アルバイト ③ で、京都の料亭でアルバイトをしていた話を書きました。
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最近、池波正太郎さんの 『散歩のとき何か食べたくなって』 を読んだら、その京都の料亭に関係するような話が書かれていました。
池波さんが立ち寄る店で、浅草のてんぷらで 『中清(なかせい)』 という店を紹介しています。 私がアルバイトしていた店は、天清(てんせい)でした。 板前さんが東京で修行したということで、「江戸前てんぷら」 となっていました。
修行した店までは尋ねなかったのですが、ひょっとしたら 『中清』 で修行して、この名前にしていたのでは、と思ったのです。
天清は、新京極通りにありました。 間口で税金が課せられていた京都に多い店構えで、間口は狭く奥に長い造りで、寺町通りまで繋がっていました。 両方の通りから入れる造りだったのです。
20年ほど前、京都旅行の際に訪れてみたら、ゲームセンターになっていました。 新京極通りから寺町通りに回ってみますと、ここでは店が残っていました。 入ってみると、半分の店になっています。 女将さん、板長さんはそのままです。 ひとしきり、昔話をしました。
そして、10年くらい前に再訪すると、今度は完全に店が無くなっていました。
『京極』 は字の通りで、京都の極(はて)を意味していたのでしょう。 今は京都の中心地といえる通りですが、昔の店が無くなるのは、寂しいことです。
池波正太郎さんは、浅草 永住町で幼少時から戦災に遭うまで住まわれていたそうです。 東京で町の風情が無くなっていくことを、本当に惜しく思われていたようです。 この数十年間、京都でも凄まじい勢いで町の風情が消えていくのを感じます。
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