カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

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2014-12-22 | ヒビのこと
天気の良い日曜日 友達と待ち合わせてとある場所へ

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クリスマス前の恵比寿ガーデンプレイスは 家族連れやカップルで賑やかだった

恵比寿駅で待ち合わせた私たち三人は 昔アパレルで働いていた仲間
彼女たちと過ごしたのは2~3年だったけど とても中身の濃い日々だった
私にとっては学校を卒業して初めての職場だったから すごく影響を受けたし
会社は違えど同じ職場(デパート)の同じ売り場で働いていて
喜んだり悲しんだり怒られたり悔しがったり
プライベートでも仲良くて 泊りに行ったり 遊びに行ったり
時には羽目を外して遊んだ仲間たち


20代だったから その後結婚したり引っ越したり会社を変わったりと
それぞれの人生を進んでいけば 年賀状や冠婚葬祭のやり取りはしていても
実際みんなで会おう となると結構難しいもの
それが今回 急に二十数年ぶりに会うことになった
再会の訳は その時代の友人が脳梗塞で入院している先への お見舞いの為だった


先に一度見舞っていたひとりから「覚悟しておいてね」と言われたから緊張していたけど
ご主人から経緯や今後の話を聞いた後 病室で会った彼女は
かすかに当時の面影があったけど浮腫みが酷く別人
私たちが知っているYちゃんではなかった
自発呼吸も出来ず 呼吸器は外せない
もう この先普通に戻るのは不可能だと言われているという
家事の途中で頭が痛い と言って 我慢強い子だったからか3,4日家で休んでいたという
病院に行ったときはまだ自分で歩けていたし 早く来てよかったねと言われたのに
手術中に大出血を起こし 一番起きてほしくない事が 起きてしまったと


「Yちゃん、来たよ、久しぶりに会えてうれしいよ!」
不可能と言われても 一筋の望みは捨てられない
脳の刺激になるかもしれないと 耳元であの頃の懐かしい話をしたり
筋肉の硬直を少しでも解消できればと みんなで手足をさすって曲げ伸ばししたり
顔を化粧水で整えてあげたり 乾燥した肌をハンドマッサージしたり
一時間ほど触れ合うと 見えているのか聞こえているのか 時々瞼を動かしてくれた
頭部は坊主頭 手術の跡が痛々しかったけど 色白で器用だったYちゃんの
指先は細く長くスラリとしていて 一緒に働いていた頃のままだった 


私と同い年のYちゃん 二人の男の子がいて 下の子は今大学受験
子供たちの事が心配だろう これからどんな大学に行って どんな会社に勤めて
どんな女性と結婚して 孫が出来て 子供たちの成長を楽しみにしていたのに 
ついこの間まで家族仲良く普通に暮らしていたのに
ご主人も 子供たちもそれはそれは辛いだろう
でも 一番無念なのは Yちゃんじゃないのかな


ご主人に見送られ 病院を後にした私たちは ふぅ とため息をついた

私たちの仲間で一番お姉さんで一番明るくて
一番ハチャメチャだった先輩が


「Yちゃんが 私たちを引き会わせてくれたんだね」


明日がどうなるかなんて 誰もわからない
それはみんな一緒 お金持ちだって お金がなくたって
若くったって 若くなくたって みんな平等
お見舞いだからって 神妙な顔をすることはないんだ
そんなこと Yちゃんだって望んでいない
今こうして生きている意味を 今日 あなたから教わった気がするよ
懐かしい友人に会って 懐かしい話をして
大きな声で笑った 楽しいひと時だった


「また必ず会おうよ ね」


そういって 笑顔で別れた
嬉しさと悲しさが交差した 暮れの一日