日曜日の夕方、これを逃すと観にいけないと思い立ち、横浜美術館の「はじまりは国芳」展を観てきました。
今年の夏、私の恩師である某氏から留守電が入ることから始まった月岡芳年への興味は、イケメン俳優を追い掛ける位の高揚感と同じくらいの気持であると形容するのが一番ふさわしいかもしれません。
この夏にHNKテレビ番組「日曜美術館」で月岡芳年を特集しました。
彫刻界のスペシャリストとして活躍いている方が浮世絵師を語ることは意外でした。
テレビ出演するにあたり、わざわざ電話など掛けてくる方ではないのですが、「私がちょっとだけ出るから見てくれ」という一言。
そして、納得^^。
そして、展覧会を観た方々から「お薦め」のメッセージも沢山頂きました。平素、他者にお薦めすることを好まない方々からのメッセージだから尚更の事、観たい情動に駆られました。
ともかく、この月岡芳年という絵師、半端じゃなくカッコイイ!江戸から明治を生きた人です。で、あるが故、リアルな戦いも見てきた人でもあるわけです。
「なんだなんだ!この人!」
ただの浮世絵と思うなかれ。
まるで、劇画をみているかのような絵。しかも、CG画像を観ているような、映画マトリックスの戦いの場面でキアヌリーブスを観ているような、瞬間映像が止まったかのような構図。
心の中に蠢く感情を捉えるならば、本当はこのくらいの構図でなくては、人の心を惹き付けないのかもしれません。
これだけの感情と行動の激しさが直に絵で表すことができるのか、と思うくらい含みの無いダイレクトな表現なのです。
「牛若丸と弁慶の五条大橋の戦い」瞬間の一コマ。
平家打倒の企てを密告され鬼界ケ島に流された俊寛。
弁慶の幼少期の武勇伝も度々描いた鬼若丸と鯨退治や鯉のぼり。
安達原の老婆。
八百屋お七が、江戸の町に火を付け、炎の中火の見やぐらに登る様子。等々…。
どれもこれも、瞬間の映像をそのまま切り取ったかのようなものです。
しかも「見せることの粋」を完全に心得ているのです。
人の心にこれだけの感情を湧き立たせる物語の名場面を能楽で表現するならば、秘めたものをどれだけ最小限で宇宙規模の広がりを表現するか。。。
そして、観る者の心にどれだけの想像を膨らませることができるかということも、対極にある振り子の幅の端であるように思います。
このように最大限と最小限の同質感を感じ取りながら、芳年の感情移入に私自身が惹き込まれていくのでした。
最大限と最小限は、同じ明度の色を見ているかのように精神性の浸透圧として体感に沁み込んでいくのです。
今でいえば、クリエーターとアーティストを兼ね備えたマルチな人であり、日本のミケランジェロという言い方が一番しっくりくるかなぁ。。。と、私の形容する言葉の足りなさにうずうずしています。
月岡芳年をまとめて観ることの出来る「はじまりは国芳・江戸スピリットのゆくえ」は、横浜美術館にて1月14日までです。
今年最後の美術展鑑賞。刺激的な鑑賞納めとなりました。
ちゃんと読んだことはありませんが、ジョジョとかワンピースの原型は、ここにあり、かもしれません。私達の世代が読んできたアキラにしても、エヴァンゲリオンにしても繋がっているのです。時の経過による表現から普遍性を感じ取ることのできる展覧会です。ゲームにしても浮世絵の延長であるかな、と。
「はじまりは国芳」… 良いタイトルだと思います。
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今年の夏、私の恩師である某氏から留守電が入ることから始まった月岡芳年への興味は、イケメン俳優を追い掛ける位の高揚感と同じくらいの気持であると形容するのが一番ふさわしいかもしれません。
この夏にHNKテレビ番組「日曜美術館」で月岡芳年を特集しました。
彫刻界のスペシャリストとして活躍いている方が浮世絵師を語ることは意外でした。
テレビ出演するにあたり、わざわざ電話など掛けてくる方ではないのですが、「私がちょっとだけ出るから見てくれ」という一言。
そして、納得^^。
そして、展覧会を観た方々から「お薦め」のメッセージも沢山頂きました。平素、他者にお薦めすることを好まない方々からのメッセージだから尚更の事、観たい情動に駆られました。
ともかく、この月岡芳年という絵師、半端じゃなくカッコイイ!江戸から明治を生きた人です。で、あるが故、リアルな戦いも見てきた人でもあるわけです。
「なんだなんだ!この人!」
ただの浮世絵と思うなかれ。
まるで、劇画をみているかのような絵。しかも、CG画像を観ているような、映画マトリックスの戦いの場面でキアヌリーブスを観ているような、瞬間映像が止まったかのような構図。
心の中に蠢く感情を捉えるならば、本当はこのくらいの構図でなくては、人の心を惹き付けないのかもしれません。
これだけの感情と行動の激しさが直に絵で表すことができるのか、と思うくらい含みの無いダイレクトな表現なのです。
「牛若丸と弁慶の五条大橋の戦い」瞬間の一コマ。
平家打倒の企てを密告され鬼界ケ島に流された俊寛。
弁慶の幼少期の武勇伝も度々描いた鬼若丸と鯨退治や鯉のぼり。
安達原の老婆。
八百屋お七が、江戸の町に火を付け、炎の中火の見やぐらに登る様子。等々…。
どれもこれも、瞬間の映像をそのまま切り取ったかのようなものです。
しかも「見せることの粋」を完全に心得ているのです。
人の心にこれだけの感情を湧き立たせる物語の名場面を能楽で表現するならば、秘めたものをどれだけ最小限で宇宙規模の広がりを表現するか。。。
そして、観る者の心にどれだけの想像を膨らませることができるかということも、対極にある振り子の幅の端であるように思います。
このように最大限と最小限の同質感を感じ取りながら、芳年の感情移入に私自身が惹き込まれていくのでした。
最大限と最小限は、同じ明度の色を見ているかのように精神性の浸透圧として体感に沁み込んでいくのです。
今でいえば、クリエーターとアーティストを兼ね備えたマルチな人であり、日本のミケランジェロという言い方が一番しっくりくるかなぁ。。。と、私の形容する言葉の足りなさにうずうずしています。
月岡芳年をまとめて観ることの出来る「はじまりは国芳・江戸スピリットのゆくえ」は、横浜美術館にて1月14日までです。
今年最後の美術展鑑賞。刺激的な鑑賞納めとなりました。
ちゃんと読んだことはありませんが、ジョジョとかワンピースの原型は、ここにあり、かもしれません。私達の世代が読んできたアキラにしても、エヴァンゲリオンにしても繋がっているのです。時の経過による表現から普遍性を感じ取ることのできる展覧会です。ゲームにしても浮世絵の延長であるかな、と。
「はじまりは国芳」… 良いタイトルだと思います。
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