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Brugge Style
名誉ある孤立・大英帝国??
ロンドンを含むイングランド南東部で、新型コロナウイルスの変異種が猛威を振るっている。
週末から同地域はティア4(ロックダウンと同じレベル)に移行し、必要最小限の食料品店など以外は営業不可、クリスマス期間中の移動も、同居人以外との混合も不可になった。
わたしが住んでいるロンドンに隣接する州もこのティア4地域に含まれるが、その州の中にティア2でサバイバルしている小さいエリア(道路から家が見えないような豪邸が多く、また高齢者が多いことなどがあげられると思う)が一か所あり、たまたまそこに住んでいるので、今のところはレストランや一般商店、美容室、公民館なども営業している。
まあ今朝のスーパーマーケットの混雑具合などを見ていると、ティア3、4に移行するのも時間の問題かと思う。
新型コロナ変異種の影響は、オランダに続き、ベルギー、オーストリア、ブルガリア、チェコ、イタリア、スウェーデン、ルーマニア、イラン、サウジアラビア、トルコ、エルサルバドル、クエート...も英国間との航空・鉄道移動を禁止させた。
ベルギーには、EUの首都としての本部がブリュッセルにあり、また大陸と英国を結ぶユーロスターの発着駅もある。そのシンボリックな都市が短時間の期限付きにしても英国を締め出したのである。
そして英ドーバー・仏カレー海峡に、輸送の大動脈ユーロトンネルが通っているため、固定鉄道輸送に関しては、英国と国際協定の交渉を行う権限が与えられているフランスが、今朝ついに英国との移動を封鎖した。
これには単に変異種の飛火を抑えるという以上の意味があると思う。
来年1月1日に施行されるはずだが、合意取り付けに難航しているブレグジットである。
英国は「主権」概念を譲らず、散々ごね通してきたが、大陸側がその気になれば英国を孤立させてしまうなど朝飯前だということが証明された。
英国とドーバー海峡を挟んだフランス側のカレーには、生鮮食料品や薬品、今の時期ゆえクリスマスプレゼントなどが積まれたトラックや倉庫が、虚しく足止めされている。
これからクリスマス休暇に入るというのに、いったいどこまで悪化するのだろう。
事実、英国の輸送相は、「想定外である」と青くなっている。
英国の『名誉ある孤立』は、保守派の理想だ。
主権さえ取り戻せばわれわれは過去の大英帝国の栄光を取り戻すことができる...
しかし、植民地を持ち、戦争をし、工業力を持ち、安い労働力が使い放題だった当時とは世界情勢が変わりすぎている。
ナポレオンの大陸封鎖令のように、フランスの思惑に反して、「豊かな英国と通商ができなくなるためかえって困窮をまねく」などとは、そこまでは思ってはいないだろうが...
もう英国は退却すらできないのだろうか。
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