いせ(伊勢)神宮とならび、
「一生に一度は参拝したい。」と、人々にねつぼう(熱望)されてきた
こんぴらさん
正式には、「金刀比羅宮」といい、
ことひら(琴平)町という、場所にあります。
この神社は、海の神さまといわれる、「大物主神」
をまつり、
こうかい(航海)や、ぎょぎょう(漁業)の守り神として、
古くから
信仰されてきましたが、
おおものぬしは、そう(総)合的な力のある・大物なので、
はば・広く、何でもかなえてくれるらしい
では おまいりに、行ってみます
「こんぴらふねふね・おいてにほかけて
シュラシュシュシュ~」
・・・・おいて(追い風)っていうか、
このかいだん(階段)、すごいね・・
こんぴら・さんぱい(参拝)のさい(最)大の特色は、
ふもとから
「象頭山中腹」の本宮までつづく、
785だん(段)の
石だん(段)・・
これを、ひたすら・のぼるのは、元気な人にも、なかなかの
苦行です
石だん(段)の左右には、お店があり、買い食いなどしていれば
気がまぎれるのですが、
クリンたち、スタートが早朝すぎて、店なんかほとんど
あいてなくて、
そのぶん、苦しみが
ぞうふく(増幅)されました・・
365だん(段)目に、大門があって、(あっ、もうゴール)
と
いっしゅん・うれしくなるのですが、
このあと、まだ、倍以上あるとわかり、ちょっとしたショックを
うけます
しかし・・・
いいけしき(景色)です
うちのおにいちゃんは、
アンヨ・イタイタなので、
ふつうに考えると
「こんぴら参り」は
ムリなのですが、
今回、おにいちゃんは、「家族全員で一緒にのぼる」
と 言いはって、
のぼりはじめてしまいました
かごに、のることなく、
つえを、つくことなく、
ふつうの人の
何倍もの時間をかけて、
おにいちゃんは、のぼりました
平地でも
1時間も 歩けないのに、
おにいちゃんは、がんばりました
しかし!628だん(段)目にあたる、「旭社」という
お社の前まで来て
ついに、
「もうだめだ・・。ここで待ってるから、ゴールまで行ってきて~。」
と
クリンたちに、たすきを わたしたのです。
「おにいちゃん!まかせといて」
クリンたちも
あしのきん(筋)肉が、プルプルしてるけど・・
チットや、小鳥たちといっしょに、さいごまで、行ってくる
(か、家ぞくのしあわせのために・・)
力のかぎりをそそぎ、
クリンたちは、とうとう、「御本宮」まで
たどりついたのです。。
(わあ・・・)
ながめ、さいこう(最高)・・
朝8時の
こんぴらさんと、
さぬき平野・・
それは、クリンたちの ものでした。
この時間は、おまいりの人も まばらで、
けいだい(境内)には、クリンたちのほか、ほとんど
人が 見あたりませんでした。
そこへ・・・
「グリン~チット~!」
「・・お、おにいちゃん」
なんと、
下で休んでいた・おにいちゃんが、
ヨタヨタしながら
汗だくで
あるいてきたのです
「おにいちゃん」
「さっきは、足痛くて、もうだめだと思ったけど、
ここまで来たら、上まで行かなきゃ!
って思ってさあ。
なんてったって、今回の旅のテーマは、『家族みんなで』
だからね」
と
おにいちゃんは、言いました。
「しっかし、高いところにつくったもんだ。
こんなところまで、歩いたなんて信じられない。
グリンもチットも、チュンチュンたちも、頑張ったね~。
あれっ 一羽足りないぞ!
「チョッチョが、いない」 「えっ!!」
朝、
車をおりる時には、
たしかに いたのに・・
(チョッチョ)→
「チョッチョーーー」
クリンたち、チョッチョをさがして、山を かけおりました
「チョッチョーーー」
アンヨがいたいのもわすれて、地面を見ながら、
もと来た道を
走りもどりました
その、チョッチョは・・・
車のシートの上に
ころがって いました
(つまり、おきざりにしてしまっただけ。)
・・・・・・
・・・・・
ひとしきり、はんせい(反省)の時間が
あったのち、
おにいちゃんが
高らかに
せんげん(宣言)しました
「よし・・。
家族みんなで、もう一度参拝しなおそう。」
「エッ、またのぼるの」
(その11、「こんぴらさん土産・灸まん」に、つづく)