2012.9.15(土)~9.16(日)
この週末は北アかこちらかの二択・・・祝日が出勤だった私は通常の土日だったので、
混雑しなさそうな方・・・と初めて新潟の山へ出かけました。
9/14(金)の夜、仕事を終え23:30新宿発長野駅行きの高速バスに乗り、早朝長野駅へ。
そこから信越線に乗換「妙高高原駅」、バスに乗り換え「笹ヶ峰」へ。
車窓からは独特の形をした妙高山がクッキリと見えていました。
登山口である「笹ヶ峰」トイレと自販機と公衆電話が一台。
今回目指す山には飲料水がないとのことで(煮沸すればOKらしい)4リットルの水を入れ、
久々の約15kg(ダンナは22kg位?)のザックでまずは高谷池目指し8:40、スタートしました。
最初は木道を緩やかに進んでいきます。
標高は1000mを軽く越えているはずですが、日差しが痛いほど強く想像よりも暑く風が通らない。
空気がぬるくてあっという間に汗だくになりました。
「黒沢」では若干涼しい風が吹いていたので休憩、ここから本格的な登りとなります。
「十二曲り」という木の階段をジグザグと登って行きますが、十二曲り自体は覚悟しているからか?
たいしたことはなく、その後の岩の段差を登る方が辛く、後ろから来る人にまたしてもどんどん抜かれ・・・
ようやく尾根に乗り?一安心。
段々雲が出てきてしまいましたが、左手に「高谷池ヒュッテ」の
三角屋根が見えた(見えてからが遠い法則だけど)時は嬉しかったなぁ。
お腹ペコペコで到着し喜んだのもつかの間、テント場がかなり混んでいそうな予感・・・
脇目もふらずテン場へ直行、なんとか確保できましたが大混雑
ここのテン場はそんなに混まないと勝手に想像していたので驚いた。
最近のテントブームのせいか?以前とは確実に違う層、9割が20~30代の若者でした。
テン場争奪戦にはもうついていけないお年頃な自分を痛感しました。
そうそう、テン場と小屋(トイレ)の間に水場がありますが、石から石への40cmほどの飛び移り状態。
暗くなってからトイレに行く時は相当気をつけないと川にはまりそうで怖かったです。
テントを設営して「火打山」を目指します。
ヒュッテの前の地糖がキレイ。もう少しすると紅葉でもっとキレイなんでしょうね。
木道脇は盛夏にはたくさんのお花で彩られていたのでしょう、素敵な眺めでした。
「天狗の庭」というしっとり美しい湿原を抜け、山頂目指します。
ライチョウ平手前のザレ場からは、遠く灯台や日本海がうっすらと見えたような気がしました。
だけどたいした登りでもないのに疲れのピークだった私。だんなに先に行ってもらいフラフラと登頂。
夜行バス移動と連日の仕事疲れが取れないのか眠くて眠くて・・・
意識朦朧としながら登り、やっと辿り着いた山頂は雲の中で何も見えませんでした。
山頂で放心状態な人約一名(笑)
このまま5分でいいから寝かせて・・・と思ったのですが霧っぽくなったので我慢して下山。
ここまでしんどい思いで辿り着いた山頂は初めてかもしれない、というほどでした。
眼下に広がる「天狗の庭」なだらかで優しくて素敵な眺めだったなぁ。
下山しながらも眠くて目を開けてるのがやっと。疲れすぎて楽しむ余裕がない自分が悔やまれる。
ここでもトリカブトがわんさか咲いていました。
夏はお花畑だというここも今はぽつぽつと咲いているだけでした。
テント場に戻り、ようやく安心してビールが飲めます。
(冷えたビール350ml=¥500 ジュース・水500ml=¥500)
小屋は完全予約制、この日も満室。夕飯はカレ-のようでした。
トイレは小屋内のを使わせてもらえるのでキレイでよかったです。
夕飯を食べている最中から寝てしまった私。(子供かw)
夜も全然寒くなくテントの中でシーツだけ、シュラフが要らないほど温かくて・・・というより暑くて???
