教会に付属したゲストハウスなのだそう。




この辺りには、11世紀のヘイスティングの戦い以前から、宗教でまとめられた集落があり、それらはイギリス海峡対岸の、大陸フランス、ノルマンディとの繋がりが強かったとか。

11世紀のヘイスティングの戦い...
それまで英国を支配してきたアングロサクソン系の王国を、現フランスのノルマンディ地方から来た系が王位継承権を主張して征服、以後現在まで「続く」王朝の祖となったのである。



夏草や...


それらしいものは何も残されていないが、気候もおだやかで、住みやすかったのではないかなあと想像した。
「サウスダウン」といえば、現代でも羊の種類が有名ではないか...
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