■メイン写真
行動(ぎょうどう)ノ滝の見晴らし台。青蓮寺湖と名張方面のすばらしい眺めが楽しめる
■今回のコース
落合バス停→小笹峠→出合茶屋→登山口→628.1m三角点→天摩嶺頂上・大のぞき岩→
大のぞき→のぞき岩→行動の滝展望台→行動の滝(一ノ滝)→二ノ滝→奥山林道出合→
B29墜落碑→敦盛地蔵→神主坂地蔵→百合が丘バス停
※下見時の模様は、「ここをクリック」!!
昨秋に踏査して、これはぜひ、多くの人に知って頂きたいと思って企画した、
今回の曽爾古道ハイキング。昔をしのぶ古道歩きだけでなく、曽爾特有の
安山岩板状節理のナメ沢の渡渉、絶壁の上からの景色、幻の大滝・行動の滝など、
意外な魅力が詰まったコースなのである。
曽爾古道は、香落渓(かおちだに)添いの車道が開通する大正8年より昔、名張と曽爾を
結んでいた生活道だった。以来100年。忘れられたルートを数年前に地元の有志の方々が
再発見、整備されたものだ。
名張駅から三重交通バスに乗り、落合で下車。9時台のバスがあれば理想なのだが。
落合バス停の前からも、香落渓の奇景はじゅうぶんに美しい。
この階段から、出合茶屋へ抜ける峠道に入る。
かつては赤目四十八滝から抜けてくる観光客でにぎわったこの道。
遊歩道の痕跡がそこかしこに残る。
旧展望台。
茶屋跡か、古いトタン小屋とトイレの残骸がある。
その向かい側には、朽ちた作業ロープウェイがある。
コケが美しい。もふもふした感触がうれしい。
植林とミヤコザサの中、小笹峠を越えると舗装林道に変わる。
滝川沿いの林道に合流すると、北へ少しで赤目四十八滝への分岐でも
ある出合茶屋に着く。営業はしていない。かつてはバス停もあった場所だ。
さらに林道を北上し、ヘアピンカーブを出て、今井林道の竣工碑の20mほど先、
右手のコンクリート階段から、いよいよ曽爾古道の「忘れられた部分」に入る。
階段を上っていきなり、どこが山道なのか判然としない。
ここは、みっちり下見した者だけが迷わずに行けるところだ。
うまく踏み跡を見出せられれば、ハイキングコースの標識に出会える。
その先も、最近スギを伐採してしまったようで、枝葉で道がふさがって
しまっている箇所があった。ルートファインディングがより困難になったといえる。
古道そのものは、かつて生活道だったため、無駄なアップダウンは極力排し、
道幅も荷車が通れる幅が今も残っている部分もある。
しかし、ほんのチョット寄り道すれば絶景が望めるポイントが何ヶ所もある。
最初の「天摩嶺頂上・大のぞき岩 見晴らし台」は、香落渓の名物・柱状節理の大岩壁、天摩嶺の
てっぺんに出る。
屏風岩の真向かい、標高差250mほどの岩壁から、足元に河鹿橋が見下ろせる。
向かいの岩には、クライマーが登攀中だった。
二つ目の寄り道絶景ポイントは、「大のぞき」だ。
こうやって中腰になると、、、
山並みの向こうに、おそらくは倶留尊山と二本ボソが顔を覗かせる。
3か所目は「のぞき岩」だ。
ちょうど全員が乗れる程度の広さの露岩からは、青蓮寺湖の末端部ともいえるあたりの
流れが覗く。
足がすくむような岩の上で、記念写真。落ちないでネ~。
古道に戻る。
一昨日まで3日間、雨が続いていたので、こんなぬかるみもできていた。
行動川を渡渉。板状節理の川底は、まるでクルマが走れそうなナメ。
最後の寄り道スポットは、さっき渡った行動川の少し下流を、もう一度渡り返す。
こちらのほうが少し増水の影響がシビアで、なんとか靴の中に水が入らないように
渡り切る。
幅4~5mほどの沢は、春の日差しを反射してキラキラきらめいていた。
まずは行動の滝を対面から見に行く。このルートは、微妙なトラバースや
急傾斜のヤセ尾根を通過するので、なかなか危険なのである。
