日曜日に大学評価・学位授与機構の10回目の試験を受験したことは既に記事にさせていただきました。
そこで、私は初めて「書けない恐怖」を体験しました。しかし、無い知恵を振り絞り、うろ覚えの知識の中で「これだったんじゃないかな・・・」という賭けをして、なんとか書くことはできました。
はじめて耳にする「栄養カウンセリング」も、「栄養」+「カウンセリング」だから、なんとか書けました。また、行動療法も、試験勉強では見なかったものの、昔に学習した経験があったから、何かしら書けたと言えるでしょう。
しかし・・・もっと悲劇的な問題を出題された方がいました。そう、日本でトップの学位授与機構のスペシャリスト「松本先生」です。
機構の学位を目指された方なら、一度は松本先生のブログやホームページを訪れたことがあるはずです。私も、5年前、松本先生のホームページを見て、情報をいただき、無事、学士(文学)をいただくことができました。
今では、
大学評価・学位授与機構解説のページ(GAUKI NET)も開設され、その普及に努めておられます。
その、機構の権威ともいえる松本先生が、私と同じ日に学士(理学)を受験され、
玉砕されたことをブログで公表されています。
>単に、私の興味のある事柄「地震と動物の異常行動」を、総合理学向けに学際分野(地学&生物学)で
>まとめたもので、私の持っている知識を総動員して作成したものです。
>それで落ちたというのは、単に私の理学に関する知識が乏しかったということです。
>ちなみに「弾性率をG、ヤング率をEとして波動方程式を求めよ」、「その波動方程式を用いて縦波と
>横波の速さを求めよ」という出題がなされましたが、そもそも私の頭の中では、弾性率とはなんぞや、
>ヤング率とはなんぞや、波動方程式とはなんぞや……という状態。学修成果では全く触れていないこと
>について質問されてしまったのです。
>でも、このレポートを書くのなら、せめてこれくらい知った上で論ずべきであろうという印象は否めません。
>今回の反省点は、自分のまるで専門外のことについて、知識が乏しいまま、誤った方向性のレポートを書い
>てしまったことでしょう。
まさに恐怖!
「地震と動物の異常行動」というレポートを提出して、
「弾性率をG、ヤング率をEとして波動方程式を求めよ」、「その波動方程式を用いて縦波と横波の速さを求めよ」という出題が出たら、私だったら、恐怖のうちにひきこもってしまうかもしれない・・・
提出されたレポートを詳細に読んでいないため、「地震」がメインなのか、「動物の異常行動」がメインなのかわからないが、もし、私のレポートで例えるなら、栄養学上の、知らない病名があげられ、それを説明せよって感じなのかな・・・
知らないものは書けない。例えば、私が必死になって学習している「ハイデッガー」について、2000字程度の説明ができる人は少ないと思います。もし、学士(文学/哲学分野)で受験するなら、ハイデッガーだけでなく、すべての哲学者について2000字程度の説明ができるようにしておかないと、常に不合格になる可能性があるということなのでしょうか?
そもそも、私は機構の小論文試験は不要だと考えています。理由は、
1.一般の大学でも卒論無しで卒業できる大学が多数存在していること
2.卒論を提出させる大学でも、口頭試問無しで卒業できる大学が多数存在していること
3.合計すると、概ね9割以上の受験生が合格しており、高い合格率を誇っていること。
(ちなみに平成21年度は合算で2937人受験で不合格219名 合格率92.5%)
項番3については、小論文試験のみで不合格になるわけではありません。わずか、219名の不合格者の中には、単位が不足していたり、レポートのテーマが不適の者もいるわけです。
そして、小論文試験の不合格者になるものには、松本先生のように「客観的に見てもかなり難しい」ものが出題されているとすれば、「差別」としかいいようがないでしょう。しかも、2題続けて・・・(というか、中学生レベルでも「公式」というのは忘れているのに、それをだされると手も足もでません。。。)
「差別」というより「格差」なのかもしれない。学位ごとにレベル感がありすぎる。以前、私はこのような
記事を書きました。
>415人中合格者はたったの340人。合格率81.9%の試験ということだ。やはり、4月期は10月期に比較して
>不合格になる割合が高い。
>驚愕するのが理学。12人受験して合格者はたったの5人。総合理学も生物学系も合格者0人。社会学(社会学)、
>学芸(国際関係)、薬科学も合格者0人。音楽が4人受験で合格者たったの1名。
>看護学は32名も不合格となっている・・・
そう、前期の試験でも理学が突出して不合格率が高いのです。私の個人的な意見ではなく、データが「理学は合格させませんよ!」と言っているわけです。
私もいずれ環境について、総合理学のレポートを作成するつもりです。実力不足で不合格になるのは構いませんが、他の専攻分野と同程度のレベル感で判定してほしい。「今まで受験してきた分野が易しすぎたのだ!」と言われるのかもしれませんが、私だけではなく、多くの受験生の立場で考えると、理学を目指す受験生が、何度も不合格になるのは、どう考えてもおかしい。少なくとも、必要な単位が充足されているなら、その取得した単位で学習したこと以外のテーマが出題されることは不合理と言わざるを得ないでしょう。だからこそ、キーワード科目として単位をあげているわけですから。
学位の授与を受ける以上、その程度は当たり前という考えかも認めます。しかし、せっかく、テーマを温めて、温めて、一所懸命書いたレポートを、見事にスルーするような問題のみだされると、悲劇というか、恐怖としか言いようがないでしょう。
ちょっと、思うことがあって、2800字超の記事を書いてしまいました・・・(文字数だけだと、武蔵野大学大学院のレポート1つ分だな)