■メイン写真
道の駅「吉野路大塔」から見る行者山
■今回のコース
ふるさとの森公園駐車場→鉄棒のある廃屋→巨岩群→行者山→(P1062を北から巻く)→
唐笠山→(南陵)→(南側のトラバース道)→送電線巡視路→(廃道化)→(直登)→
巨岩群→鉄棒のある廃屋→ふるさとの森公園駐車場
山頂の北側に、若いブナ林が広がる唐笠山は、周辺からは三角形の端正な山容でも
知られている。
この山、たまに迷う人が出るらしいが、標識は皆無で、仕事道や関電巡視路が
輻輳していることが、その理由であろう。
単純に、稜線を忠実にたどれば何ということもない山なのだが・・・
そこでこの日は、可能な範囲で枝道や巻き道がどうなっているのかを踏査・検証
してみた。
猿谷ダムの大塔橋を右折し、短いトンネルを出てすぐ右折、細くくねった村道を
上がっていくと、ふるさとの森公園の駐車場がある。ここに駐車。
公園というが、いわゆる公園はどこにあるのだろう。
村道を引き続き登っていくと、ほどなく廃屋のところで山道に変わる。
高台に出ると、朽ちかけた鉄棒が残る廃屋の前を通る。とにかく廃屋が多い。
すぐ先の分岐で、尾根道をとる。
最奥の廃屋の手前でZ字に折れ、尾根筋に乗る。
単調な植林の中、踏み跡が2~3重についているが、どれをとってもよい。
標高約900m付近で突然、展望が広がる。
送電線が走っているのだ。大日山、天辻峠、乗鞍岳方面が開ける。
道の駅「吉野路大塔」も見える。
鉄塔をくぐったら、再び樹林の中へ。ヒカゲノカズラの群落が印象的。
尾根を外れ、右へトラバースしたと思ったら、左に苔むした巨岩群が現れる。
ここで岩の横から、送電線巡視路の樹脂製階段を直登する。
けっこうな勾配。振り返ると、猿谷ダムが見える。
ひょんと飛び出したピークが、NHKの電波塔が建つ行者山だ。
展望は皆無。樹木も雑然としている。ちょっと残念。
尾根を進む。しだいに雑木林が混じったりしてくる。
時折、涼しい風が通り抜けてくるのがありがたい。
10mほど先で、地面がむくむくと盛り上がった。
えっと思って凝視したら、ウリ坊(イノシシの子ども)が数匹、
大慌てで山を駈け下りて行くのが見えた。
小ピークを過ぎた鞍部で、右に鋭角に踏み跡があるのを発見。
これを仮に分岐Aとしておこう。いったん、これは捨てて、先へ進む。
ふと視界を、白黒の鳥が横切った。あれっ、ヤマセミだ!
カメラは構える暇もない。
コテングタケモドキか、コテングタケか?いずれにせよ有毒。
幼菌から成菌までの推移が分かる生え方をしていた。
大きなブナがある分岐で、1062mピークを忠実に通る道と、
北側直下を巻く道に分かれる。
巻き道は途中に山ヌケ箇所があり、トラバースには慎重さが要求される状態だった。
次のコルで両方の道は合流し、同時に、唐笠山への尾根道と、南側を巻く道が
分岐している。これは仮に分岐Bとしておこう。
分岐Bでは、南への巻き道の方に派手にリボンやテープがかかっているが、
ここはそれを無視し、急な尾根を、忠実に登り詰め、唐笠山の頂に出る。
南側は植林だが、北側は若いブナの美林。
大好きなブナの緑の中で山頂を独占できる、贅沢な時間。
山頂のすぐ先に、「古川山」のプレートがかかっている。
山名ではなく、所有者のことだろうか。
このすぐ先で、東稜に続く白テープ(山西に下るのか?)と、
殿野へ下りる南稜の急坂に分かれる。ここはアセビの群落を通り南稜へ。
標高差100mほどを下ると、尾根が痩せてくる。鞍部に近づくと、右に
鋭角に、トラバース道が現れた。唐笠山の南側を巻く道だ。
分岐点に巡視路の道標に手書きされているが、「×」に進むと山頂、
113が鉄塔である。「×」を見て、ハイカーは道を誤ってしまうのではないか。
もとより、この標識はハイカーのためにあるのではない。
この道はトレースがしっかりしており、分岐Bに収斂した。
