アメリカの映画の祭典・第81回アカデミー賞が現地時間22日、ロサンゼルス・コダックシアターで行われ、「おくりびと」が最優秀外国語映画賞、「つみきのいえ」が短編アニメーション部門賞をそれぞれ受賞しました。日本の映画作品がアカデミー賞で複数の部門を受賞するのは史上初の快挙です。
外国語映画部門賞には、カンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)を受賞したフランスの「ザ・クラス」、イスラエルの「戦場でワルツを」の2作品が本命とされていましたが、それを覆して「おくりびと」がオスカー獲得。当初は伏兵とされていましたが、結果的に番狂わせを起こしました。滝田洋二郎監督は「これが私にとって新しい旅立ちになる」と語り、主演で納棺師役の本木雅弘さんは「言葉にならない。まだ不思議」、広末涼子さんは「コングラチュレーションの嵐を浴びた」と喜んでいました。
この部門では過去に「ビルマの竪琴」、「羅生門」、「たそがれ清兵衛」、「どですかでん」がノミネートされたものの、いずれもオスカー受賞ならず。「おくりびと」が初めて外国語映画賞を受賞したことになります。現在でもロングラン上映中のところもあり、今回の受賞で上映する映画館が更に増えるかもしれません。一度映画館で見てみたいんだけど、なかなか行けないんだよな…。早くDVDかテレビで放送してほしい…。
短編アニメーション部門賞を獲得した「つみきのいえ」は、アニメ作品では「千と千尋の神隠し」以来6年ぶりの受賞となりました。加藤久仁生監督は壇上で「サンキュー」を連呼し、「So heavy(重いですね)」と言いながらもオスカー像を強く握り締めていました。この作品はROBOTが製作した12分の短編アニメで、全て手描きという心温まる作品だそうで、ナレーションには長澤まさみさんが担当しています。
本場のアカデミー賞で日本の作品が2部門を受賞したことは、日本映画界にとっては歴史的快挙としかいえません。「日本はまだ世界に通用しないんだろうな」と思っていましたが、世界を制したことは凄いと思いました。同時受賞は日本映画の実力が世界に認められたものであり、今後は世界中で日本映画が注目されることになると思います。今後も「おくりびと」のようにアカデミー賞やカンヌのパルムドールを受賞する作品が出てほしいですね。受賞作品に係った出演者とスタッフの皆さん、本当におめでとうございます。
日本旋風が少しだけ巻き起こった今回のアカデミー賞ですが、主演男優賞にはショーン・ペン(ミルク)が2度目の受賞。主演女優賞のケイト・ウィンスレット(愛を読むひと)は、6度目のノミネートで悲願の初受賞。助演男優賞は昨年1月に28歳の若さで他界したヒース・レジャー(ダークナイト)、助演女優賞には、『それでも恋するバルセロナ』のペネロペ・クルスがそれぞれ受賞しました。
そして作品賞には「スラムドッグ$ミリオネア」が受賞。監督を務めたダニー・ボイル氏が監督賞、音楽賞・脚色賞・撮影賞など最多の8部門を獲得しました。日本では4月に公開予定なので、ゴールデンウィーク注目の映画になることは間違いありません。日本でも人気がある「クイズミリオネア」をテーマにした映画だから、大ヒットするでしょう。