【1日目:出発~ミラノ編】
【2日目:ヴェネツィア編】
【3日目:サンジミニャーノ編】
サンジミニャーノの続きです。
サンジミニャーノから約1時間半バスに揺られ、やってきたのが「シエナ」ここも世界遺産の街です。
バスを降りると遠くにその一帯だけが赤く見えました。
あまり経験のない不思議な光景・・・そこが「シエナ」の街。
道端に落ちていたどんぐりは小ぶりですらっとして、ちょっとおすましヨーロッパ顔?(*^_^*)
持ち帰れないから、写真で記録。
街を見下ろせる坂の上から見えたのは?
夕方ですし、天気が悪いせいもあってどんより暗い空、要塞のように見えますが・・・
近づいてみると、そこには幻想的な赤茶色に染まった街の姿がありました。
シエナ色。英語で黄褐色の絵の具をこう呼びます。
ここからはガイドさんに連れられて行きます。
イタリアではガイドのライセンスのない人がガイドをすると、罰せられるそうです。
その為皆さんライセンスを見えるように首から提げ、ガイドをします。
まずは「サン・ドメニコ教会」の悲しい少女の説明を受け、街へと入っていきます。
「サリンベーニ広場」
3方をゴシック、ルネッサンス、バロックという三つの様式の建物で囲まれているこの広場は、
19世紀末に作られた広場です。
広場に向かって右側の建物は、もともとあった建物を模倣しながら、
1800年代に作られたルネッサンス様式の建物。
向かって左側の建物は、16世紀の半ばに建造されたバロック様式の建物。
広場の中央には17世紀の会計学者の記念碑が立っています。
3つの様式を比較すると、窓の作りにその様式の特徴が表れています。
先のとがった尖塔アーチを持つゴシック様式の窓枠、
先の丸いアーチを持つルネッサンス様式の窓枠、
そして四角い窓枠のバロック様式。
現在建物はすべてモンテ・デ・パスキ銀行の本部になっており、
貴重な歴史文書を初め数多くの芸術作品が所蔵されているそうです。
私は学生時代、美術・服飾関係だったのでこれらの歴史はうんざりするほど学んできたはずですが、
記憶力が悪いのでなんのことやら?試験のために暗記しただけの世界。
あの頃、ここに来ていたら「百聞は一見にしかず」でよく解ったはず。
興味が湧いて今は別の職業についていたかもしれない・・・(笑)
などと、遠い昔を思い出しながら聞きました。
ルネッサンス様式の建物の上部からは、たくさんの顔がこちらを見下ろしています。
それぞれ表情がある上、陰影が加わりがなかなかリアル。ダ・ヴィンチの顔もありました。
トスカーナ州で生まれた方ですから、やはりどこに行ってもお目にかかりますね。
曲がりくねった道に延々と続く中世の館・・・
ここ「シエナ」はローマへの巡礼ルートであり、南北ヨーロッパを結ぶ重要な路だそうです。
その為、人の往来が増し、商取引や両替も盛んになり、ヨーロッパの金融業の中心地として栄えて、
豊かな財力を持った都市国家として独立しました。(モンテ・デ・パスキ・シエナ銀行)
現在もイタリアの3大銀行の一つで、従業員の約50%がシエナの市民。
世界に500近くの事務所を持ち、各国の事務所に必ず一人シエナ人がいるそうです!
だいぶ陽も暮れてきたので、駆け足の案内です。
画像左のお菓子屋さんに並ぶのは、こちらの地区のドルチェ達。
・リッチャレッリ:小麦粉、卵白、オレンジの砂糖漬けなどを練って固め、オーブンで焼いて粉砂糖でくるんだもの。
・パンフォルテ:13世紀頃に修道院で食されていたという円板型ドルチェ。
・カントゥッチ:固焼きビスケット。お土産によくあるアレです。
画像右は日本にも入ったという「GROM」ジェラート屋さん。
photo:Duomo di Siena
そして最後はドゥーモ。
イタリアの各都市には必ずあるという大聖堂も、場所によってさまざま。
ここのドゥーモはブラック×ホワイトのコントラストが粋なデザイン。
多色大理石とモザイクで装飾されたファサード(建築物の正面)はイタリア最美といわれているようです。
(イタリア人は見栄っ張りだからどの地区へ行っても自分のところが一番というらしい、とガイドさんより。日本も同じだよね(*^_^*))
内部の彫刻や絵、特に床が素晴らしかったです。
閉館時間となり外に出ると、到着したときからずっとそこにいた、
バイオリンを弾くひとりの女性・・・何時間弾いているのでしょう?
