■メイン写真
ホオジロ広場から、琵琶湖の対岸に比良山系の蛇谷ヶ峰を望む
■今回のコース
堀切漁港⇒(沖島通船)⇒沖島港→お花見広場→見景山(ケンケン山)→ホオジロ広場→
見晴らし広場→蓬莱山尾山三角点→杉谷浜登山口→弁財天(厳嶋神社)→沖津嶋神社→
沖島港⇒(沖島通船)⇒堀切漁港
琵琶湖に浮かぶ沖島は、「湖」の島としては全国唯一の有人島。人口は約300人。
なんと、この人口で、琵琶湖全体の漁業水揚げ量の半分を担っている。
いつもお世話になっている雑誌「岳人」の編集者が、昨年「しま山100選」という
ガイド本を担当したが、そこに沖島の掲載があった。
日帰りでも余裕で行けそうで興味がわいたので、行ってみた。
堀切漁港の手前で、島外者用の駐車場に誘導される。
堀切漁港の駐車スペースは、すべて島の関係者のもので、ここに観光客が駐車するように
なってから、しばらく島の人たちは困っていたらしい。
なぜ観光客が押しかけたのか?
じつは、動物写真家の岩合光昭氏が、「島の猫」という写真集で沖島に棲むネコを
撮影し、それがヒジョーにかわいらしかったため、全国の猫ファンの聖地巡礼の
対象となったのだ。
実際には、沖島は決して猫だらけの島というわけではないが、ネット上で、さも猫が
いっぱいいる楽園であるかのように書かれ、一時、ブームになってしまったらしい。
堀切漁港。1日12便の沖島通船が停泊している。
港からは沖島と、琵琶湖の対岸に、比良山系の蓬莱山が見えていた。
港の電柱の上に、アオサギが琵琶湖の方角をじっと眺めていた。
なんだか旅情が高まってくるなぁ。
片道500円の沖島通船に乗り、15分ほどで沖島港に到着する。
たった15分なのに、遠くに旅しているみたいだ。
沖島港から、コミュニティセンターに向けて歩いていくと、「ケンケン山」への標識が
見える。おそらくは地元の小学生が作ったと思われる素朴な標識だ。
まず墓地の横を抜ける。港が見下ろせる。
山に入ると積雪があった。こんな小さな島にも、動物がいるらしい。
植林地となっている棚田の跡を過ぎ、ほどなく雑木林の尾根に出る。
すぐに展望が開けた。「お花見広場」に着いたのだ。桜の木が数本ある。
ここが、便宜上、ケンケン山とされているが、厳密には先に少し標高が高い
場所が見える。
「お花見広場」からは、北に比良山系の眺めが広がる。
蓬莱山あたりから、北端の蛇谷ヶ峰あたりまで山脈が一望できる。
南に近江八幡の伊崎山や笠鉾山方面が見える。おー、絶景絶景。
最初のピーク、見景山(ケンケン山)の最高点へは150mほどだが、登山道は
ついていないようで、無理やり行ってみた。山名表示もないピークだった。
東へ続く尾根道に戻り、先へ。
シダの一種、ヒトツバ(だと思うが)が岩に密生している。
ザクザクの雪を踏み抜きながら、ふたたび、好展望のスポットに出る。
「ホオジロ広場」だ。休憩ベンチが並んでいる。
尾根道をさらに進む。たまに、昨秋の台風で倒れたと思われる倒木があったが
通りやすいよう、少しばかり整理しておいた。
「見晴らし広場」で、3度目の絶景を楽しむ。
少しずつ、眺めが変わっていくのが面白い。
「見晴らし広場」から東側は、正式な登山道はない。
しかし、少し標高が高いところがあるはず。ブッシュがあるが、積雪があるのを
