マンション管理士日記

地域を守る:マンションと地域の融合

高層マンション子育て ①

2006年05月09日 | 子育て

先ず、データから。 高層階(6階以上)に住む幼稚園児の一日平均の外遊び時間は、2.2時間です。 これは一般住宅の幼稚園児よりも平均0.6時間少ないのです。 1週間で4時間、1月では18時間も少なくなります。

高層階の小さな子どもは、一人では外出しない傾向にあります。 親がエレベーター内の犯罪や事故を懸念することもありますが、そもそも行き先ボタンに手が届かないのです。

そして、母親が外出する際には一度に多くの用事を済ませようとする傾向にあるので、外出の頻度は下がっていくのです。

もう一つ。 高層階で育つ乳幼児に、日常生活習慣の自立の遅れがみられるのです。 あいさつ、食事、衣服の着脱など。 ただし、幼児の年齢が高くなると、その遅れに差がなくなってきます。 幼稚園での集団生活を通じて自然になくなるのです。

遅れは一時的な現象です。 そのこと自体は、たいした問題ではありません。 問題なのは、自立の遅れが、外出不足による母子間の過剰な心理的密着によるものだということです。

保育士対象の調査で、「園で問題あり」 と判断された園児の割合は、低層階の3%に対して、高層階では36%にも上ったのです。 登園拒否、極端な自己中心、乱暴な行動、他の子どもと遊べない…

親の出不精が過剰な母子密着を引き起こし、子どもの自立性・社会性が育たないのです。

高層階で子育てをしていくには、積極的な外出を実行することが必要です。 もちろん、子どもを連れて。