建物に音が反響し、広場に静かに広がって・・・
自分がクラシックのホールににいるような気持ちにさせてくれました、素敵な時間をありがとう。
photo:Piazza del Campo
町の中央にある扇形をしたカンポ広場.
「世界一美しい広場」と言われているところです。
そびえ立つ塔は「マンジャの塔」その横が「プブリコ宮殿」
広場の周囲にはゴシック様式の美しい建造物が立ち並び、
華やかだった中世の姿を今に残しています。そして白い杭が均等に・・・?
シエナは17のコントラーダという、中世からの伝統を持つ地区に分けられ、
住民達は強い絆で結ばれておりますが、対抗意識ももっています。
地区には、それぞれのシンボルが描かれた旗が掲げられていますが、
シンボルはいもむしさんチーム、貝殻さんチーム、みたいなユニークなもの。
(ドゥーモの中にあったシンボルの一覧・ピンボケでごめんなさい)
この扇状の広場で住人達が絆を深めるのが、カンポ広場で行われるパリオという地区対抗の競馬。
最高の名誉である優勝旗の獲得を目指して、熱いレースが繰り広げられるそうです。
写真の白い杭の外側が馬の走るトラック、内側が観客席、
前のほうの席を確保するのも大変なほどの人気だそうです。
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夜も18:30を過ぎ、観光も終了。今日のディナーはこのカンポ広場にあるレストラン。
トスカーナ風ステーキ、とのことでお姉さんが取り分けてくれます。
あと1品あったけど何だっけ(汗)美味しかったです。
美味しく感じたのはワインのおかげでもありますが。
こちらに修行に来ていると言う、イケメンの日本人ソムリエが場を盛り上げてくれます♪
教えてもらったのが、イタリアンワインのラベルに書いている "DOCG" のこと。
DOCGの意味は割愛。星の数ほどあるイタリア製ワインの中で、
きわめてクォリティー・コントロールの行き届いたものの証明だそうです。
シエナには、この DOCG 適合ワインが数多くあります。
飲まない方でも耳にしたことがあるであろう「キャンティ・クラッシコ」等。
ロッソはピンクのラベル、ビアンコはグリーンのラベルです。
DOCGの文字、どこかで飲む機会があったらチェック?
そしてここトスカーナにきたら飲まずには帰れないワインを頂きました。
「ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」
「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」
ワインの価格も急下降している日本でも、これらは¥8000~程度出さないと飲めない様でした。
それをグラス1杯€4程度で試飲?させてもらいました。
ワインの味は好みで、どれが美味しいとか決められないものだと思うのですが、
そのものの味よりも、ワインを飲むシチュエーションが味を左右する、と思う私です。
やっぱりワインの産地で飲むのが一番美味しく感じる♪
からっと乾いた空気の土地柄に合うような気がするのです、湿気の多い日本で飲むよりずっと沁みます。
雪が深深と積もる冬、雪国で飲む日本酒が格別なように・・・
このモンタルチーノ、永遠に飲んでいられそうなほど美味しかったのですが(ご機嫌で写真撮るのすらしなかった)
グラス3杯程度飲んだところで、
「ハイ、出発です」
と夕食タイム終了。バスに揺られてホテルまで。
ツアーの食事はほぼ食べ終わった段階で撤収となります。お酒を飲まない方に合わせるしかないのですが・・・
でもこうやって決められた時間があるからいいのかもしれませんね。
じゃないと、二日酔いでツアーが成立しない人も出そうです・・・(私達か(~_~;)
このツアー、見どころに到着するのが昨日に引き続き日没後なので、
私の中でじわじわ不満が出ていたのですが、ワインで帳消しになりました
そんな満足した気分で終えたトスカーナの1日でした
旅も4日目突入です。