いいことに、少し突っ込んでみた。
で、150mほど進んだところに、「蓬莱山尾山」の私製標識を見つけた。
しかし、ここもまだ最高点ではない。
雪が膝下くらいにまで深くなり歩きにくいが、もう少し先の、できるだけ標高が
高いところをめざす。地形はかなり平坦なので、最高点がわかりにくい。
うろうろ歩き回って、このあたりが一番高いと同定したが、山名表示などは
見当たらなかった。
「見晴らし広場」に戻り、南へ分岐する道に入る。
10mもしないところに220.2m三角点がある。
ここにも、「蓬莱山尾山」の標識がかかっていた。
まあ、三角点峰ということでよかろう。
非常に滑りやすくなった雪に細心の注意を払いながら下る。
トラロープが何ヶ所か張ってあった。
なんだかんだ言っても小さい島、すぐに湖岸(杉谷浜)に下り立った。
そのまま漁港に戻るのもアレなので、湖岸を東に5分ほど歩き、
弁財天を祀る厳嶋神社に寄ってみた。
井伊家の守護の夢枕に、沖島の笹岩に移りたいとの神様のお告げがあり
築かれたという。
鳥居は湖の中にある。琵琶湖でこういうパターンは白髭神社でおなじみだ。
社殿は急な階段を登ったところにあり、すぐ裏手に10m近い大岩がある。
これが笹岩なのだろうか。
湖岸の生活道を西へ。
道幅は2mもない。この島には自動車はなく、島民は自転車で移動する。
自転車も、大多数が三輪自転車だ。
沖島小学校の脇からも、ケンケン山への登山道がある。
この道は、「ホオジロ広場」へ続いている。
午後になってから風が強くなってきた。湖面に白波が立つほど。
そこをオオバンの群れがゆらゆら浮かんでいた。
船の時間まで少し余裕があったので、島の西側にある沖津嶋神社に寄ってみた。
元明天皇の和同5年(712年)に創祀された古い神社。
保元・平治の乱で平家勢に押された源氏一派が北陸に逃げる途中、
沖島で難破し、そのまま島に住むようになり、当神社の中心的な氏子に
なったという。
沖津嶋神社からも、島の中心部が見下ろせる。
なお、社殿よりさらに上には、山神神社があり、奥のピークを頭山と呼ぶ。
奥島港に戻ったら、ネコちゃんが出迎えてくれた。
短い旅、標高も低い山であったが、それを忘れてしまうほどの旅情と
絶景にあふれた島だった。
※初心者から楽しめる遊山トレッキングサービスの登山教室は、「ここをクリック」!!
ホオジロ広場から、琵琶湖の対岸に比良山系の蛇谷ヶ峰を望む
■今回のコース
堀切漁港⇒(沖島通船)⇒沖島港→お花見広場→見景山(ケンケン山)→ホオジロ広場→
見晴らし広場→蓬莱山尾山三角点→杉谷浜登山口→弁財天(厳嶋神社)→沖津嶋神社→
沖島港⇒(沖島通船)⇒堀切漁港
琵琶湖に浮かぶ沖島は、「湖」の島としては全国唯一の有人島。人口は約300人。
なんと、この人口で、琵琶湖全体の漁業水揚げ量の半分を担っている。
いつもお世話になっている雑誌「岳人」の編集者が、昨年「しま山100選」という
ガイド本を担当したが、そこに沖島の掲載があった。
日帰りでも余裕で行けそうで興味がわいたので、行ってみた。
堀切漁港の手前で、島外者用の駐車場に誘導される。
堀切漁港の駐車スペースは、すべて島の関係者のもので、ここに観光客が駐車するように
なってから、しばらく島の人たちは困っていたらしい。
なぜ観光客が押しかけたのか?
