五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

やっていることは見られている

2012年11月18日 | 第1章 意識と知覚
他者の行動を見てその他者を判断している私。
それと同じように、
他者は私の行動を見て私という個性あれこれと判断しているわけです。

昨日は年に一度の表装の会「表導会」の最終日でした。

表装という技術を学ぶ人
表装の技術を伝達する人

伝達することは技術を学び続けることでもあり、技術を学ぶことは伝達することでもある、ということをしみじみ感じた最終日となりました。このことを感じさせてくださる師匠に心から感謝しています。

大量生産をすることで、求めやすさや便利さ、快適さを求め続けてきた結果、私達がほんとうに求めているものから徐々にずれてきて、ここ数年、このずれを交わせることが不可能な所まできてしまったように思います。

今や、「さざえさん」の住んでいる磯野家のような家は、希少価値のある豊かな一軒家となってしまいました。床の間の設えを季節ごとに入れ替える掛け軸や壺、食卓の窓から見えるところに植えてある花はいつも季節に見合っていて、敷地は、垣根で囲まれ玄関先は風情のある広さ…。

特別な場所に行かない限り、このような家には巡り合わなくなったように思います。

しかし、長年かけて、気負うことなく正麩糊を使い、なるべく手すきの和紙を使い、時間をかけて表装することをし続け、発表し続けてきたことで、これからの時代にとても役立つような存在に成ってきたのでは、と思います。

日本の文化を継承することは、実直さや忍耐力を好む日本人ならではのアイデンティティと深く結び付いているのです。

手先の細かい作業や手間暇かけて制作する姿のありのままを見せてこそ、他者は解るきっかけをもつはずです。

何事も自分がやっていることは見られている、ということです。

しみじみと人の身体は神様の神殿であるな、と思った一日でありました。

じぃーっとして、他者から見てもらうのを待っていても誰も五感で感じてはくれません。

自分の信じていることが普遍的なことに繋がっていればいるほど、他者は感じてくれるはずです。

今年も二足のわらじで頑張ってきた表装ですが、来年に向けて益々作業をしなくてなならなくなりました。
腰を痛めず手が動き目が効く内は、表装を粛々やり続けることとなりそうです。

日本文化の誇れる技術を一つ修業し続けていることは、私の生き甲斐に繋がるのです。

やっていることを見ていただくことは、伝承と伝達という使命も担っています。

見ていただきながら、あれこれと助けられ、継承していくことができれば幸いです。

ともかく、やっていることを見ていただきましょう…^^

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