甲相国境尾根(こうそうこっきょうおね)とは、丹沢山地の丹沢主稜の内、
大室山以西の山梨県(甲斐国)と神奈川県(相模国)の県境に伸びる延長約20kmの尾根である。
(Wikiより抜粋)
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富士五湖周辺の山に行く度に気になっていた丹沢から続く尾根。
いつか繋げて歩きたいけど、暑い時期は水場がないのでダメ、距離が長いから陽の長い時期に・・・
と数年前からチャンスを狙っていたこの企画。土日晴れ予報のこの機会を逃したら次はいつかわからない!
と意気込んで出発したのですが・・・・・・。
2013.3.16(土)
小田急線新松田駅7:20発の西丹沢自然教室行きバスに乗る。この時期はまだ空いていて助かります。
終点までは行かず「大滝橋バス停」で下車。支度を整えまずは「畦ヶ丸」目指して出発。
真っ青な空の下、1日で抜ける予定という単独男性と我々だけの静かなスタートです。
何度か沢を渡りながら思ったより緩やかな登山道を気持ちよく進んでいく。
見た目は冬枯れの装い、だけど今日は気温が高いらしく既に汗びっしょり。
そろそろ休憩しようかな・・・と思ったところで「一軒屋避難小屋」が見えた!
沢の脇にこじんまりと建つ小屋はロケーションは良いけど、
中に入ると毛沢東の顔写真が貼ってある発炎筒とか爆竹とか色んな張り紙があってちょっとコワイ系(^^;;
小屋で10分ほど休んで更に進むと”大滝峠上”尾根に乗りました。
ここまでは予想より順調に(CTが甘いみたい)進んできたけれど、とにかく眠い・・・どこかで横になりたいくらい。
連日の仕事疲れが取れていないのを知っていたけれど、無理矢理来たのだから仕方ない。
ここからようやく本格的な登りになる。約半年ぶりの15kgザックは鈍ったカラダに堪えます。
時々平坦な道では息を整え、遠くに大きな大室山を見たり、景色を楽しむ余裕もあるけれど・・・
避難小屋直下の登り階段はシャリバテと暑さできつかった!到着と同時にベンチにザックをほおり投げ撃沈。
おにぎりを食べ、目と鼻の先の畦ヶ丸へ行くけどチェックだけ。
今日はまだここからが長いのです・・・。
”モロクボ沢の頭”に向けて出発です。この時点で結構疲れてて本当に辿り着けるのか不安ですが・・・
行くしかない!気合だぁ~。
分岐から先は、いきなり下る・・・
ぎゅいん、と登る・・・
ヘコタレル・・・の繰り返し。
小さいながらもアップダウンの多い尾根。下れば登る。登れば下る。
下りを見れば「この後又登るのか・・・」とうんざり(^^;;登りを見ればもうビバークしたくなりそうで・・・
なかなか快適な尾根歩きはさせてもらえませんでした。
だけどこんな気持ちの良い尾根も・・・たま~に。
ここ、西丹沢の奥は東丹沢の賑やかさはなく、行きかう人もなく静か。
こんな山域を黙々と歩くのも結構好きな我らには楽しい時間でもある。
眠いのと疲れているのでこの辺りの記憶も途切れ途切れですが・・・ようやく”城ヶ尾峠”に到着。
この辺りは”さかせ古道(三が瀬)”と呼ばれた歴史ある道らしい。
なるほどより一層の静けさを感じる峠だった。でもここから菰釣までまだ3.8kmもあるの・・・。
静けさが際立つような”城ヶ尾山”空に向かうような登りが気持ちよかった。
だけど・・・まだまだ着かない。中ノ丸、ブナ沢ノ頭を越え・・・
だいぶ陽が傾きかけてきたところでようやく"菰釣避難小屋”に到着しました。
登山口から約7時間、かなりヨレヨレで到着、お腹も空いたし早く眠りたい・・・。
(※普通の人で荷物が軽ければそんなにハードな道のりではないです)
小屋に入ると中はとてもキレイで犬越路避難小屋と同じくらいの広さ?でしたが、
先客がいて我々入れて6人。この時期だからもしかして貸切?を期待したけど甘かった。
