■メイン写真
深谷ルートは中盤の大崩壊後、長い長い固定ロープの難所となっている。
■今回のコース
比良駅→林道終点→深谷小屋跡→南比良峠→荒川峠→烏谷山→葛川越→比良岳→木戸峠→
ロープウェイ山頂駅⇒(びわ湖バレイロープウェイ)⇒山麓駅⇒(江若バス)⇒志賀駅
京阪神からの日帰り圏内で、標高差1,000mを歩け、しかも公共交通機関を利用できる
ルートはあまり多くない。比良山系にはそんな貴重なルートがいくつかある。
今回、中でもルート中の「無理やりな」急登箇所に固定ロープが連続して張られた
難所の深谷を歩いてきた。
もう9月末だし、比良山系でも琵琶湖側だから、ヒルは少ないだろうとタカをくくって
いたら、まだまだ各所で出没して困った。
湖西線の比良駅から、国道161号線の南比良交差点に出て、志賀バイパスのガードを
くぐる。
荒れた細い舗装林道は、ゆるやかな登りが続き、標高350mあたりで舗装が途切れる。
かつて存在した堂満小屋は、跡形もない。
赤テープに導かれ、はじめの3つの堰堤は右から越える。
左に大きな崩壊跡がある。この前後に数回、簡単な渡渉がある。
メンバーのズボンにヤマビルが見つかり、沢筋が広くなった砂洲のようなところで
全員ヒルチェック。靴紐の隙間などから数匹、Mr.Dashのズボンにも2匹張りついて
いた。すべてその場で、ディート成分入りのスプレーや消毒用アルコールなどで
しっかり始末した。
ヒルは気持ち悪いのは分かるが、見つけたら、その場で増えないように確実に
始末していくことが大事だ。
やがて左手に、倒壊した小屋をみる。京都府立医大の小屋だった?
ここでメインの谷筋を離れ、小屋の左から強引に斜面を登っていく。
かつては、ここから先もしばらく谷筋を進んだのだが、大規模崩壊でどうしようもない
状態になっているためである。
現在の深谷ルートのクライマックス、長い長い固定ロープにさしかかる。
ロープを両手でゴボウにして登るしかない箇所が続き、ちょっと緊張させられる。
足元が風化花崗岩なので滑りやすくて困る。
急坂に、いかにも強引にルートをつけたといった印象だ。
右に大規模崩壊の様子がうかがえる。古い登山道もろとも、なくなった。
固定ロープにすがりながら登っていると、途中2か所で巨大なアシウスギがある。
標高660mあたりで、少し平坦になった場所が出てくるので、ようやく休める。
固定ロープはこの先、短いものが2~3か所出てくるだけで、核心部は過ぎた。
標高700mあたりで、崩壊以前からある旧道に合流し、ほっとする。
標高750mあたりで、琵琶湖岸が少し見える。
ブナなどの落葉広葉樹の森に変わる。
周りが霧に包まれる中、美しい樹林帯の中をジグザグに登っていく。
南比良峠に出る。ここでランチ。
ふたたびヒルチェック。一人の首筋にヒル発見。"甘噛み"で済んでよかった。
南比良峠を発ってほどなく、雨が降ってきた。
天気予報に出てなかったが、仕方ない。カッパを着て、荒川峠を通過。
烏谷山に到着。琵琶湖の眺めがいいところだが、残念ながら真っ白。
葛川越を順調に通過。
大きな岩を回り込む。晴れていて、時間があったら裏を回り込んで登りたいところ。
広い台地状になっている比良岳の山頂に到着。
ここも、晴れていて時間があれば、のどかな樹林の中、憩うのによいところだが。
ともちゃんの脚にヒルがついていたようで、こちらはじっくりやられた。
大きなウロが空いたブナ。
半分、うずもれたお地蔵さん。
木戸峠の手前で、またもお客さんのズボンにヒル発見。
木戸峠に到着。4体石仏にご挨拶して、最後の登りへと気合を入れる。
ロープウェイの駅がある打見山までは、ゲレンデを登るしかない。
これがなかなか、いつも気分的につらいのである。
ロープウェイの終発は17:00。1時間余り、余裕をもって到着することができた。
雨は最後まで降っていたが、ロープウェイで山麓駅に下りたら、やっぱり雨は
降っていなかった。
カッパは着ていたが、雨と汗とで、沢登りでもしたかのようにびしょ濡れ。
志賀駅で解散し、駅前に駐車していたマイカーで着替えたら、急に睡魔に襲われた。
近くのコンビニで揚げ物とホットコーヒーをゲットして、元気を取り戻したのだった。
帰宅して、右足が痒いので確認したら、靴下の上からヒルに甘噛みされていた。