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ロンドン 二回目のロックダウン明け




先週、イングランドでは、新型コロナウイルス禍の二回目のロックダウンが明けた。

明けたとはいえ、現在は感染者の多寡などで地域ごとに生活ルールに規制を設けるティア・システムに移行しており、ロンドンやわたしの住んでいる地域はティア2だ。

屋内では他の世帯との会合は不可、屋外では6世帯以上は不可。
商店やエンターテイメント業界の営業は可能、レストランなどは食事を提供する限りでラストオーダー22時かつ閉店23時、などの決まりがある。


先週末、ロックダウンが明けたばかりのロンドンの繁華街、例えばリージェント通り(上写真は今日のリージェント通り一本裏手)は、クリスマス・ショッピングをする人で激しく混み合ったそうだ。

マスクなしで肩と肩が触れるほど接近し合う買い物客の様子を伝える新聞の写真に慄いたのだったが、在ロンドンの友人が「平日は恐ろしいくらい閑散としている」と言うので、今日は夫の仕事につきあって短時間ロンドンへ出てみた。

それが上の写真。

彼がミーティングを行っている間に、わたしは素早く食料品の買い物や、年末年始の必需品を見に行ったりしたが、営業している商店やレストランが気の毒になるくらい、どこも静かで...


「この年のクリスマスは、福音の祭りというよりも、むしろ冥府の祭りであった。空っぽで燈火のない店、ショーウインドーに飾られた模造のチョコレートあるいは空の箱、暗い顔つきの人々を乗せた電車など、何ひとつ過去のクリスマスを思わせるものはなかった」『ペスト』カミュ著、宮崎嶺雄訳、新潮文庫
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sunday brunch (シンタ・クラースの日)




12月6日はベルギーやフランス、オランダなどで祝う子供の聖人、シンタ・クラース(サン・ニコラ)の日。

彼は「サンタクロース」の原型になった聖人だ。
24日の夜に来る「サンタクロース」が赤い服を着ているのは、彼が枢機卿だったからだ。

子供は5日の夜、暖炉の中にお菓子やビール、角砂糖やにんじん(<乗り物の馬のため)を靴の中に入れて用意しておく。
6日の朝、子供が起きて来ると、お菓子やにんじんは消え、おもちゃと聖人の形のチョコレートや、マンダリンが置いてある...


娘が小さかった頃はこの日のために趣向を凝らしたものだったが、彼女も今年21歳になり、今日は遅めのブランチで祝う。


これから夕食後のためにチョコレートとマンダリンのケーキを焼こうかな。
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英国近況



イングランド、冬。
スコットランドでは雷を伴う降雪だったそうです。
ウェールズは今日からロックダウンではないが一段階厳しい規制に。


英国、12月2日。

新型コロナウイルスの死者累計が6万人に近づくなか(3日に6万を超え、4日には60617人に)、英政府は、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発している新型コロナウイルスのワクチンを世界で初めて使用承認した。

ボリス・ジョンソン英首相をはじめ、BBCの出演者らも、承認「世界初」をほとんど誇るトーンで話し、一方、ワクチン承認に慎重なEUの当事者、並びに米・感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士らは、英国の「早急な」判断を批判した。
ファウチ博士は昨日4日になって発言を「誤解を招いた」と謝罪したが。


このワクチンは開発まで10カ月しかかかっておらず、ワクチンとしては史上最も早く作られた。
通常は10年がかりなところ、各テストなどの段階を並行作業することによって時間を短縮したそうだ。それでもごく短い期間での開発だとは思うが。

英国は早期に承認できた理由として、他の国とは基準が異なること、また医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が、すでに3月の時点で、ワクチンの開発と並行して自主的な検討を始めた結果だと述べた。

当然、ワクチンの承認には、科学的な判断以外にも政治的な判断があるのだろう。
斜陽の英国が誇れる分野というのは少なくなってきたが、「学問」は未だ最前線であることを示す機会でもあったのかもしれない。
EU離脱を今月末に控えてフリーハンドを強調する旨もあっただろう。


昨日4日には、ワクチン生産拠点のベルギーからの第一便80万回分が英国に到着し、接種は来週火曜日(8日)から始まる。
まずは介護施設在住の高齢者と介護スタッフ、2番目が80代以上とNHS(無料の国民保険サービス)医療・介護スタッフから。
3番目のカテゴリーは75歳以上。
4番目が70歳以上と重い既往症の持ち主...と続く。

英政府はすでに、このワクチンを2000万人分である4000万回分(2000万人分x2回)注文しており、国内約50カ所の病院が準備体制を整えている他、大型会議施設などがワクチン接種センターになる予定。


英国にはNHS(国民医療サーヴィス)があり、医療は公平に無料である。接種の機会も公平に回って来る。
例えばわたしは8番目くらいの接種グループカテゴリーに入り、おそらくチャンスが巡ってくるのはまだまだ先の話だ。

ちなみに今年はインフルエンザワクチンも不足し、自費では接種できず、同じようにNHSからの招待待ちになっている。
先日、招待の前触れが届いたものの、いまだに日にちは確定していない。


ワクチンに関しては素人には独自で判断ができないが、(程度問題であるとしても)英国では権威権力が分立しており、ジャーナリズムも健全に機能していると思う。
多くの専門家が説明に駆り出され、さまざまな質問を受けているのは、わたしも熱心に視聴している。科学者の話、言葉の選び方や論の運び方など、いつもとても興味深く聞いたり読んだりしている。

わたしは自分なりの判断で、新型コロナにかかる危険性と、ワクチン接種の危険性を秤にかけて接種する。

ひとつ気になるのは、もしも失敗したら、まずどの地点で失敗と認識するのか、その際はどう方向転換するのか、プランBは何なのか、という提示がないことなのだけれども...BBCに質問してみようかな?


今後はクリスマスからお正月にかけて「ワクチンがあるから」と人々が弾けないように願うばかり。
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クリスマスケーキにはまだ早い




夕食後のデザートは、普段は焼きっぱなしのケーキだが、抹茶のクリームがたっぷり食べたくなり、早速作った。

抹茶のスポンジをスライスして、抹茶クリームを思い切り添えるだけでと思いつつ、冷蔵庫に残された季節外れの生気のないフランボワーズを飾るなどしていたら、だんだんクリスマス・リースのような雰囲気に...

クリスマス・イヴは毎年ブッシュ・ド・ノエルを作るので、こちらはクリスマス当日用のケーキの試作ということにしよう。
本番は金箔を飾ろう。
抹茶とフランボワーズより、抹茶と栗の組み合わせにしようかな? などと。

カヌレ、パネトーネ、クグロフ、パリ・ブレスト、プラリネなど、クリスマスには甘いものをキッチンのカウンターにたくさん飾るのが好き。
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pompadour




Pompadourはイスパハン(薔薇、フランボワーズ、ライチの組み合わせ)の香り。

3月から始まった1回目のロックダウンから夏にかけては、ちょうど英国のフランボワーズの季節だった。
イスパハンとイスパハンの香りのお菓子を作ることに夢中になり、体重も増加傾向だったが、お茶ならその心配もない。
ポンパドゥール夫人が使っていたような小さいティーカップでお茶を楽しもうかと思う。

ブーシェの描いたポンパドゥール夫人の、細部がすばらしい画集を眺めつつ、彼女の性格を想像しながら含み笑い...
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