帰りは1062mピークを越えてみた。樹林の中で、特に何もない。
分岐Bに戻り、左のトラバース道に入ってみた。
しばらくは、踏み跡はしっかりしている。
支尾根の送電線鉄塔に出ると、眺めが広がった。
ところどころ、土砂が流入して歩きにくい。
さらにトラバースを続けると、
岩清水が浸みだしているところで踏み跡が二分した。
上の道を進むと、次の支尾根の鉄塔近くにひょんと出た。
眼前に、行者山と往路に登った尾根が見える。
しかし、この先に踏み跡は見当たらなかった。
仕方ないのでさっきの岩清水のところから下の道をたどったが、
倒木、土砂がジャマして大変。それでも薄いルートの痕跡はあるから困る。
とうとう次の支尾根の取付きで痕跡すらなくなった。
シカの警戒音が上の方で鳴り響いたと思ったら、20mほど先に落石がガンガン
降り注いできた。これは恐怖以外の何物でもない。
道は消えたが、現在地は特定できているので、迷子感覚はない。
引き返すのも面倒なので、今いる尾根を急登することにした。
まるで沢登りの詰めのようだが、ブッシュはそれほどでもない。
ちょっと本気モードに入ったが、ほどなく、往路に通った巨石群の下にうまく出た。
うーん、これは普通のハイカーだと、迷うと大変かも。
まあ結論から言えば、行者山、唐笠山へは、できるだけ稜線を忠実に行きましょうと
いうこと。
あと、送電線巡視路の標識は、登山としてはあまり参考にできないということ。
やれやれ、おつかれさま。
道の駅「吉野路大塔」から見る行者山
■今回のコース
ふるさとの森公園駐車場→鉄棒のある廃屋→巨岩群→行者山→(P1062を北から巻く)→
唐笠山→(南陵)→(南側のトラバース道)→送電線巡視路→(廃道化)→(直登)→
巨岩群→鉄棒のある廃屋→ふるさとの森公園駐車場
山頂の北側に、若いブナ林が広がる唐笠山は、周辺からは三角形の端正な山容でも
知られている。
この山、たまに迷う人が出るらしいが、標識は皆無で、仕事道や関電巡視路が
輻輳していることが、その理由であろう。
単純に、稜線を忠実にたどれば何ということもない山なのだが・・・
そこでこの日は、可能な範囲で枝道や巻き道がどうなっているのかを踏査・検証
してみた。
猿谷ダムの大塔橋を右折し、短いトンネルを出てすぐ右折、細くくねった村道を
上がっていくと、ふるさとの森公園の駐車場がある。ここに駐車。
公園というが、いわゆる公園はどこにあるのだろう。
村道を引き続き登っていくと、ほどなく廃屋のところで山道に変わる。
高台に出ると、朽ちかけた鉄棒が残る廃屋の前を通る。とにかく廃屋が多い。
すぐ先の分岐で、尾根道をとる。
最奥の廃屋の手前でZ字に折れ、尾根筋に乗る。
単調な植林の中、踏み跡が2~3重についているが、どれをとってもよい。
標高約900m付近で突然、展望が広がる。
送電線が走っているのだ。大日山、天辻峠、乗鞍岳方面が開ける。
道の駅「吉野路大塔」も見える。
鉄塔をくぐったら、再び樹林の中へ。ヒカゲノカズラの群落が印象的。
尾根を外れ、右へトラバースしたと思ったら、左に苔むした巨岩群が現れる。
ここで岩の横から、送電線巡視路の樹脂製階段を直登する。
けっこうな勾配。振り返ると、猿谷ダムが見える。
ひょんと飛び出したピークが、NHKの電波塔が建つ行者山だ。
展望は皆無。樹木も雑然としている。ちょっと残念。
尾根を進む。しだいに雑木林が混じったりしてくる。
時折、涼しい風が通り抜けてくるのがありがたい。
10mほど先で、地面がむくむくと盛り上がった。
えっと思って凝視したら、ウリ坊(イノシシの子ども)が数匹、
大慌てで山を駈け下りて行くのが見えた。
小ピークを過ぎた鞍部で、右に鋭角に踏み跡があるのを発見。
これを仮に分岐Aとしておこう。いったん、これは捨てて、先へ進む。
ふと視界を、白黒の鳥が横切った。あれっ、ヤマセミだ!
