AFCチャンピオンズリーグのグループリーグ第6戦、前日は鹿島アントラーズがG組1位通過したのに対し、川崎フロンターレは連敗でH組2位で終えました。20日はガンバ大阪がホームでFCソウル、名古屋グランパスは中国に乗り込んで北京国安と対戦しました。
ガンバ大阪vsFCソウル@万博記念競技場
新型インフルエンザの影響で無観客試合も検討されたガンバVSソウル戦ですが、通常通り(サポーターを入れて)の開催となりました。この日は遠藤保仁とルーカスが出場停止、レアンドロが負傷欠場、主力選手もベンチ入りせず、若手主体&播戸竜二がキャプテンマークを巻いて臨みました。厳戒態勢にも関わらずスタジアムに駆けつけたサポーターのためにも勝利したいところでしたが…。
試合は前半2分、ソウルがいきなりチャンスを作り、左サイドのクロスにイ・サンヒョプが頭で狙いましたが、バーを越えていきます。ガンバは前半10分、公式戦初出場の17歳・宇佐美貴史がミドルシュート!ソウルGKの正面で弾かれますが、こぼれ球を山崎雅人が狙うも右に外れました。18分、寺田紳一が相手陣内でボールを奪うと、右サイドを突破してシュートしますが、GKが足でセーブ。19分には播戸がペナルティエリア付近で倒されてFK。このFKをパク・ドンヒョクが強烈に狙いましたが、クロスバーの上。30分、ソウルはダムジャノビッチのパスを受けたアジウソンがシュート、ガンバGK・松代直樹が弾くとこぼれ球をサンヒョプがボレーで叩きつけるも決められない。ガンバは前半終了間際にセットプレーからチャンスを迎えるもシュートには持ち込めず。前半はスコアレスで終了。
後半、ガンバは立ち上がりに宇佐美がロングを狙いますが、枠を捉えられず。ソウルは6分にダムジャノビッチがドリブルからシュートを打って来るも失敗。直後に寺田のパスを受けた山崎が抜け出すが、ソウルDFがブロック。こぼれ球の競り合いはソウルがクリア。8分、ガンバ・寺田のミドルシュートをGKが正面でセーブ。直後にソウルはカウンター攻撃を仕掛け、ダムジャノビッチがエリア内にいた味方選手にスルーパスを出しましたが、オフサイド判定でガンバDFは安心しました。
後半18分にようやく試合が動き出します。倉田秋のロングパスに宇佐美が抜け出し、GKとの1対1から右足で決めて先制ゴール!宇佐美が公式戦デビュー戦でプロ初得点!しかし後半28分、ソウルはイ・スンヨルが右サイドを駆け抜けた後にグラウンダークロス、最後はダムジャノビッチに押し込まれて同点に追いつかれてしまいます。中澤聡太がオフサイドだと抗議するも警告、それでも不服だと抗議を続けますが、味方選手がなだめます。
追いつかれたガンバは、安田理大がエリア内に進入するもダメ、32分には山崎が左からシュートするも阻まれ、こぼれ球に倉田が打つも左に外れます。38分には播戸が胸トラップから左足ボレーで見せるが、GKが横っ飛びでセーブ。41分、山崎が右サイドを突破すると、相手をかわしてシュートを放つもGKにキャッチされる。ガンバが再三チャンスを作るも勝ち越し点が奪えず、このまま引き分けに終わるかに思われたロスタイム、ソウルのCKのこぼれ球をキム・ハンユンに決められて逆転。最後の最後で逆転を許してしまったガンバ大阪、FCソウルに1-2で敗れ、ACLの無敗記録が19試合でストップしました。
北京国安VS名古屋グランパス@北京工人体育場
こちらも首位通過が決まっている名古屋グランパス。グループリーグ最終戦の北京国安戦は、楢崎正剛・小川佳純・ダヴィ・中村直志の主力が欠場、控え主体で挑みました。
