2019年6月13日(木) [六甲]古寺山からシュラインロード、修験の痕跡を歩いて希少な花に会う！

■メイン写真
道中で見かけたレッドデータ「絶滅危惧Ⅱ」指定のカキノハグサ


■今回のコース
神鉄六甲駅→古寺山→本堂跡→石塔→石鳥居→九体仏→行者堂→ノースロード分岐→
記念碑台→六甲ケーブル山上駅→油コブシ→六甲ケーブル下駅バス停

※前回の記録は、「ここをクリック」！！


洗練され、華やかで、先進的なイメージがある六甲山系で、ひっそりと修験の名残を
とどめるエリアがある。それが古寺山からシュラインロードだ。
明治時代にこの道を歩いたお雇い外国人たちも、立ち並ぶ石仏群を見て、神秘的な
イメージを強く持ったことだろう。



神鉄六甲駅から住宅街を通っていく。山の中よりルートが難しい。
道すがら、テイカカズラが咲いていた。



小さな溜池のところで、右の細道に入る。



六甲有料道路はクルマがハイスピードでビュンビュン過ぎるので、横断には細心の注意が必要。
以前は道路の下をくぐる道が通れたのだが、今は通行止めになっている。



大きな堰堤を右から巻く。ルートは荒れている。



薄暗い谷道を登っていく。炭焼き窯の跡があるなど、昔はしっかり歩かれていたようだ。



古寺山への道標は、塩ビパイプを切って、上手に文字が彫刻されたお手製。
手がかかっているなぁ。



初夏の花の代表選手といえば、コアジサイ。脇を通るだけで甘い香りが。



ナガイモか、ヤマノイモか。



ガクウツギ。



そうこうしているうちに、古寺山の山頂に到着。
山頂は展望には恵まれないが、「清盛の涼み岩」と「修行岩」。



山頂から20ｍほど東にそれると、大池方面の展望が広がる。



山頂のすぐ南に突如現れる平坦地。
かつて多聞寺の本堂が建っており、源平合戦で焼かれたという。
建物の痕跡などは、ぱっと見たところ全然ない。



石塔跡にも寄り道してみた。いずれ忘れ去られそうな雰囲気。



アリドオシが咲く。



シュラインロードの名の由来となった石鳥居をくぐると、ドライブウェイに出る。



ドライブウェイを100ｍほど東に寄り道すると、九体仏がある。
シュラインロードには、西国三十三所を模した合計33体の観音仏と、番外4か所の石仏が
点在する。これらの石仏は、1825年(文政8年)に夜盗防止、事故者供養、商売繁盛などを
願って設置された。
九体仏は、その1番～8番と、番外1体の計9体が横に並んでいる。
トンネルやドライブウェイの工事で"集団移転"され、ここに並べられたらしい。



シュラインロードに入ると、等間隔ではなく、しかも少し奥まったところに
立っていたりするので、うっかりすると見過ごしてしまう仏さまもある。



このあたり、美しい樹林帯が続く。この日は高温の天気予報だったが、山中は
涼しい風がそよいでおり、じつに爽やかだった。



コアジサイの群生に癒される。



行者堂に到着。役行者、不動明王、前鬼・後鬼が石の祠に収まっている。



ノースロード沿いにはエゴノキが満開だった。



短い区間だが、直射日光がガンガン当たる車道を歩いて記念碑台に到着。
六甲山開発の祖・アーサー・ヘスケス・グルームの記念碑が建つ展望台だ。



バス道を歩き、六甲ケーブル山上駅を通りがかる。
この駅舎は昭和7年の開業当時の姿をとどめ、アールデコ様式の装飾などの洒落た造り。
「近畿の駅100選」「近代化産業遺産」にも認定されている。



2004年に廃止された六甲ロープウェイの表六甲線の鉄塔が今も残る。
このあたりから、油コブシへ下るルートに入る。道はきわめて明瞭で歩きやすい。



油コブシのピークには岩が散乱している。
珍しい山名だが、油売りの行商人が、ここの急坂で油をこぼしてしまったからとも
言われる。ほんまかいな。



だいぶ下りてきた。市街地が近く見える。



無事、六甲ケーブル下駅バス停に着いたが、道路が不自然に渋滞していた。
坂の下で、いかにも神戸らしい高級車2台が事故っており、片側通行規制になっていたため。



道中に見かけたカキノハグサ。
あとで調べたら、これがなかなか珍しい植物だということが判明。ラッキーだった。
咲いていた場所には、たくさんの株があったのだが、そこしか見かけなかった。


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