大詰めを迎えたリオデジャネイロ五輪、大会14日目は、バドミントンで女子ダブルスの決勝戦が行われました。日本の高橋礼華&松友美佐紀ペアは、世界ランク1位の実力通り、準決勝まで順当に勝ち上がってきました。 決勝の相手は世界ランク6位のクリスティナ・ペデルセン&カミラ・リターユール(デンマーク)のペア。バドミントン競技で日本勢初の金メダルをかけた大一番は、壮絶な死闘となりました。
第1ゲームは、立ち上がりはシーソーゲームの展開となり、4-4からデンマークが3ポイント連取して4-7とするが、日本も逆に4連続ポイントを奪い、8-7と逆転する。しかし、デンマークがその後に13-15と勝ち越し、日本も1点差で追いかけるが、デンマークが先に20点目を挙げてセットポイントを迎え、デンマークの強打を日本が粘りのディフェンスで返すが、最後はリターユールのストレートへのスマッシュが決まり、第1ゲームはデンマークが21-18で勝利。
日本にとって後が無い状態で迎えた第2ゲーム、日本が序盤から猛攻を仕掛け、2-1から4ポイントを連取すると、11-5でブレイクを奪う。後半に入っても日本のリードは変わらず、21-9と12点の大差をつけて第2ゲームを取る。ゲームカウントも1-1のタイとなり、勝負は最終ゲームへ。
迎えた最終第3ゲーム。日本が5-4とリードするが、デンマークが4連続ポイントで5-8とする。日本も負けじと3ポイント返して8-8とする。日本が10点目を取った後、デンマークが「二度打ち」で10-10の同点とするも、高橋が前に落とすプレーで日本に11点目が入りブレイク。しかし、後半に入るとデンマークが4連続ポイントで流れを掴み、16-16から3連続ポイントを奪い、16-19と日本を突き放す。
追い込まれた日本ペアだったが、ここからドラマが生まれます。前衛の松友が相手コートの前に落として17点目を入れると、今度は松友がクロスへのスマッシュを決めて19-18と1点差に詰める。前衛・高橋がサーブ→ペダーセンとリターユールの強打を松友が返し、ラリー戦から松友が強烈なスマッシュを打ち抜いた!日本が3連続ポイントで19-19の同点に追いついた!勢いに乗る日本は、ラリーから高橋の強打→相手が返しきれずアウト!デンマーク側のミスで、日本が20-19とついに逆転してマッチポイント!次の1点を取れば金メダルが決まる場面で、ペダーセンが強打を連発→高橋&松友が返すと、高橋スマッシュ→ペダーセンのリターンがネットに当たって勝負あり!日本が5連続ポイントで21-19!ゲームカウント2-1で、高橋&松友ペアが金メダルを手にしました!
本当にすごい試合でした!一進一退の攻防が続いたため、途中から心臓がバクバクしちゃいましたよ。第3ゲームで16-19とタカマツペアがリードされ、もはや万事休すかと思われましたが、そこから5連続ポイントを奪って奇跡の大逆転勝利。松友選手と高橋選手、追い込まれても冷静でしたね~。松友選手がネット際のドロップショット、さらにはクロススマッシュを次々と決めて見せれば、高橋選手も強打を連発。これには相手も返すことはできませんでした。
試合終了の瞬間、高橋選手が倒れこみ、朴柱奉ヘッドコーチもベンチから飛び出して選手たちを抱擁。朴柱奉コーチは、現役時代にバルセロナ五輪で男子ダブルスで金メダルを獲った韓国の名選手。日本バドミントン界の大躍進は、この人のおかげである事は言うまでもありません。
女子ダブルスはこれまでに、北京五輪で小椋久美子&潮田玲子ペアがベスト8、前田美順&末綱聡子ペアが4位入賞。ロンドン五輪では藤井瑞希&垣岩令佳ペアが銀メダル。そして今回のリオで、タカマツペアが日本に初めての金メダルをもたらしました。
高校時代にペアを結成し、インターハイ優勝、日本選手権で4度優勝。国際大会でもBWFスーパーシリーズファイナルズ、全英オープンを制覇。世界的に無名だった2人が世界ランキング1位にまで上り詰め、結成10年目で悲願の世界一。高橋選手、松友選手、金メダルおめでとうございます!
女子ダブルスの快挙も素晴らしかったんですが、女子シングルスでもメダル獲得です。奥原希望選手は準決勝でインドのプサルラ選手に0-2のストレート負けを喫して3位決定戦に回ることになっていましたが、相手の李雪芮選手(中国)が左ヒザ負傷により棄権したため、奥原選手が不戦勝により銅メダル決定。シングルでは男女通じて初のメダルとなりましたが、こんな形でメダルだなんて拍子抜けするわぁ~。そういえば、奥原選手が2011年の日本選手権で優勝したときも、相手選手が体調不良でドタキャン→奥原不戦勝だった気がします。
今回のリオ五輪は、女子ダブルスで金メダル、女子シングルスも銅メダルという結果に終わりました。今年4月に男子のエースだった桃田賢斗選手と田児賢一選手の闇カジノ通いが発覚し、バドミントン界に暗い影を落としましたが、女性陣がバドミントンのイメージダウンを払拭させました。バドミントン界の未来は、もっと明るくなるはずだ。