内容紹介
今はもういない者たちの、一日一日がこんなにもいとしい。
傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。
病を得た伴侶が、異国の者が、単身赴任者が、
どら息子が、居候が、苦学生が、ここにいた。
――そして全員が去った。それぞれの跡形を残して。
小さな空間に流れた半世紀を描いて、読む者の心を優しくゆさぶる長嶋有、面目躍如の会心作、ここに誕生
変な間取り
シンク
雨と風邪
目覚めよと来客はいった
影
ザ・テレビジョン!
1は0より寂しい数字
いろんな噓
メドレー
簡単に懐かしい
読書備忘録
第一藤岡荘五号室で暮らした人、それぞれのお話し・・・
名前に数字が入っていたり、数字の後に年代が入っていたり、いったいなにが・・・?
そのアパートのお部屋の間取りが変らしい・・・実は私、玄関の間こそなかったけれど、もっと変な間取りの家に住んだことがある。
大変居心地が悪く、なんか変っ!
探してくれた夫の叔母が保険の外交のお客の困った家をあてがったってわけで・・・ものすごく適当に、自分じゃないからいいわ!って感じで・・・釣り宿だった。
あとでご主人に叱られていたっけ・・・ま!そんな人でしたから・・・
だから3カ月で引っ越した。大損した。
だから、変か・・・?って思ったっりもしたけれど・・・
それはいいとして・・・
第一藤岡荘五号室
リフォームが入ったのはいいんだけれど、前の人が出たあとがそのまんまのところがあって、洗剤やバケツや雑巾まであって、それが前の人のではなくて、前の前の人のだったりして・・・
お向かいには第二藤岡荘もあったのね。
そこの六号室もちょっと気になりました。
五郎の風邪の話は面白かった。
風邪は気付いたときからが風邪で、目をあわせたチンピラにからまれたみたいなんだって。
風邪には気付くのがいけない(気付かなければかからない)という錯覚らしい・・・
そうそうお隣の六号室の住人は医者だってきいていたのだけれど、わかっちゃったのね、ホームページ見たらお隣さんの顔がupされたいたの。
し~んぱぁ~いないさぁ~♪・・・やってたってこと?
五号室に暮らした住人のおそらくな共通点は、ここでの雨音に必ず一度は聞き入ったんじゃないかって。
なんてことないけれど、なんてことない日常でも何かがあって、跡形を残して出ていく。
うむ・・・なお話でした。