リオデジャネイロ五輪の開催5日目は、カヌー競技で日本勢初の表彰台、男子競泳の800mリレーで52年ぶりのメダル。さらに男子7人制ラグビーで日本がニュージーランドに勝利を挙げました!
カヌーの「スラローム男子カナディアンシングル」は、日本から羽根田卓也選手が出場。予選を5位(94.58秒)で通過すると、準決勝では巧みなパドル捌きでゲートを次々とクリア。ゲート接触のペナルティも無く、98.84点で全体の6位で決勝に進出。
決勝では、スタートから積極的に飛ばし、最初のチェックポイントを30.35秒で通過すると、第2チェックポイントも59.79秒とトップの選手を上回るタイムで通過します。20番ゲートでやや触れそうになったが、無事にクリア。終盤にタイムを伸ばせず、最後はトップのマティエ・ベニュシュ(スロバキア)から2.42秒遅れの97.44秒でゴール。残り5人の時点で暫定2位に入ります。
その後、準決勝3位のデニス・ガルガウシャヌ(フランス)がベニュシュと羽根田を上回る94.17点で首位に立ち、羽根田は3位と順位を下げたが、準決勝トップのシデリス・タジアディス(ドイツ)が97.90点と羽根田の点数を下回り、羽根田の銅メダルが決定。日本勢にとって、この競技初のメダルをもたらしました。
カヌー競技で日本人に初めてのメダリストが誕生。カヌーは全くと言って良いほど注目されない競技だったので、まさかメダルを獲得するとは思ってもいませんでした。この種目にはミスや転覆する選手もいましたが、羽根田選手は予選ではゲートの接触がありましたが、準決勝と決勝では大きなミスとペナルティがありませんでした。
羽根田選手は、19歳のときにカヌーの本場・スロベニアへ留学。スロベニアで培われた技術で頭角を表し、五輪ではこれまでに北京五輪で14位、ロンドン五輪では7位入賞。昨年11月のリオ五輪のテスト大会では2位入賞、五輪直前のワールドカップ第3戦のフランス大会でも3位入賞。国際大会で結果を出し続けたのもそうだけど、リオのコースが羽根田選手には合ってたんじゃないかと思います。
競泳競技は男子が大健闘。「男子200mバタフライ」は、400mメドレー銅メダリストの瀬戸大也選手と、坂井聖人選手が決勝に進出。決勝は「水の怪物」マイケル・フェルプス(アメリカ)と、準決勝トップのタマシュ・ケンデレシ(ハンガリー)がなど出場。
レースはラースロ・チェー(ハンガリー)とフェルプスの2人が先頭を争い、瀬戸は3番手、坂井は6番手で最初の50mをターンした。50~100mにかけて、フェルプスが抜け出して単独先頭。瀬戸は100~150mで2番手争いに加わり、150m時点で3番手。坂井は6番手だが、後半にかけてペースを上げる。残り50m、逃げるフェルプスにチャド・レクロー(南アフリカ)が追い上げ、大外から坂井が伸ばし、瀬戸もメダル争い。ラスト5mで坂井が3番手に上がり、フェルプスとの差を詰めたが、フェルプスが1分53秒36でフィニッシュして金メダル。坂井は1分53秒40で惜しくも銀メダル。瀬戸は1分54秒82で5位でした。
「男子800mリレー」は、予選を全体5位で通過した日本は、52年ぶりのメダル獲得を狙いました。
まず第1泳者・萩野公介がスタートから積極的な泳ぎを見せ、最初の100mを3番手で折り返す。一旦は4番手まで下げたが、ラスト50mで盛り返し、2番手で第2泳者・江原騎士にバトンタッチ。江原は追いかけるイギリスとオーストラリアを抑え、2番手を死守。第3泳者の小堀勇気も粘りの泳ぎで豪州と英国を振り切り、アンカー・松田丈志に繋いだ。なんとか2番手を守りたい松田だが、英国アンカーのジェームズ・ガイが猛追。松田は150mで2番手をキープするが、ゴール前でガイにかわされて3番手に後退。それでも日本は3位でフィニッシュして銅メダルを獲得しました。
