昨日(3月2日)付の朝日新聞夕刊なのですが、14面4版に「人口水増し問題 幹部ら4人処分 愛知・東浦町」という記事が掲載されておりました。小さい記事ではありますが、気になったので読んでみました。
東浦町は、大府市の南隣にあり、高浜市や半田市にも近い所です。ここは市への昇格を目指していたようで、2010年10月に行われた国勢調査で、人口が水増しされたという疑惑が生じました。
地方自治法第8条第1項は「市となるべき普通地方公共団体は、左に掲げる要件を具えていなければならない」として、次の要件を定めています。
「人口五万以上を有すること。」(第1号)
「当該普通地方公共団体の中心の市街地を形成している区域内に在る戸数が、全戸数の六割以上であること。」(第2号)
「商工業その他の都市的業態に従事する者及びその者と同一世帯に属する者の数が、全人口の六割以上であること。」(第3号)
「前各号に定めるものの外、当該都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市としての要件を具えていること。 」(第4号)
東浦町は、上のうちの第1号の要件をクリアするために、どうやら「居住実態を確認しないまま住民票に基づいて調査票に居住者を書き加えた」ようです。引用は上記朝日新聞記事からでして、意図的に水増しをした、などの作為性を感じるのですが、町は2日に行われた町議会の全員協議会で否定しています。
私がおかしいと思ったのは、町長が全員協議会の冒頭に説明したという部分で、また記事の引用によると「職員が調査のルールを十分理解しないまま、それぞれの判断で、住民票などに基づいて書き加えを行った」という言葉です。
これは真実なのでしょうか。そうであるとすれば、職員の資質が疑われます。国勢調査は住民が質問事項に対して回答を記入するものであって、市町村の職員が勝手に書き加えたりすることが許されないというのは、別に地方公務員の仕事をしていなくてもわかるはずです。つまり、常識を踏まえていないのですから、職員の資質がない、言い換えれば職員としての前提要件が欠如しているとしか思えません。
もう一つの可能性は、町が組織ぐるみで不正を行ったということです。このようであれば事態はますます深刻です。
市になってよいこともありますが、町村よりも事務の量は増えます。よくわかっているのかと、疑わしく思います。