ここは”道の駅どうし”からだとすぐにこれる位置にあるようで、富士山撮影の為にも使われるみたい。
私たちのように遠路はるばる西丹沢から来る人はいないのかな・・・(^^;;
計画段階で道志からタクシーで来ようか(休日はバスがないので)とも一度は考えたのですが、
それでは自分たちの歩きらしくない。やっぱり初心貫徹で、と来て・・・ヘロヘロになりましけど^_^;
最後に元気な若者一人加わり7名、スペースが足りなくてダンナは土間で寝ることに。
早速夕食に。この写真(私のザックより出てきたものたち)のほかにも水2.85L、ジュース・お茶1L、ビール850ml、
梅酒250ml、ワイン350ml水分合計5リットル背負ってきました。(水場があったかどうかは不明)
ビールが疲れた体に染み渡る~~~~結局皆さんで話が弾み担いできたお酒は全部飲んで終了。
頑張った1日が暮れていきました。
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2012.3.17(日)
3シーズンシュラフでは少し寒かったのであんなに寝不足だったのに良く眠れず、迎えた朝は晴れ。
今日も約6時間の予定だけどやっぱりモタモタし、5:45出発。
小屋からまだ少しだけ雪の残る登山道を20分ほど登る。
朝焼けに赤く染まるブナ林を登りつめると・・・
そこが菰釣山頂でした。
朝の澄んだ空気の中で見る富士山・・・何度見てもやっぱり感動してしばらくじっと見入ってしまう。
今日も天気でよかった。さあ、ここからゴールに向かって進みましょう!
油沢ノ頭、樅ノ木沢ノ頭、西沢ノ頭を越え石程山・・・
若干のアップダウンはあるものの、昨日よりはずっとラクに歩けます。
(ザックが5kg軽くなったのももちろんあるけれどw)
足元を見つめても、
空を見上げても、ブナブナブナ。
ブナ三昧の尾根は本当に気持ちが良い。この時期まだ葉はないけれど、この景色もなかなかです。
新緑にむせぶであろうこのブナの森も、きっと素敵だろうな~
目の前の木々の間からずっと富士山が見守ってくれていました。
ブナ三昧の森とアブラチャン純林、山伏峠への分岐を過ぎ、
右手に大きな御正体山、石割山。見慣れた景色が見えてきたら・・・
富士岬平到着。ゴール!ヤッタネ!!目の前にドカン、と大きな富士山。
大好きな山中湖越しの富士山が青空の下、しっかりと私たちを迎えてくれました。
あぁ・・・ちょっと辛い二日間だったけど来てよかった、ご褒美もらった。歩ききれてよかったな。しみじみ。
ここから20分ほどの高指山は次回ダイヤモンド富士の時の為にとってあるので寄らず、
最終目的地は”石割の湯”別荘地を抜け道志みちに降り、20分ほどで到着。
荷物を軽くしようと食料をギリギリにしてたのでお腹ペコペコ。
温泉後はビールで乾杯、”富士山カレー”を食べて平野から中央高速バスで帰りました。
登りが辛くてしんどい時は「仕事の辛さよりましだ、頑張れ!」と思うし、
仕事が辛いときは「休みになったら山に行こう、頑張れ!」と思うし。
どちらにしても山を基準にして頑張ろうと思えるのって、とてもありがたいことだと感じました。
いつか繋げて歩きたかった、ずっといつかはと思い描いていた今回のプチ縦走路。
大好きな富士山に迎えられ、また苦しくても頑張れる元気をもらいました。
甲相国境尾根、まだ抜けているところがあるので続きは又いつか繋げましょう。
なーんて、苦しかったことはもう、忘れちゃったね
おしまい。
【行程】1日目:新松田駅7:20→大滝橋8:50→一軒屋避難小屋10:00~10:20→畦ヶ丸避難小屋12:00~12:35
モロクボ沢の頭13:00→大界木山14:00→城ヶ尾峠14:20→菰釣避難小屋16:00
2日目:菰釣避難小屋5:45→菰釣山6:05→大棚ノ頭8:55→富士岬平9:40~10:10→石割の湯10:40