五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

表装文化

2011年07月04日 | 第2章 五感と体感
地球が誕生して、人類が誕生し移動し、地層のように歴史が重なり、今に至っています。
勿論、この「今」も歴史の地層の過程に過ぎません。

それを云えば、古来の伝統等というものが、歴史の地層として埋まっていくのも仕様が無い事かもしれません。
そうはいっても、便利さを追求していくために活動する傾向を止めることのできない人間は、どこまで何を追及していくのだろう、、、と、思ったりもします。

手漉きの和紙が、機械漉きとなり、
使用する道具も、鉄や木からプラスチックやステンレスになり、
小麦粉のでんぷんから作る正麩糊も科学糊が正当となってきています。

そうはいっても、私の師匠は、正麩糊を大切にし、科学糊を使わずに表装することにこだわり続けています。
そのような考え方に賛同している弟子達が、長きにわたって表装を続けています。

日本の文化財修復も、いよいよ科学糊が入り込んできたようですが、さて、これが後世に残せるものかというと、誰も確信は持てないそうです。

先日、日本古来から伝わる膠製造が絶滅宣言がありました。私達が普段使う膠は、すべて中国製です。
伝統工芸といわれているもので膠が必要ないというものは、少ないと思います。勿論、表装でも使う必要のある物です。

そろそろ、職人がもっと表に出て、知識を広く知らせるべく語る時期が来ているのではないでしょうか。

学問として語る学者ではなく、現場で働く人々の語りは、頭だけの世界で語るものではないはずです。

表装文化は、日本の伝統文化の宝物です。その伝統を古来からの道具や材料を使い守ることは、そう生易しいものではありませんが、出来る人から努力していかなくては、もう間に合わないかもしれません。

知は力なり…

知らない人でも、ひとたび知れば、問題意識も生まれます。

一部の少数派が危機感を持つだけでなく、もう少し外に広げて啓蒙活動するのも仕事の一つのように思います。

これから、真剣に頭を巡らすとしますか。

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コメント
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