男子800mリレー
金メダル:アメリカ 7分00秒66
銀メダル:イギリス 7分03秒13
銅メダル:日本 7分03秒50
競泳男子がやりました!男子800mリレーで日本が1964年の東京五輪以来、52年ぶりとなるメダルを獲得。「自由形が弱い」と長い間言われ続けていたけど、チーム一丸で銅メダルを手にしました。萩野選手に至っては、400m個人メドレーの金メダルに次いで、今大会2個目のメダルです。前日の200m自由形では7位に終わった萩野選手、この日はその悔しさを晴らすかのような力強い泳ぎを披露。エースが作った良い流れを、江原選手と小堀選手が維持し、アンカーの松田選手は最後の最後でイギリスに抜かれましたが、3番手でゴール。萩野選手が良くて、他の3人がズルズルと抜かれるんじゃないかと思ったけど、みんな良く粘ったなぁ~。
男子200mバタフライで銀メダルを獲得した坂井選手は、150mまで6番手と厳しい位置にいましたが、ラスト50mで脅威の追い上げを見せ、フェルプス選手に100分の4秒差まで追い詰めました。競馬で例えたらハナ差くらいですよ~。これは本当に惜しかった!瀬戸選手に憧れて早稲田大学に入学し、リオ五輪で瀬戸選手と同じ種目で競い合い、決勝で憧れの先輩越えを果たしました。坂井選手にとっても今後の競技人生に自信がつくはずです。
そして、バタフライと800mリレーに出場したフェルプス選手は、今大会で3冠を達成し、五輪通算21個目の金メダル獲得です。ベテランになっても「怪物」の力は健在ですが、今大会を最後に引退予定。まだやれそうなのに…。
92年ぶりに五輪に復帰「男子7人制ラグビー」。日本は予選グループでニュージーランド、イギリス、ケニアと同組に入りました。
日本は初戦でニュージーランドと対戦。前半3分に日本は細かいパス回しから、後藤輝也が左サイドを突破して先制トライを奪い5点を先取。トライ後のコンバージョンゴールも成功し、7-0とします。しかし、ニュージーランドが底力を見せ、前半5分にトライ&コンバージョンゴールで7-7の同点にすると、後半3分には勝ち越しトライを挙げ、7-12と逆転します。
このまま終わるかと思われましたが、後半5分(残り2分)過ぎたところで日本にチャンス到来。相手のファウルから早いリスタート→副島亀里ララボウラティアナラが抜け出してトライ!12-12の同点に追いつくと、坂井克行のコンバージョンゴールも決まり、14-12と日本が逆転。終了間際にNZが反撃に出るが、日本が守り切り試合終了!日本が強豪・ニュージーランドを破る大金星を挙げました!
続く2戦目のイギリス戦は、NZ戦と同様に接戦となりましたが、19-21と競り負けました。そして日本時間11日のケニア戦で、日本は31-7と圧勝。予選グループを2勝1敗で勝ち越しました。
昨年のラグビーワールドカップ(15人制)で日本代表が南アフリカを破る大金星を挙げましたが、今度は7人制で日本がニュージーランドを撃破しました!2年連続で日本ラグビーが強豪国を倒すなんて凄いとしか言えません!ニュージーランドにコテンパンにやられるかと思いきや、前半に先制トライを奪い、後半に副島選手の劇的なトライがありました。
副島選手はフィジー出身で、日本人の奥さんと結婚した後に日本国籍を取得。普段は道路工事の作業員で、福岡のクラブチームに所属しています。無名のラグビー選手が、一日にしてヒーローになりましたねえ…。
予選グループのC組を2位で通過した日本は、11日早朝に行われる準々決勝でフランス代表と戦います。番狂わせは再び起きるのか?