カメラは構える暇もない。
コテングタケモドキか、コテングタケか?いずれにせよ有毒。
幼菌から成菌までの推移が分かる生え方をしていた。
大きなブナがある分岐で、1062mピークを忠実に通る道と、
北側直下を巻く道に分かれる。
巻き道は途中に山ヌケ箇所があり、トラバースには慎重さが要求される状態だった。
次のコルで両方の道は合流し、同時に、唐笠山への尾根道と、南側を巻く道が
分岐している。これは仮に分岐Bとしておこう。
分岐Bでは、南への巻き道の方に派手にリボンやテープがかかっているが、
ここはそれを無視し、急な尾根を、忠実に登り詰め、唐笠山の頂に出る。
南側は植林だが、北側は若いブナの美林。
大好きなブナの緑の中で山頂を独占できる、贅沢な時間。
山頂のすぐ先に、「古川山」のプレートがかかっている。
山名ではなく、所有者のことだろうか。
このすぐ先で、東稜に続く白テープ(山西に下るのか?)と、
殿野へ下りる南稜の急坂に分かれる。ここはアセビの群落を通り南稜へ。
標高差100mほどを下ると、尾根が痩せてくる。鞍部に近づくと、右に
鋭角に、トラバース道が現れた。唐笠山の南側を巻く道だ。
分岐点に巡視路の道標に手書きされているが、「×」に進むと山頂、
113が鉄塔である。「×」を見て、ハイカーは道を誤ってしまうのではないか。
もとより、この標識はハイカーのためにあるのではない。
この道はトレースがしっかりしており、分岐Bに収斂した。
帰りは1062mピークを越えてみた。樹林の中で、特に何もない。
分岐Bに戻り、左のトラバース道に入ってみた。
しばらくは、踏み跡はしっかりしている。
支尾根の送電線鉄塔に出ると、眺めが広がった。
ところどころ、土砂が流入して歩きにくい。
さらにトラバースを続けると、
岩清水が浸みだしているところで踏み跡が二分した。
上の道を進むと、次の支尾根の鉄塔近くにひょんと出た。
眼前に、行者山と往路に登った尾根が見える。
しかし、この先に踏み跡は見当たらなかった。
仕方ないのでさっきの岩清水のところから下の道をたどったが、
倒木、土砂がジャマして大変。それでも薄いルートの痕跡はあるから困る。
とうとう次の支尾根の取付きで痕跡すらなくなった。
シカの警戒音が上の方で鳴り響いたと思ったら、20mほど先に落石がガンガン
降り注いできた。これは恐怖以外の何物でもない。
道は消えたが、現在地は特定できているので、迷子感覚はない。
引き返すのも面倒なので、今いる尾根を急登することにした。
まるで沢登りの詰めのようだが、ブッシュはそれほどでもない。
ちょっと本気モードに入ったが、ほどなく、往路に通った巨石群の下にうまく出た。
うーん、これは普通のハイカーだと、迷うと大変かも。
まあ結論から言えば、行者山、唐笠山へは、できるだけ稜線を忠実に行きましょうと
いうこと。
あと、送電線巡視路の標識は、登山としてはあまり参考にできないということ。
やれやれ、おつかれさま。