前半9分、吉田麻也が北京のスライディングタックルで倒され、チュ・イーファンに警告が出ました。北京は10分過ぎにペナルティエリア付近でワンタッチパスを繋ぎ、最後はスイ・ドンリャンがミドルを狙いますが、バーを越えて行きました。14分にJ・グリフィスのクロスを名古屋GK・西村弘司がセーブ、こぼれ球にドゥ・ウェンフイがシュート、しかしボールはポストに直撃。その後も北京が試合のペースを握りますが、名古屋DF陣が何とか守りぬいてみせます。28分にはチョー・ティンが中央から強烈なミドル!これは左に外れました。
北京ペースで迎えた前半33分、花井聖が倒されてFK獲得。このFKを自ら狙うがサイドバーに直撃、しかし跳ね返ったボールを新川織部が押し込んで名古屋が先制!前半終了間際、津田知宏がパスを受けますが、オフサイドを取られてしまいました。
後半に入り、1点を追う北京の猛攻が続きます。まず7分にシュウ・ユンロン、15分には右サイドのクロスをJ・グリフィスが頭で合わせますが、竹内彬が阻む。18分には北京の波状攻撃を名古屋守備陣が必死でセーブ。同点ゴールは絶対に許しません。一方で北京の酷いファウルが連発。19分にモディボが花井の背中に向けてタックル、20分にはグオ・フイが田口泰士の顔面を蹴りあげるが、これはノーファウル。
名古屋は23分、久々にチャンスを迎えます。中盤のパス回し→津田が右サイドでパス→巻佑樹がミドルを狙いますが、全然ダメ。後半30分に津田を下げて杉本恵太を投入して追加点を決めようとしますが、後半36分に北京のグオ・フイに決められて同点に追いつかれてしまいます。1-1で迎えた後半44分、北京はモディボが右サイドから勝負に出ますが、エリア内で吉田を倒してファウル。今度は名古屋が左サイドのクロスに杉本、巻が押し込むが北京DFに阻まれる。今度は北京がカウンターを見せるが、名古屋DFがブロック。終了間際、杉本が突破を図ろうとしたところ、ラン・ジョンが手を出した。極悪非道のファウルでラン・ジョンは2枚目の警告で退場処分。試合は1-1の引き分けに終わり、名古屋は3勝3分けの無敗でグループステージを終えました。
20日も日本勢の勝利は無し。ACL第6戦は日本勢4チームに白星はありませんでした。ガンバ大阪は宇佐美選手のゴールで先制しながらも、その後2失点で逆転負けを喫し、全勝突破はならず。ACLの無敗記録がついに止まってしまいました。名古屋グランパスは新川選手が先制点を決め、後半は北京の猛攻を耐え続けましたが、後半35分に同点ゴールを奪われてしまいました。最後のラリアットは本当に酷いです。
17歳の宇佐美選手は、今年トップチームに昇格し、公式戦デビューとなったこの試合でプロ初ゴールを挙げてみせました。ユース時代から注目されていて、どんな選手なのか気になってましたが、ミドルシュートを果敢に打っていき、突破力もありますね!数年後にはガンバの主力になっていて、遠藤選手の後継者になっていると思います。浦和レッズの原口元気と山田直輝、鹿島・大迫勇也といった若手の逸材が活躍し、宇佐美選手も続くことでしょう。
これでグループリーグの全日程が終了しました。鹿島は4勝1敗1分けの勝ち点13でG組首位、ガンバは5勝1敗・勝ち点15でF組首位、名古屋は3勝3分け・勝ち点12でE組首位、川崎は3勝2敗1分け・勝ち点10でH組2位という結果でした。そしてA~H組の勝ち上がりは次の通り。
A組:パフタコル、アルヒラル B組:アルシャバブ、ペルセポリス
C組:アルイティハド、ウンムサラル D組:アルエティファク、ブニョドコル
E組:名古屋グランパス、ニューカッスル・ジェッツ F組:ガンバ大阪、FCソウル
G組:鹿島アントラーズ、水原三星ブルーウィングス H組:浦項スティーラース、川崎フロンターレ
6月24日の決勝トーナメント1回戦では、ガンバVS川崎の日本勢対決、鹿島VSFCソウル、名古屋VS水原三星という組み合わせになりました。一発勝負で勝てばベスト8進出、日本勢が3チーム勝ち上がることもあるでしょう。決勝トーナメントも日本勢の活躍を期待したいと思います!