とにかく朝から晩まで暑くて参った(また虫にも刺されるし)という一日が終わりました。
今日頑張りすぎたツケが翌日来るとも知らず爆睡し・・・・
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翌朝。
快晴の朝。昨日は見えなかった「火打山」がクッキリと見えています。
ヒュッテの脇からは思い出一杯の白馬岳の稜線。
6:00、出発~
まずは茶臼山を通過し、黒沢池ヒュッテへ進みますが、早朝から日差しが痛く暑い。
1時間ほどで黒沢池ヒュッテに到着したけど、ここでまたもや大誤算。
今日の行程の中で小屋はここだけ。
水分を大量に摂取する私は、昨日担いできた水4リットルは、飲んだのと料理に使ったのとで残500mlのみ。
高谷池ヒュッテで念のため、と出発前にお茶とジュースをそれぞれ1本ずつ、計1.5リットルで出発したのですが、
この暑さでこれでは足りない、黒沢池ヒュッテであと1リットル買おうと思って歩いてきました。
ところが到着した黒沢池ヒュッテには人がいない!鍵がかかってる!どこへ行ったのー?
この連休、朝の7時に誰もいないとは全く想像しておらず、水を確保できぬまま再スタートする羽目になり・・・
(最悪煮沸すればよかったのでしょうけれど足りるだろ、と言い張る誰かさん)
大倉乗越までの30分でも汗だくでひーこら。目の前に大きくそびえる「妙高山」に萎える・・・
地図ではそんなにアップダウンない気がしてたのに、ロープで降りたり、意外と険しい道。
無風でジリジリと照りつける太陽に、暑い・・・暑い・・・・滴り落ちる大量の汗。
まだスタートして間もないというのに大幅にCTオーバーして分岐到着。
妙高山への取りつき分岐にザックをデポ。幸い日陰だったので少し休んでいると汗が引いた。
ここから山頂までCT登り1時間半、下り1時間。今日の一番の踏ん張りどころ。
大岩をゼーハー言いながら登り・・・
大岩がゴロゴロした、庭園のような山頂に到着~
頑張ったご褒美は360度の美しい眺め。
最高の天気に恵まれ、富士山も槍も見え気分は最高~
・・・・・・・・・・・・・・・・だったらしいです
悲しいかな、私だけここまで来て山頂を踏めなかったのです。
朝から気分が悪く、朝食無理やり押し込むも××そうな感じで・・・
歩き初めから大量の汗、足に力が入らず、ザックに身体を持っていかれる感じで踏ん張りがきかない。
所持量が残り少ないという心理的要素か?喉が渇いてしょっちゅう水で喉を湿らせないと呼吸さえ苦しく、
分岐から40分ほど登ったところで意識朦朧、もう一歩も進めずリタイヤしたのです。
だけどピークに立てず悔しいのは下山してから感じただけで、この時は本当に苦しくてそれどころではなく。
横になってしまったら永遠に起き上がれなさそうで、”自力下山”(笑)の文字が脳裏から離れず、
フラフラと大岩で転ばぬよう降りていきました。
熱中症一歩手前?だったのでしょうか?単なる体調不良?単なる歳のせい?単なる根性ナシ?
