4年に一度のスポーツ祭典「2016リオデジャネイロオリンピック」が、日本時間6日に開幕しました。南米大陸で初めての五輪開催となる今大会、205の国と地域、約1万1千人の選手が参加します。この日の開会式では色々な出来事がありました。
サッカーの聖地・マラカナンスタジアムで行われた開会式は、ブラジル出身の映画監督であるフェルナンド・メイレレス氏の演出の下、「地球環境の保護」をテーマに盛大に行われました。
ブラジルの歴史を紹介するコーナーでは、日本の移民を題材にした演目もありました。この日は広島に原子爆弾が投下された日であり、平和祈念式典に合わせて日系移民を登場させたそうです。さらにはカーニバルの本場・リオということで、華麗なサンバショーもありました。
選手入場では、日本選手団が104番目に登場し、旗手を務める右代啓祐選手(十種競技)を先頭に、「日の丸カラー」のスーツを身に纏った大勢の選手が続々と行進。カンボジア代表として男子マラソンに出場するタレントの猫ひろしさん(本名・瀧崎邦明)も笑顔で登場しました。
組織的ドーピングで五輪参加が危ぶまれていたロシア選手団も159番目に登場。陸上チームが除外されたものの、271人がエントリー。そして、最後に登場したブラジル選手団には、スタンドから大歓声が沸きあがりました。
選手入場の間、選手たちが銀の柱に木の種を植え、入場を終えた後に多数の銀の柱が中央に集まり、緑色の五輪マークが開きました。まさに「地球環境」のテーマに相応しい演出でしたねえ。
そして、開会式のクライマックスである「聖火入場」では、元テニス選手のグスタボ・クエルテン氏がスタジアムに現れると、最終走者のバンデルレイ・デリマ氏(元マラソン選手)が聖火トーチを高々と掲げた後、聖火台に点火させました。
華やかに行われた開会式でしたが、意外なハプニングもありました。選手入場で自転車が各国の選手団を先導するという演出が施されていたんですが、ブルンジだけ自転車の先導がありませんでした。なぜブルンジだけ自転車が忘れられていたのかは不明…。
さらに、ミシェル・テメル大統領代行がリオ五輪の開会宣言をした際、スタンドからブーイングも起きていました。本来ならばブラジルのトップであるルセフ大統領が開会宣言をするところですが、ルセフ氏が汚職疑惑により180日間の職務停止期間中のため、開会式を欠席しました。
また、リオデジャネイロ市内で五輪に反対するデモも発生。デモ隊は「政治の混乱」と「無駄遣い」に抗議し、中止を訴えているようですが…。こんなに大荒れな五輪の幕開けは初めてです。
聖火の最終走者についてですが、一部報道では「サッカーの神様」ことペレ氏が最終走者を務めるといわれていましたが、健康面の不安により辞退。その代役にデリマ氏が選ばれました。デリマ氏といえば、2004年のアテネ五輪の男子マラソンでトップを快走しながらも、レース終盤に乱入者に襲われましたが、銅メダルを獲得。後に「悲劇のランナー」、「金メダルより輝く銅メダリスト」と呼ばれるようになりました。確かに金メダルを取った選手より、デリマ氏のほうが記憶に残りますね。
いよいよ17日間にわたる熱戦が始まったリオ五輪、前回のロンドン大会ではメダルラッシュに日本中が沸きましたが、今大会もメダルラッシュが起きることを期待したい。できれば、金メダルの数を北京とロンドンを上回れば最高だけど。選手の皆さん、五輪を楽しみつつ、メダル獲得を目指して頑張ってほしいと思います。