行動の滝の一番下の滝が、樹々の向こうに垣間見える。
この滝は、3段あるうちの三の滝とする向きもある。
さっき渡渉した沢の流れが、一気に落下しており、なかなか全容が見えない幻の滝だ。
続いて、尾根を戻り、「行動の滝、見晴らし台コース」に行ってみる。
最後の寄り道となる。
行動の滝の一の滝。一番上流側が「一の滝」だ。美しい釜を備えた6~7mの優美な滝。
プライベートビーチならぬプライベート滝として、夏場に行水に来たい感じだ。
先を下ると、狭い岩峰の先端に出る。
ちなみに、このあたりは、名張市で唯一、ヒカゲツツジがみられる場所だという。
岩峰からは、青蓮寺湖方面の絶景が見られる。
崖下に、今シーズン初のミツバツツジが咲いていた。
ほんの少し下ると、急なゴルジュ状の斜瀑帯(二の滝)。
さっき対岸から見た三の滝の落ち口も、覗き込めば、かろうじて見られる。
古道に戻ると、すぐに奥山林道に出合う。失われた「古道」のエリアが終わる。
B29の墜落碑を通る。1945年6月5日、神戸を空襲したB29がここに墜落。
米兵2名は墜落時に死亡、残る9名は捕らえられ処刑された。
その後、ふもとの青蓮寺が、手厚く供養されているとのことだ。
この碑は、終戦60年にあたる2005年に建立された。
平家伝説が残る敦盛地蔵の脇を過ぎる。
一度、のどかな集落に出るが、すぐ青蓮寺の東側の樹林帯に入ると、
神主坂地蔵が待っていてくれた。
百合が丘のバス停が、この日のゴール。
失われた古道にノスタルジーを感じるか、岩壁のスリルを楽しむか、
特徴的なナメ沢の渡渉に秘境の探検ムードを感じるか。
この日のルートは、1つも山頂を通らないのに、人それぞれ、印象的なスポットが
あるに違いない。
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行動(ぎょうどう)ノ滝の見晴らし台。青蓮寺湖と名張方面のすばらしい眺めが楽しめる
■今回のコース
落合バス停→小笹峠→出合茶屋→登山口→628.1m三角点→天摩嶺頂上・大のぞき岩→
大のぞき→のぞき岩→行動の滝展望台→行動の滝(一ノ滝)→二ノ滝→奥山林道出合→
B29墜落碑→敦盛地蔵→神主坂地蔵→百合が丘バス停
※下見時の模様は、「ここをクリック」!!
昨秋に踏査して、これはぜひ、多くの人に知って頂きたいと思って企画した、
今回の曽爾古道ハイキング。昔をしのぶ古道歩きだけでなく、曽爾特有の
安山岩板状節理のナメ沢の渡渉、絶壁の上からの景色、幻の大滝・行動の滝など、
意外な魅力が詰まったコースなのである。
曽爾古道は、香落渓(かおちだに)添いの車道が開通する大正8年より昔、名張と曽爾を
結んでいた生活道だった。以来100年。忘れられたルートを数年前に地元の有志の方々が
再発見、整備されたものだ。
名張駅から三重交通バスに乗り、落合で下車。9時台のバスがあれば理想なのだが。
落合バス停の前からも、香落渓の奇景はじゅうぶんに美しい。
この階段から、出合茶屋へ抜ける峠道に入る。
かつては赤目四十八滝から抜けてくる観光客でにぎわったこの道。
遊歩道の痕跡がそこかしこに残る。
旧展望台。
茶屋跡か、古いトタン小屋とトイレの残骸がある。
その向かい側には、朽ちた作業ロープウェイがある。
コケが美しい。もふもふした感触がうれしい。
植林とミヤコザサの中、小笹峠を越えると舗装林道に変わる。
滝川沿いの林道に合流すると、北へ少しで赤目四十八滝への分岐でも
ある出合茶屋に着く。営業はしていない。かつてはバス停もあった場所だ。
さらに林道を北上し、ヘアピンカーブを出て、今井林道の竣工碑の20mほど先、
右手のコンクリート階段から、いよいよ曽爾古道の「忘れられた部分」に入る。