残念ですが先ほどの分岐まで戻り、ダンナの帰りを待ちました。
次々山頂から降りてくる人々の元気な笑顔を見るのが辛かった・・・
”山頂で30分も待ってたのに・・・こんな快晴の日に登れないなんてAHOだね”
ダンナにAHO呼ばわれされながら失意のうちに下山開始です。アタシだって凹んでるんだけど
ちなみにこの日の山頂気温は20度だったそうです。
デポしたザックを背負い、分岐から10分ほど下ると「長助池」
さっき大倉乗越トラバースから見えていたのはここだったのね。
草紅葉が始まっていてとてもキレイでした。
でも内心はまだドキドキでした。
なぜならこちらの「燕新道」も下山口まで約3時間。持っている水分はあと800ml程度。
飲みたいところギリギリ我慢して喉カラカラで歩いていても、このままだと下山前に底をつきそう。
さきほどの分岐の水場は枯れていたので、最後の望み「黄金清水」で水が出ていることを祈りながら黙々と歩き・・・
ヤッターーー 辿り着いた水場では、キンキンに冷たい水がしっかりと出ていてくれました。
まさに黄金の水 一気に1リットル近く飲み干し、渇水したカラダが生き返りました。
気分の悪いのもおさまり昼食をとり、登山口まであと1時間半、すぐかな~と思いきや甘かった
そういえば昨日からピーク以外は風の通らない山歩きばかり、こんな感じの道だった・・・。
樹林帯も雨が降らないせいか?カラカラに乾いた地面から熱気が上がってくる、
我慢大会のような暑さの登山道、下山しながらも大量の汗をかき・・・
その後も橋のないザーザー流れる大倉沢を渡渉したり・・・
ここまで来てまさかの登り返し~?というような場所や、
ずるずる滑る急坂を大汗かきながら何度もやり過ごし・・・
気の抜けない下りの連続、ようやく「燕温泉」まで降りてきました。
橋の手前に「河原の湯」の看板があり気になったけど、ここまで登り返すの無理
ということであっさり温泉街へ降りていきました。
最近整備されている登山道ばかり歩いていたので、こんなワイルドさは久しぶり
いや、涼しかったら奥多摩みたいな感じで歩けたのかもしれないけど・・・
新潟だから涼しいだろう、有名な山だから歩きやすいだろう、と、自分に都合の良い事しか想像していなかった。
甘く見た自分に喝を入れられました。頚城さんごめんなさい。
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「燕温泉」には4件ほどの宿がありましたが、せっかくだからと源泉天然かけ流しの「黄金の湯」
に入ることにしました。
(料金は無料、男女別ですが女性はよしずで覆われ、コンクリートの3人ほど隠れられる脱衣所有)
洗い場などなく湯船のみ。硫黄泉白濁湯の花だらけのワイルドな温泉でした。
汗を流した後はバスの時間まで2軒あるみやげ物店の店先で、トマトとビールでほっと一息。
店のお母さんが手作りの山菜漬け出してくれたり優しくして頂き、だんだん元気回復。
山頂踏めなくて凹んでいた気持ちも少し和らぎました
「燕温泉」自体寂れている風ですが、ひなびた感じが私は好きでした。
帰りのバス、運転手さんが、
「こんな風に乗客の方とお話できるのはこの時期くらい。
冬は雪が深すぎて(5mとか)スキー場も閉鎖されてしまったし、
チェーンを巻いて一生懸命運転してきても、1日で乗客ゼロ、なんてしょちゅうなんです。
このバスも来年はわからないですね・・・
(夏は暑いんですねと言ったら)
今年の暑さは異常で、この時期この辺りはストーブつける日もあるというのに。冬の豪雪が怖いですよ」
そんなお話をしてたらなんだか切なくなってしまいました。
でもこの土地の方の優しさに触れることが出来て、失敗だらけの二日間だったけど心が癒されました、ありがとう。
今回反省することばかりが多すぎて、純粋に山の感想を書けなくて申し訳ないようなレポになりましたが、
これはあくまで私のお話。
次回はこの日のことを忘れずに、準備万端で行きたいと思った反省だらけの山旅でした。
おしまい。
【行程】新宿高速バス23:30→長野駅4:30
信越線長野駅6:30→妙高高原駅7:12 路線バス7:20→笹ヶ峰バス停8:10
1日目=笹ヶ峰8:40→高谷池ヒュッテ12:30 テント場13:20→火打山14:50→テント場16:05
2日目=高谷池テント場6:00→黒沢池ヒュッテ7:30→妙高山分岐8:30
(ダンナのみ山頂ピストン)11:00→黄金清水12:15(昼食)12:45→燕温泉14:40
バス燕温泉16:20→16:51関山駅17:20→18:12長野駅 18:46長野新幹線にて東京へ