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Brugge Style
シャンパーニュ地方にあるという
パリから東へ車で1時間半ほど、シャンパーニュ地方に入る。
豊潤な丘陵と、今の時期は葉が落ちた葡萄の低木に濃厚な霧がかかる。
その間を走るまっすぐな道をドライヴするのも楽しい美しい地方だ。
上の写真、道の突き当たりにシャトーが見えますね...
20数年前、結婚パーティーはシャンパーニュで開いた。
できるだけ小さな村にある、シックなホテルを探して。
美酒と美食、シャンパーニュの小さな村々のレコルタン・マニュピラン(自畑の葡萄のみを用いてシャンパーニュを一貫生産する比較的小規模な醸造家)を巡り、散歩し、ランスの大聖堂を参拝...
などで人々をもてなし、あれが20年以上も前で、まだ娘はこの世に存在すらしていなかったなど信じがたい。
今回はそのとき訪れて、ドサージュされていないシャンパーニュが印象に残ったレコルタン・マニュピランにも立ち寄ることにした。
過去26年間にシャンパーニュ地方は何度も訪れているが、この小さな村に立ちよったことはついぞなかったので(パーティーに出席してくれた友達は、しばらく毎年行っていたそうだが)気分は高揚する。
と、その錆びた看板も、鉄門も、建物の背後のタペストリーのような葡萄畑も当時と変わらないものの、入り口は昼前から閉まっており、電話をかけてみたりしたものの、人の気配がない。
この時期は長い正月休みを取る醸造家が多いため、こちらもそうだろうか、と思いながら昼食へ行った。
昼食をとったシャンパーニュ・バアで提供していたグラス・シャンパーニュが、手頃な価格ながら複雑で優雅で、そちらでも何本か購入することに決める。
領収書を発行してもらっている間、夫が若いマダムに「20年以上前に訪れた作り手」の話をした。
彼女は「何年か前にルイ・ロデールに身売りしたのよ」と話してくれた。
ルイ・ロデールと言えば超有名メゾン、わたしはもちろんクリスタルが大好きだ...しかし、もの悲しい。
一方で、今もあの葡萄はルイ・ロデールの中で生き続けているのか...
奇しくも数日前、CNNのニュースで2024年のシャンパーニュ出荷率は前年比で10パーセント落ちたと読んだ。
ところで、好奇心からシャンパーニュ地方のごく庶民的な大型スーパーの売り場も見に行った。
なんと、マニア垂涎のあれやこれが!!
Krug Collection数本、Salon 96その他、Jacques Selosse 92やMillesime、Henri Giraud、Bollanger Viellies Vignes...
大衆スーパーですよ? さすがである。ここを見ているだけで楽しい。
こういう掘り出し物を求めて来店する本物のマニアがいるのだろう。
わたしはクリュッグに目がなく、家のセラーにもコレクションがあるが、本物のマニアとは全く次元が(予算も)違う。シャンパーニュ地方最大の街ランスで立ち寄った酒屋ではとっておきの一本を薦めてもらった。
どういうものが好きか、予算はいくらか聞かれ、恥ずかしがりながら述べる。プロの前で話す自信はない(笑)。
フランスの専門店では店主や店員さんの話がめちゃくちゃおもしろい。これはファッション専門店も、ワイン専門店も同じだ。
シャンパーニュ好きの友達が家に来てくれるのが楽しみ。
夫は全く飲まなくなったし、娘も一杯がせいぜいなので...
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