あのピストル、撃ったことある?
かけっこのスタートの時にぶっぱなす、あれ。
陸上部のエース、ゴトー君がひとりでスタート練習をしている。
かたわらには、あのピストルが・・・
「ゴトー、スターターしてやるぜ」
「おぅ、たのむ」
「位置について~ よおーい ・・・」
7秒くらいタメていると、ゴトー、前のめりに倒れる。
「おせーよ! 早く撃てっ!」
「あのな、気の長いスターターもいるだろが。集中しろ!」
ゴトー、ぶつぶつ言うが・・・かまわず
「位置について~ よおーいドンッ
よおーいが終わらないうちに撃つ^^ お約束だ。
「はえーよ!」
「あのな、気が短いスターターもいるだろが。集中しろ!」
と、3発目はまじめにね、殺されるもん。
実質2発撃って気がすんだオレは、とっとと退散する。
ゴトーが遠くでわめいている・・・
「テメー 撃ちたかっただけだろっ」
「ハハハハハ あたりめーだろ」
ゴトーとはこの後、体育祭のリレーでアンカー対決をすることに。
というわけで、この小説を読むと高校時代のバカな自分に戻れる。
あと、高校の陸上選手権を見に行きたくなる。
マジで総体の陸上、見に行こうっと。
「一瞬の風になれ」 佐藤多佳子