じつは、動物写真家の岩合光昭氏が、「島の猫」という写真集で沖島に棲むネコを
撮影し、それがヒジョーにかわいらしかったため、全国の猫ファンの聖地巡礼の
対象となったのだ。
実際には、沖島は決して猫だらけの島というわけではないが、ネット上で、さも猫が
いっぱいいる楽園であるかのように書かれ、一時、ブームになってしまったらしい。
堀切漁港。1日12便の沖島通船が停泊している。
港からは沖島と、琵琶湖の対岸に、比良山系の蓬莱山が見えていた。
港の電柱の上に、アオサギが琵琶湖の方角をじっと眺めていた。
なんだか旅情が高まってくるなぁ。
片道500円の沖島通船に乗り、15分ほどで沖島港に到着する。
たった15分なのに、遠くに旅しているみたいだ。
沖島港から、コミュニティセンターに向けて歩いていくと、「ケンケン山」への標識が
見える。おそらくは地元の小学生が作ったと思われる素朴な標識だ。
まず墓地の横を抜ける。港が見下ろせる。
山に入ると積雪があった。こんな小さな島にも、動物がいるらしい。
植林地となっている棚田の跡を過ぎ、ほどなく雑木林の尾根に出る。
すぐに展望が開けた。「お花見広場」に着いたのだ。桜の木が数本ある。
ここが、便宜上、ケンケン山とされているが、厳密には先に少し標高が高い
場所が見える。
「お花見広場」からは、北に比良山系の眺めが広がる。
蓬莱山あたりから、北端の蛇谷ヶ峰あたりまで山脈が一望できる。
南に近江八幡の伊崎山や笠鉾山方面が見える。おー、絶景絶景。
最初のピーク、見景山(ケンケン山)の最高点へは150mほどだが、登山道は
ついていないようで、無理やり行ってみた。山名表示もないピークだった。
東へ続く尾根道に戻り、先へ。
シダの一種、ヒトツバ(だと思うが)が岩に密生している。
ザクザクの雪を踏み抜きながら、ふたたび、好展望のスポットに出る。
「ホオジロ広場」だ。休憩ベンチが並んでいる。
尾根道をさらに進む。たまに、昨秋の台風で倒れたと思われる倒木があったが
通りやすいよう、少しばかり整理しておいた。
「見晴らし広場」で、3度目の絶景を楽しむ。
少しずつ、眺めが変わっていくのが面白い。
「見晴らし広場」から東側は、正式な登山道はない。
しかし、少し標高が高いところがあるはず。ブッシュがあるが、積雪があるのを
いいことに、少し突っ込んでみた。
で、150mほど進んだところに、「蓬莱山尾山」の私製標識を見つけた。
しかし、ここもまだ最高点ではない。
雪が膝下くらいにまで深くなり歩きにくいが、もう少し先の、できるだけ標高が
高いところをめざす。地形はかなり平坦なので、最高点がわかりにくい。
うろうろ歩き回って、このあたりが一番高いと同定したが、山名表示などは
見当たらなかった。
「見晴らし広場」に戻り、南へ分岐する道に入る。
10mもしないところに220.2m三角点がある。
ここにも、「蓬莱山尾山」の標識がかかっていた。
まあ、三角点峰ということでよかろう。
非常に滑りやすくなった雪に細心の注意を払いながら下る。
トラロープが何ヶ所か張ってあった。
なんだかんだ言っても小さい島、すぐに湖岸(杉谷浜)に下り立った。
そのまま漁港に戻るのもアレなので、湖岸を東に5分ほど歩き、
弁財天を祀る厳嶋神社に寄ってみた。
井伊家の守護の夢枕に、沖島の笹岩に移りたいとの神様のお告げがあり
築かれたという。
鳥居は湖の中にある。琵琶湖でこういうパターンは白髭神社でおなじみだ。
社殿は急な階段を登ったところにあり、すぐ裏手に10m近い大岩がある。
これが笹岩なのだろうか。
湖岸の生活道を西へ。
道幅は2mもない。この島には自動車はなく、島民は自転車で移動する。
自転車も、大多数が三輪自転車だ。
沖島小学校の脇からも、ケンケン山への登山道がある。
この道は、「ホオジロ広場」へ続いている。
午後になってから風が強くなってきた。湖面に白波が立つほど。
そこをオオバンの群れがゆらゆら浮かんでいた。
船の時間まで少し余裕があったので、島の西側にある沖津嶋神社に寄ってみた。
元明天皇の和同5年(712年)に創祀された古い神社。
保元・平治の乱で平家勢に押された源氏一派が北陸に逃げる途中、
沖島で難破し、そのまま島に住むようになり、当神社の中心的な氏子に
なったという。
沖津嶋神社からも、島の中心部が見下ろせる。
なお、社殿よりさらに上には、山神神社があり、奥のピークを頭山と呼ぶ。
奥島港に戻ったら、ネコちゃんが出迎えてくれた。
短い旅、標高も低い山であったが、それを忘れてしまうほどの旅情と
絶景にあふれた島だった。
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