しばらく横道にそれましたが、陶胎七宝に戻ります。
口径 9.3㎝、底径 9.4㎝、高 22㎝。明治初期。
輸出向けと思われる陶胎七宝花瓶です。
素地は、これまでと同じく、卵色の柔らかな京薩摩系の陶器です。
これまでの品と同ように、ハート形の地模様が一面に施され、空色の地に、デザイン化された蝶が散りばめられています。
回してみると、
全部で、8匹います。
大きな口造り。
底部は、輸出陶磁器に多く見られる造りです。
図柄はこれまで紹介した陶胎七宝と類似のものですが、この品では、あずき色の上釉が好んで使われています。
ピカピカと光輝く近代七宝に対して、陶胎七宝は元々素朴です。しかも、今回のあずき色釉のように、あざやかな赤ではなく、渋い色の七宝が、欧米で受け入れられたとは驚きです。
いずれにしろ、陶胎七宝が輸出されていたのは確かなようです。
そう考えると、不思議なもので、品物を見る範囲がおのずと広がってきて、こんな所に、という具合に、陶胎七宝をはじめとする毛色の変わった品を拾いあげることができるようになりました(^.^)
西欧の人々の好みに合わせるのではなく、自分たちの好みに合わせて作っていたからなのでしょうか、、?
これに連動して、色々と変わった品々を拾いあげることができるようになったんですか(^-^*)
それらの変わった品々の紹介も待たれます(^_^)
西洋人でこういう品んだのは、一体どんな人たちだったのでしょうか。
そちらの方が興味あります(^.^)
古九谷様式でいうところの「吸坂手」みたいなもんでしょうか。
蝶大好きのワタシとしては蝶も気になるところですが、なかなか面白い色使いになっていうように感じます。
明治七宝のピカピカの上手品は大変人気があり、ちょっと気の利いた品は私などおよびではありません。
残された道は、こういうニッチな物探ししかないのです(^^;
「金銀彩」にたとえてもいいかも知れませんね(^.^)