昨年の有馬記念で37年ぶりの牝馬制覇を成し遂げ、2009年の初戦・フェブラリーステークスに向けて順調に調整を続けていたダイワスカーレットが、左前脚球節の不安のため同レースを回避、さらに精密検査で浅屈腱炎の症状が出ていたことが明らかになりました。この影響で3月に予定されていたドバイ遠征も断念、今後についても白紙の状態です。
ダイワスカーレットを管理している松田国英調教師によると、「球節の下の部分に痛みがあったのでレントゲン検査したところ、骨には異常はなかったが、エコー検査で腱及び靱帯を検査したところ、繋の骨(指骨)につながる浅屈腱の左内側部分に炎症が見られた」とコメント。全治については明らかにされていないため、夏頃のイギリス遠征も絶望的、最悪の場合は年内絶望→引退の危機まで陥りました。スカーレットの主戦騎手・安藤勝己騎手は、同馬が回避したためカジノドライヴに騎乗することに。ただカジノドライヴは補欠1番手であり、回避する馬が出ないとフェブラリーSに出走することができません。ドバイW杯の前哨戦のつもりで参戦を決めたけど、除外されるかも。安藤騎手はスカーレットの分まで勝ちたいところなんですが…。
フェブラリーSでカネヒキリVSヴァーミリアンVSダイワスカーレットの3強対決を楽しみにしていたのに、ダイワスカーレットの回避で楽しみが半分以上に減ったというファンも多いと思います。昨年もこのレースに参戦するはずだったんですが、調教中に目にウッドチップが刺さってしまい、創傷性角膜炎で回避→ドバイ断念という悲運がありました。彼女にとっては2年連続でフェブラリーS回避、競馬の神様の悪戯としか言えません…。松田調教師は過去にもタニノギムレット、キングカメハメハの歴代ダービー馬、クロフネが屈腱炎で引退に追い込んだという経験があり、もしスカーレットも引退してしまったら、競馬ファンから相当なバッシングを喰らう事になるでしょう。
ダイワスカーレットといえば、12戦8勝・GI4勝という輝かしい成績を上げている一方で、怪我などに泣かされてきました。オークスでは直前に感冒で回避、昨年には角膜炎のあと、右前脚管骨骨瘤で春季シーズンを全休するというのがありました。そして今回は浅屈腱炎という重症。どんなに怪我してもレースでは強さを見せるから、逞しい肉体を持っているかもしれないけど、浅屈腱炎を患ったことで現役を続けられるのか厳しくなりました。でも、屈腱炎を患った後に復活する馬も中にはいるし、カネヒキリなんか屈腱炎を2度発症したけど、その後はGI3連勝で完全復活。今度のレースでGI8勝目に挑戦するんです。スカーレットなら必ず克服できるし、復帰すればまた強い走りが戻ってくるはずです。世界挑戦の夢は白紙になったけど、ファンはダイワスカーレットの一日でも早い回復と戦線復帰を待ち望んでいます。必ず完治して、ターフに戻ってきて!