五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

小倉山から落つる風

2012年11月16日 | 第2章 五感と体感
嵯峨野の二尊院。前回訪れたのは8年前の9月末でした。

秋とはいえまだ残暑が残る季節で萩の花が咲いていました。
紅葉狩りにはまだ早いので観光客もまばらで、繁る葉からの木漏れ日の参道を歩いたのを覚えています。
参道の苔は水をたっぷり含んだ映えた緑色で、手で触れた苔の感触の記憶はまるで昨日のことのようです。

さて、今回の嵯峨野は紅葉狩りには程好い頃でした。程好いがゆえに観光する人も多いわけです。観光客に溢れているとはいっても、観光している人々の表情には嬉しさがあり、イタリア人の団体が竹の道をふさいで大騒ぎで記念写真を撮っていたり、修学旅行の中高生のエネルギーを頂いたり、疲れ果てたお父さんが癇癪を起していたりと、人の生の姿も楽しむことを含めた散策となりました。

久しぶりに訪れた二尊院の本堂はちょっとだけ増築されていました。、小倉山の斜面が裏手にあるので、その斜面を観光する人が見ることができるよう配慮され、裏庭も整えられ、私としては、野趣が消えてしまった事を哀しく思いました。あちらこちらに新しい小さなお地蔵様が設えられ、まぁ、このお地蔵様もあと30年もすれば、雨風にさらされ朽ちて趣がでてくるでしょう。。。と、諦め半分。。。

前回訪れた時は、小倉山から落ちてくる風を特別に感じました。本堂の脇の縁側に座りながらひんやりと落ちてくる風に包まれる体感は得も知れぬものでしたが、今回は残念ながらそういう余裕も無く、それでも過去の体感を蘇らせることができたことは私にとっては有難い来訪となりました。

二尊院は、私にとっては色々な意味でスタート地点だと解釈しているのです。始まりである出来事であり体感が小倉山から落ちてくる風であることを改めて意識化することができたわけです。

お二人仲良く並ばれている阿弥陀様に手を合わせ、3回目に訪れる日まで、また温かく見守ってくださるようお願いしました。

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