道標皆無の原生林と聞けば、探検心がうずく。K島大先輩のガイド本で初めて紹介された、キノコ股谷から、(台高)山ノ神の頭を目指した。
三之公林道を奥まで入る。途中、立派な公衆トイレができていて驚いた。終点で駐車。今日は重たい雲が空を覆っているので避けたのだろうか、他に登山者はいない。途中までは馬ノ鞍峰へのアプローチと同じ。すぐに右への分岐がある。どうやら山主が立てたらしい立入禁止の看板。キノコ荒らしでも入るのだろうか。
テープに導かれ、沢沿いの踏み跡をたどる。落ち葉が深く積もっていて、足に柔らかさが伝わる。沢の淵や釜にも落ち葉が溜まり、時折、水面なのか地面なのか分からなくなる。落ちないよう用心、用心。
落葉広葉樹の、それも大木が多い。明るく開けた渓相もGOOD。歩くほどにすがすがしい気持ちになれる。丸太を数本束ねた小橋も新しく、結構、手入れが行き届いている。若干の渡渉はあるが、基本的に沢の左岸をとる。やがて大きな岩にかかる木橋を渡ると、ほどなく大障子滝だ。一条の流れと、手前の黄葉した一本の木が
美しい。右岸の支谷からフィックスロープを伝い、高巻きする。巻き終えると、植生保護のネットの向こうに、倒れた巨木をそのままうまく利用した丸木橋がある。ステップが刻まれていて、なんだかフィールドアスレチックに来たみたいで心がはしゃぐ。
K島さんのガイドによると、ヒクタワ谷の分岐からが、ややこしそうだったが、案の定、稜線への取付き点が分からない。少し沢筋を行き過ぎたようで、テープも見当たらないようになった。あまり行き過ぎると、キノコ股谷は、どんどん左にそれていってしまう。地形図をにらみながら、南側の稜線を見上げる。
ここしかない!野生のカンが呼んでいるポイントで、パーティを停め、稜線への直登を選ぶ。幸い、ブッシュはなく、巨木がまばらに生えた見晴らしの利く緩斜面だ。雪まじりの雨が降り出す。風も強いので、慌てて雨具を着込む。稜線鞍部のちょっと先を目指していたつもりが、広い尾根を左に逃げていったこともあって、ほとんど山頂直下に出そうだ。振り向いて、馬ノ鞍峰の尖峰と台高山脈の稜線が見えたので、それは確信に変わる。メンバーに、山頂直下にいきなり出ることを
宣言する。
登ること小一時間、稜線に飛び出し、最後の登りを10分こなしたら、あっけなく山頂に到達した。H山さんは、「道なき道」を経験するのは初めてだ。O坂さんも興奮ぎみで喜びの登頂となった。冬枯れの山頂からは、辛うじて周囲の山々が望めた。強風に、いつしか雪雲が吹き飛ばされ、青空がのぞいていた。
下山は、西尾根を忠実に下る。途中、樹木越しに馬ノ鞍峰を眺めたり、N字型に変形したヒメシャラを見たり、シャクナゲ群落を通りながら下る。時折、急な傾斜もあるが、そんなに難しい箇所はない。思った以上に早く林道終点に戻れた。
帰路は山鳩の湯で冷えた身体を温め、上機嫌で家路についた。
三之公林道を奥まで入る。途中、立派な公衆トイレができていて驚いた。終点で駐車。今日は重たい雲が空を覆っているので避けたのだろうか、他に登山者はいない。途中までは馬ノ鞍峰へのアプローチと同じ。すぐに右への分岐がある。どうやら山主が立てたらしい立入禁止の看板。キノコ荒らしでも入るのだろうか。
テープに導かれ、沢沿いの踏み跡をたどる。落ち葉が深く積もっていて、足に柔らかさが伝わる。沢の淵や釜にも落ち葉が溜まり、時折、水面なのか地面なのか分からなくなる。落ちないよう用心、用心。
落葉広葉樹の、それも大木が多い。明るく開けた渓相もGOOD。歩くほどにすがすがしい気持ちになれる。丸太を数本束ねた小橋も新しく、結構、手入れが行き届いている。若干の渡渉はあるが、基本的に沢の左岸をとる。やがて大きな岩にかかる木橋を渡ると、ほどなく大障子滝だ。一条の流れと、手前の黄葉した一本の木が
美しい。右岸の支谷からフィックスロープを伝い、高巻きする。巻き終えると、植生保護のネットの向こうに、倒れた巨木をそのままうまく利用した丸木橋がある。ステップが刻まれていて、なんだかフィールドアスレチックに来たみたいで心がはしゃぐ。
K島さんのガイドによると、ヒクタワ谷の分岐からが、ややこしそうだったが、案の定、稜線への取付き点が分からない。少し沢筋を行き過ぎたようで、テープも見当たらないようになった。あまり行き過ぎると、キノコ股谷は、どんどん左にそれていってしまう。地形図をにらみながら、南側の稜線を見上げる。
ここしかない!野生のカンが呼んでいるポイントで、パーティを停め、稜線への直登を選ぶ。幸い、ブッシュはなく、巨木がまばらに生えた見晴らしの利く緩斜面だ。雪まじりの雨が降り出す。風も強いので、慌てて雨具を着込む。稜線鞍部のちょっと先を目指していたつもりが、広い尾根を左に逃げていったこともあって、ほとんど山頂直下に出そうだ。振り向いて、馬ノ鞍峰の尖峰と台高山脈の稜線が見えたので、それは確信に変わる。メンバーに、山頂直下にいきなり出ることを
宣言する。
登ること小一時間、稜線に飛び出し、最後の登りを10分こなしたら、あっけなく山頂に到達した。H山さんは、「道なき道」を経験するのは初めてだ。O坂さんも興奮ぎみで喜びの登頂となった。冬枯れの山頂からは、辛うじて周囲の山々が望めた。強風に、いつしか雪雲が吹き飛ばされ、青空がのぞいていた。
下山は、西尾根を忠実に下る。途中、樹木越しに馬ノ鞍峰を眺めたり、N字型に変形したヒメシャラを見たり、シャクナゲ群落を通りながら下る。時折、急な傾斜もあるが、そんなに難しい箇所はない。思った以上に早く林道終点に戻れた。
帰路は山鳩の湯で冷えた身体を温め、上機嫌で家路についた。