階段を上っていきなり、どこが山道なのか判然としない。
ここは、みっちり下見した者だけが迷わずに行けるところだ。
うまく踏み跡を見出せられれば、ハイキングコースの標識に出会える。
その先も、最近スギを伐採してしまったようで、枝葉で道がふさがって
しまっている箇所があった。ルートファインディングがより困難になったといえる。
古道そのものは、かつて生活道だったため、無駄なアップダウンは極力排し、
道幅も荷車が通れる幅が今も残っている部分もある。
しかし、ほんのチョット寄り道すれば絶景が望めるポイントが何ヶ所もある。
最初の「天摩嶺頂上・大のぞき岩 見晴らし台」は、香落渓の名物・柱状節理の大岩壁、天摩嶺の
てっぺんに出る。
屏風岩の真向かい、標高差250mほどの岩壁から、足元に河鹿橋が見下ろせる。
向かいの岩には、クライマーが登攀中だった。
二つ目の寄り道絶景ポイントは、「大のぞき」だ。
こうやって中腰になると、、、
山並みの向こうに、おそらくは倶留尊山と二本ボソが顔を覗かせる。
3か所目は「のぞき岩」だ。
ちょうど全員が乗れる程度の広さの露岩からは、青蓮寺湖の末端部ともいえるあたりの
流れが覗く。
足がすくむような岩の上で、記念写真。落ちないでネ~。
古道に戻る。
一昨日まで3日間、雨が続いていたので、こんなぬかるみもできていた。
行動川を渡渉。板状節理の川底は、まるでクルマが走れそうなナメ。
最後の寄り道スポットは、さっき渡った行動川の少し下流を、もう一度渡り返す。
こちらのほうが少し増水の影響がシビアで、なんとか靴の中に水が入らないように
渡り切る。
幅4~5mほどの沢は、春の日差しを反射してキラキラきらめいていた。
まずは行動の滝を対面から見に行く。このルートは、微妙なトラバースや
急傾斜のヤセ尾根を通過するので、なかなか危険なのである。
行動の滝の一番下の滝が、樹々の向こうに垣間見える。
この滝は、3段あるうちの三の滝とする向きもある。
さっき渡渉した沢の流れが、一気に落下しており、なかなか全容が見えない幻の滝だ。
続いて、尾根を戻り、「行動の滝、見晴らし台コース」に行ってみる。
最後の寄り道となる。
行動の滝の一の滝。一番上流側が「一の滝」だ。美しい釜を備えた6~7mの優美な滝。
プライベートビーチならぬプライベート滝として、夏場に行水に来たい感じだ。
先を下ると、狭い岩峰の先端に出る。
ちなみに、このあたりは、名張市で唯一、ヒカゲツツジがみられる場所だという。
岩峰からは、青蓮寺湖方面の絶景が見られる。
崖下に、今シーズン初のミツバツツジが咲いていた。
ほんの少し下ると、急なゴルジュ状の斜瀑帯(二の滝)。
さっき対岸から見た三の滝の落ち口も、覗き込めば、かろうじて見られる。
古道に戻ると、すぐに奥山林道に出合う。失われた「古道」のエリアが終わる。
B29の墜落碑を通る。1945年6月5日、神戸を空襲したB29がここに墜落。
米兵2名は墜落時に死亡、残る9名は捕らえられ処刑された。
その後、ふもとの青蓮寺が、手厚く供養されているとのことだ。
この碑は、終戦60年にあたる2005年に建立された。
平家伝説が残る敦盛地蔵の脇を過ぎる。
一度、のどかな集落に出るが、すぐ青蓮寺の東側の樹林帯に入ると、
神主坂地蔵が待っていてくれた。
百合が丘のバス停が、この日のゴール。
失われた古道にノスタルジーを感じるか、岩壁のスリルを楽しむか、
特徴的なナメ沢の渡渉に秘境の探検ムードを感じるか。
この日のルートは、1つも山頂を通らないのに、人それぞれ、印象的なスポットが
あるに違いない。
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